クラスまるごと異世界転移

八神

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「条件、だと…?」


流石に話を聞かずに襲いかかってくるような真似はせずにピキりながらも灰村は確認するように話し合いに応じる。


「そうそう。『死霊王の抜け殻』って知ってっか?」

「お、おい海…ソレって…」

「知らん。ソレとコレとなんの関係がある」

「いやー、俺らソレが欲しくてさぁ…もし灰村が持ってたらつい襲いかかって奪い取っちまうかもなー…って」


俺は無駄な争いを回避するために灰村に課題を押し付ける事にした。


「そのなんとかの抜け殻があれば俺とやるってのか?」

「『死霊王の抜け殻』な。ついでに杖と王冠とマント、死霊王の装備一式を手に入れたらやってもいいぜ」


その代わり俺らが勝ったら全部貰うけどな。と、俺は灰村に戦う条件と勝った時の条件を同時に突きつける。


「…俺が勝った場合はどうする?」

「そりゃお前が物を揃えた時にでも考えればいいんじゃね?」

「…なら俺が勝った場合はお前らに土下座して謝ってもらおうか。『灰村様に舐めた口聞いて舐めた態度を取ってすみません』てな」

「おーいいぜ。おめーが物を揃えられて、なおかつ俺らに勝つ事が出来たんならな。なあ?藤」

「そだな。ま、おめーには無理だと思うけどな」


灰村が勝った時の条件を突きつけると柴田がニヤニヤと馬鹿にするように笑いながら了承し、藤原も同じように馬鹿にしたように笑う。


「その言葉に二言は無いだろうな?」

「無い」

「俺も」

「逆にお前はどうだ?灰村。死霊王の抜け殻と装備一式を揃えて初めて俺らとやり合えるステージに立てるわけだけど」


ニヤリと笑う灰村の確認に柴田と藤原が頷くので俺は逆に確認し返す。


「『死霊王の抜け殻』と杖、王冠、マントを揃えないとお前らとは喧嘩出来ないって事だろ。そして負けたらその全てをお前らに差し出す…と」

「そうそう。あとあり得ない話だけど、一つでも盗品が入ってたらアウトだからな?」


俺は灰村の確認に頷いてから念のために釘を刺した。 


「当たり前だ!…男に二言は無い。ココにいる4人全員が証人だ…いいな?」

「「おう」」

「お前がソレでいいんならいいぜ」

「ははは!直ぐに集めてお前らをボコボコにして力の差を思い知らせてやる。せいぜい首を洗って待ってろよ!」


話が纏まると灰村は笑って悪役みたいな発言をしながらどっかに歩いて行った。





ーーーーーーー






「なあ海、なんでアイツに抜け殻とか装備一式を持って来るよう言ったんだ?」

「抜け殻はついで。ココで俺らが勝ってもアイツヤンキーじゃん?どんな事してくっか分かんねーからな」


買い物中に藤原が疑問を聞いてくるので俺は適当な感じで理由を話す。


「確かに。勝つまでしつこくまとわりついて来たり不意打ちとかして来そうだしな」

「あー、なる。ってかあんな状況でんな事まで考えつくとか冷静過ぎてこわっ」


柴田がその後の事を考えながら納得して言うとソレを聞いた藤原も納得したように笑って俺を弄るように言う。
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