クラスまるごと異世界転移

八神

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「お邪魔~」

「失礼します」

「…海原?と…深山さん!?なんで!?今はナンホクナンに居るハズじゃ…!」


俺と深山が部屋の中に入るとベッドの横にいた佐藤が俺らを見て驚く。


「王様が倒れた、って聞いたから戻って来たんだよ」

「いやいや、いくらなんでも早すぎない?あの町からだと最短でも3日はかかるでしょ」

「ま、それは後からな。深山頼む」

「うん」


佐藤の疑問を流して俺は深山にスキルを使うよう促した。


「…む?身体が…」

「あなた。聖女様が来て下さいましたわ」

「なんと!」


奇跡の力を受けた王様が直ぐに目を覚ますと驚いたように呟き、隣にいた王妃の説明にまたしても驚いて上半身を起こす。


「しきたりとか手順とか、暗黙の了解だか伝統的なのを無視して入って来てごめん。でもほら、治すなら一秒でも早い方が良いじゃん?」


俺は何かを言われる前に先手を取って皮肉を言うように言い訳しながら謝り、一応正当化するような事を言った。


「いや、気にする事は無い。そなたの行動に誤りは一切無い」

「だよねー」

「いや、海原あなたもう少し気にした方が良いって。色々と」


王様の言葉に俺が当たり前と言わんばかりに返すと佐藤が呆れながら指摘してくる。


「まあ俺は別に分相応にしてもいいけど…ソレで何かあっても知らねーぜ?」

「…その発言自体がもう既におかしいって。なんでただの一般人が王族を脅すのさ」


俺がニヤニヤ笑いながらもしもの時の責任逃れをするような事を言うと佐藤はまたしても呆れながら返す。


「おや?脅しに聞こえちゃう?」

「うーわ…海原ってヤバいわ。腹黒まではいかないけど絶対計算して言ってるでしょ」

「さあ?なんのことやら」


佐藤を弄るように聞くとヒいたように言うので俺はとぼけて返した。


「まあ何はともあれ、聖女のおかげで助かった。ミヤマ殿、礼を言う」

「あ、いえ!当たり前の事をしただけなので、そんな」


ありがとう…とベッドの上で軽く頭を下げた王様に深山は手を振って謙遜したような反応をする。


「ウミハラ殿も。聖女を連れて来て感謝する」

「ホントだよ。倒れたっつーから俺らも結構焦ったんだぜ?まあ、結果的に過労だから来なくても良かったんだろうけど…それでもどっかのアホと違って器のデカイ王様なら助ける価値もあるってもんだ」

「ちょっと海原!あなたも深山さんを見習ってよ!」

「よいよい。この程度で目くじらを立てると『器の小さい』『狭量の王』と捉えられかねんからな」


俺の無礼すぎる失礼な態度に佐藤が慌てて注意してくるが王様は流石と言うべきか…


俺が張った予防線をキチンと理解してくれたらしく佐藤に寛大な対応を取るよう促す。
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