クラスまるごと異世界転移

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「二人には一旦落ち着いて貰わないと…」

「海、どいてろ」

「あ？」


受付嬢がオロオロしてると藤原が指示して来るのでその場を少し離れると…


藤原はいつの間にか持ってたバケツを灰村に向かってひっくり返して大量の水をぶっかける。


「ぶはっ！？てめ…！なにを！？」

「少しは頭を冷やせよ」

「ああ！？なにを…！っ…！？」


藤原の行動に灰村が怒ったように食ってかかるとまさかの二つめのバケツを持ってまたしても水をぶっかけた。


俺が驚きながらあと一人の方を見ると…柴田も同じ事をしている。


「てめ…！」

「まだ水が必要か？ああ？」

「…チッ…分かったよ。離せ」


怒っている灰村も流石に三回も水をかけられるのは嫌なのか舌打ちをして大人しくなった。


そして柴田の方もなんやかんや大人しくなっている。


「おいおい、お前らさては慣れてんな？」

「まあな」

「酔っ払いと喧嘩は水を差すのが一番よ」


雰囲気も落ち着いてきたので俺がそう聞くと藤原と柴田は慣れたような余裕を見せて返す。


「物理的に水をかけてんじゃねーか」

「熱いモノを冷やすには水が一番だろ？」


俺が笑いながらツッコむと柴田も笑いながら聞き返してきた。


「んじゃ、後は大丈夫？」

「あ、ありがとうございます！」

「おい。待て、藤原」


柴田の問いに受付嬢が頭を下げてお礼を言うので俺らが酒場を出ようとしたら藤原だけ灰村に呼び止められる。


「あ？」

「お礼だ！」

「おっと」

「っ…！？」


藤原が振り返ると同時に灰村が顔面に殴りかかってくるので俺の兵にパンチを受け止めさせた。


「っぶねぇ…！海、ナイス」


柴田のスキルのおかげで俺の兵にダメージは無く藤原が焦ったように驚きながらお礼を言う。


「ヤンキーのお礼ってロクでもねーのな」

「チッ！邪魔が入ったか…！」


柴田が蔑むような目を向けながら言うと灰村はまたしても舌打ちをして俺らから離れて行く。


「ったく…予想を裏切らねーヤンキーだな。灰村は」

「全くだ。ヤンキー漫画でも読んで育ったんじゃね？」

「お礼だ、つって殴るあたり絶対漫画の影響だよな」


普通に生きてたらあんな発想にならねーし。と俺らは酒場を出て灰村について愚痴りながら適当に町をぶらつく。





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「あ、ウミハラさん。先程はありがとうございました」

「あー…うん」


昼頃になったので帰宅しようとしたらばったり受付嬢と会ってお礼を言われた。


「全く…ハイムラさんにも困ったものです。一般の人とは喧嘩しないんですから冒険者との喧嘩も控えて欲しいのに…」

「ヤンキーなんてあんなもんだからなー…じゃ」

「あ、はい。またギルドで」


受付嬢も俺らみたいに愚痴り始めたので適当に相槌を打ってから別れる。