クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
104 / 556

104

しおりを挟む
「まあとにかく。結果が確認できるまでココに泊まるからよろしく」

「はあ?いきなり過ぎねー?」

「おめー泊まる所も用意せずに思いつきで来たのかよ?」


気持ちを切り替えたような佐藤の発言に藤原と柴田は呆れたように返す。


「別にいーじゃん。ねえ海原良いでしょ?」

「俺は別に構わねぇけど」

「ほら。海原が良いって言ってんだから。どうせこの家も海原が買ったんだろうし」

「お前のその無鉄砲さはすげーな」

「この世界来てからの女子の意外な面の多い事よ」


佐藤の確認に俺が適当に了承すると藤原と柴田はまたしても呆れたように言う。


「でも勘違いされたら困るから一応言って置くけど、泊まる所はちゃんとあるからね?」

「宿屋は狭いから嫌なのか?」

「宿屋なわけ無いじゃん。ハナディン伯爵令嬢の屋敷に泊めてもらう予定だったの」

「伯爵ぅ?貴族の家かよ。じゃあそこ行けよ」

「やだ。こっちの方が気を使わなくて楽だし」


言葉遣いとか態度とかマナーとか色々。と佐藤は藤原の発言にキッパリと拒否した。


「おめーそんなんで良く王子の婚約者になんてなれたな」

「まあね。庶民的に貴族の大変さを分かった振りをしたら思ったより簡単に落ちた」


柴田の呆れながら疑うような呟きに佐藤は乙女ゲーの知識を披露する。


「うへー…人は見かけによらねーとは言うがそんな顔して魔性の女かよ」

「ちょっと。それは流石に失礼じゃない?私だって自分の顔がそんなレベルじゃない事ぐらい百も承知なんですけど?」

「いや…顔のレベルの事を言ったんじゃねーけど」


藤原の発言に佐藤が怒ったように返すので若干距離を取りながら言い訳を言う。


「つーかお前勝手に決めてっけど相手は迷惑じゃね?多分色々準備してたと思うぜ?」

「あー…確かに。…じゃあ海原なんかお菓子作ってよ!ソレ持って行くから」

「はあ?なんで俺が」


今まで黙って聞いていた俺に何故か流れ弾が。


「別に良いじゃん、減るもんでも無いし」

「材料は使ったら減るだろうが。じゃあお前がお菓子の材料を買って来いよ」

「えー…買って来たら作ってくれるの?」

「自前で用意するんなら作らせてもいいぜ。足りればな」

「分かった!じゃあ材料買って来るから作ってよ」


佐藤の頼みに俺がそう返すとすぐさま家を飛び出して行った。


「アイツ一人で大丈夫か?」

「お前らついて行った方が良くね?拐われたりしたら面倒だぞ」

「…確かに。どっかの国が佐藤を捕まえて深山との人質交換とか思いつくとヤバイな」

「…行くか」

「「おう」」


藤原のやべー予想を聞いて少し考え、俺が合図をすると二人も賛同した。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

処理中です...