クラスまるごと異世界転移

八神

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「まあそういうわけだ」

「そーそー。魔獣は一ミリも信用できねーが首輪がある限りは大丈夫だって」

「だから、そんなんで納得出来るわけないでしょうが。他の貴族達は絶対にその粗を突いてなにかやってくるって」

「別に放っとけば良くね?何かあれば俺らが自分達でなんとかするし」

「おおー、海いいこと言った」

「流石海」

「海原は一般人だからそれでも良いけど…柴田と藤原は英雄としての立場を理解してよ」

「んじゃあしょうがねーな…俺の『英雄』っつー称号を剥奪していいぜ」


また一から成り上がりゃー良いし。と柴田は全然納得しない佐藤に今回の件の落とし前として自分の称号を差し出す。


「なっ…!」

「おー、柴お前今カッコいい事言ったな」

「…無理だって。柴田あなた自分が今高段者相当である事分かって言ってる?」

「あ?俺試験とか受けてねーからまだ駆け出しの4級だろ」

「はぁ…やっぱり分かって無かったんだ…あなたと藤原は試験を受けてないだけでこの国では6段相当って位置付けになってんの」


あ、藤原は本当は5段だけど今回ので昇段するから。と佐藤は良く分からない事を言い出す。


「へー、どれだけ凄いのか全然ピンとこねーが凄いんだろうな」

「まあ今んとこ最高4段だからな。俺も全然ピンとこねーけど」

「なんか急にそんな高段者って言われてもなぁ…実感もねーし、実際そんな待遇を受けた覚えもねーしな」


佐藤の言葉に俺が適当に返すと柴田と藤原も似たような感じの事を言う。


「今分かったでしょ?だからあなた達にはそれらしい立ち振る舞いをしてもらわないと困るの。他の冒険者達の見本になるような」

「だとよ」

「マジか。じゃあ俺冒険者やめるわ」


佐藤の発言を聞いた藤原は全く悩む事なく即決で答える。


「は?」

「んじゃ俺も。別に海について行きゃあ食うには困らねーし、藤も居れば適当に冒険もできっし」

「は…はあああ!?なんでそうなる!?待って、ソレはダメ!絶対ダメ!なにがなんでもダメ!」


間抜けな声を出した佐藤は続く柴田の発言に驚愕すると焦りながら立ち上がって拒否した。


「んなの俺らの勝手だろーが。おめーになんか関係あんのかよ」

「あるに決まってるじゃん!辞めるのは勝手だけど、タイミングってもんがあるの!今辞められたら私絶対にギルや王様、王妃様に理由とか聞かれるって!最悪嫌味貴族とかが査問委員会開いて聴取とかされたらどうすんの!?」


柴田が呆れたように言うと佐藤は早口で意味わからん事をまくし立ててくる。


「…なんて?」

「タイミングが悪いんだと」

「ああ?めんどくせーな」


藤原が俺に解説を求めてくるので適当に聞き取れた部分だけ伝えるとため息を吐きながら返した。
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