クラスまるごと異世界転移

八神

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近道を通りながら色んな村を経由して馬車を走らせる事、5日後。


「おおー、ココが温泉街か」

「田舎だからかテレビで良く見る箱根とか草津とは違ってレトロ感のあるゲームみてーな所だな」

「確かに。まあ風情があってマッチしてっけどな」


町に着くと馬車から降りた柴田と藤原が街並みを見ながら感想を言う。


「俺の家はあっちだけど…前は一人で十分だったから多分寝泊まりするだけの広さしかねーぜ?」

「とりあえず荷物を置きに行かない?」

「早く温泉に入りたい!」

「私も!」


俺が先に釘を刺すように建物の大きさを説明するも女子三人に急かされたのでしょうがなく家に連れて行く。


「…うわ、まるで山小屋じゃねーか」

「これじゃ寝るだけで精一杯じゃね?」

「さっきソレを説明しただろーが。とりあえず俺は不動産屋に行って別の空き家がないか探してくるわ」

「おー、流石は海。頼んだぜ」


柴田と藤原が家の大きさについて言及するも女子達は荷物を置くと速攻で家を出て行った。


「すみませーん」

「…あ、いらっしゃいませ!どのような物件をお探しでしょうか?」


俺が不動産屋に行くも店員の姿が見当たらず声をかけると奥から焦った様子で慌ててやって来る。


「…おや?お兄さんどこかで見た事あるような…」

「ああ…前に一週間ほど住んでた」

「ああ!そうか!あの時依頼を受けてくれた…!その説はどうも助かりました」

「別に気にしなくても…まあいいか。とりあえず安くて大きな空き家とか無い?」


…どうやら前に居た頃の知り合いだったらしいが俺はあんまり覚えてないので適当に流して用件を話す。


「安くて大きな空き家…ですか…ありますよ。この前まで貴族の方が養生のための別荘として使っていたんですが、王都で聖女の奇跡とかいう力で治してもらってつい最近売却されたやつが」

「……へー、この大きさでこの値段は安い」


店員が説明しながら差し出してくる紙の中身を見て俺は掘り出し物を見つけたような嬉しさで呟く。


「まあ、大きさの割には破格の値段なんですが…額が額なだけに売れないんですよね…思い切って値下げしたのに…」

「内覧できる?」

「お、検討してくれる?じゃあ今から行きましょう!」


愚痴る店員に俺がそう尋ねると何故か馴れ馴れしくなってテンションを上げて立ち上がる。





ーーーーーーーー





…空き家を色々と内覧した結果、中心部からは少し離れているものの特に不便は無さそうだし、貴族が使っていただけあって庭も建物も大きいので即決して契約した。


ちなみに前の家は不要になったので売却する事に。
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