133 / 556
133
しおりを挟む
…それから30分もしない内に佐藤から電話があって『王様の承認が取れた』と言われた。
『アレコレと交渉材料とか反論や疑問にどう返すか…とか色々考えてたのが馬鹿らしくなるほどアッサリ了承してくれた』
と、嬉しさが余って呆れたのか疲れた様子の佐藤に少しの間、愚痴られてしまうハメになったけども。
…そして二日後。
朝食を食べた後に俺らは取引をするために王都の城へと向かった。
「良く来てくれた。ナンホクナンからは遠かったであろう?」
俺らが絨毯の引かれた玉座のある謁見室に通されると玉座に座った王様が労うように言う。
「いや、そうでもなかったぜ?です」
藤原のいつもの口調での返事に王様の隣に立ってた佐藤が焦ったように口にチャックのポーズを取るので…藤原は取って付けたような敬語を足す。
「ほっほっほ…早速取引の話をしよう。既に存じているとは思うが『死霊王の抜け殻』の事だ」
「5000万の現金と5000万相当の土地建物ね、オッケー?」
王様が笑って本題を切り出すも周りのお偉いさん達の目が気になって佐藤に気を遣っているのか、柴田と藤原が何も喋らないので俺が確認した。
「ちょっ…!海原…!」
「俺ぁこいつらと違って本来ならこんな所に呼び出されるような身分じゃない、そこらのただの一般人だ。だから当然マナーとか身についてないし喋り方とかを注意されるんなら出てくぜ?」
流石に畏まった場だからか、佐藤が驚きながら注意するように名前を呼ぶので俺は予防線を張って周りに対応を確認する。
「…しょうがない、今回は黙認しよう。しかしある程度の常識は忘れぬように」
「寛大な措置、ありがたく思います」
「「ぶはっ!」」
王様以外のお偉いさん達が集まって少しの間話した結果、どうやら容認してくれるようなので俺が皮肉で言うと柴田と藤原が笑いを堪え切れずに吹いた。
「さて…では契約書を」
「はっ!」
王様は下を向いて笑っている二人をスルーしておっさんに指示を出すと台座に乗った紙を俺らの所に持ってくる。
「内容を確認したらココにサインを」
「どうも…えーっと……どういうこと?」
「どれ?…なんだこりゃ」
「…ごちゃごちゃしてて分かりづれえ」
「そちらの『死霊王の抜け殻』を我が国が買い取ると言うことだ。代金は5000万枚の金貨と、同じ額相当の土地建物の権利書…合わせて金貨一億枚相当である、と明記されている」
俺らが紙の内容を理解出来ないでいると紙を持って来たおっさんが中身を分かりやすく説明した。
「…ホントかぁ?わざと分かりにくくして騙そうとしてんじゃね?」
「口を慎め!いくら英雄と言えど我が国を軽んじて蔑ろにするような発言は許さんぞ!」
「ああ?んだと?」
「ち、ちょっと!ホントだから!国の正式な契約書だし、ココに居る人達が証人だから嘘つかないって!」
柴田の疑うような言葉に別のおっさんが怒鳴るので藤原が振り返って睨みつけると佐藤が慌てて間に入る。
「ま、佐藤がそう言うんなら俺は信じてもいーかな」
「んじゃ俺も」
「海がそう言うんなら…てめー顔覚えたからな」
この場には王妃と第一王子、なぜか料理長も居るので俺が佐藤の言葉を信じてサインすると柴田もサインして藤原はさっきのおっさんを脅してからサインした。
『アレコレと交渉材料とか反論や疑問にどう返すか…とか色々考えてたのが馬鹿らしくなるほどアッサリ了承してくれた』
と、嬉しさが余って呆れたのか疲れた様子の佐藤に少しの間、愚痴られてしまうハメになったけども。
…そして二日後。
朝食を食べた後に俺らは取引をするために王都の城へと向かった。
「良く来てくれた。ナンホクナンからは遠かったであろう?」
俺らが絨毯の引かれた玉座のある謁見室に通されると玉座に座った王様が労うように言う。
「いや、そうでもなかったぜ?です」
藤原のいつもの口調での返事に王様の隣に立ってた佐藤が焦ったように口にチャックのポーズを取るので…藤原は取って付けたような敬語を足す。
「ほっほっほ…早速取引の話をしよう。既に存じているとは思うが『死霊王の抜け殻』の事だ」
「5000万の現金と5000万相当の土地建物ね、オッケー?」
王様が笑って本題を切り出すも周りのお偉いさん達の目が気になって佐藤に気を遣っているのか、柴田と藤原が何も喋らないので俺が確認した。
「ちょっ…!海原…!」
「俺ぁこいつらと違って本来ならこんな所に呼び出されるような身分じゃない、そこらのただの一般人だ。だから当然マナーとか身についてないし喋り方とかを注意されるんなら出てくぜ?」
流石に畏まった場だからか、佐藤が驚きながら注意するように名前を呼ぶので俺は予防線を張って周りに対応を確認する。
「…しょうがない、今回は黙認しよう。しかしある程度の常識は忘れぬように」
「寛大な措置、ありがたく思います」
「「ぶはっ!」」
王様以外のお偉いさん達が集まって少しの間話した結果、どうやら容認してくれるようなので俺が皮肉で言うと柴田と藤原が笑いを堪え切れずに吹いた。
「さて…では契約書を」
「はっ!」
王様は下を向いて笑っている二人をスルーしておっさんに指示を出すと台座に乗った紙を俺らの所に持ってくる。
「内容を確認したらココにサインを」
「どうも…えーっと……どういうこと?」
「どれ?…なんだこりゃ」
「…ごちゃごちゃしてて分かりづれえ」
「そちらの『死霊王の抜け殻』を我が国が買い取ると言うことだ。代金は5000万枚の金貨と、同じ額相当の土地建物の権利書…合わせて金貨一億枚相当である、と明記されている」
俺らが紙の内容を理解出来ないでいると紙を持って来たおっさんが中身を分かりやすく説明した。
「…ホントかぁ?わざと分かりにくくして騙そうとしてんじゃね?」
「口を慎め!いくら英雄と言えど我が国を軽んじて蔑ろにするような発言は許さんぞ!」
「ああ?んだと?」
「ち、ちょっと!ホントだから!国の正式な契約書だし、ココに居る人達が証人だから嘘つかないって!」
柴田の疑うような言葉に別のおっさんが怒鳴るので藤原が振り返って睨みつけると佐藤が慌てて間に入る。
「ま、佐藤がそう言うんなら俺は信じてもいーかな」
「んじゃ俺も」
「海がそう言うんなら…てめー顔覚えたからな」
この場には王妃と第一王子、なぜか料理長も居るので俺が佐藤の言葉を信じてサインすると柴田もサインして藤原はさっきのおっさんを脅してからサインした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
309
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる