クラスまるごと異世界転移

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「さっき珍しく佐藤が来ててな。お前らを探してる感じだったぜ」

「あ？マジで？俺らに何か用でもあんの？」

「お邪魔しま…あ！居た！ってか、こっちでも一緒に暮らしてんの！？」

「おう、佐藤。俺らに何か用か？」


俺がさっきの出来事を教えると藤原が不思議そうに聞いてきてその本人が来たので柴田が尋ねた。


「柴くーん。ご飯出来てる…って、あ。佐藤さん？」

「深山さんも？…まあ一人で住むにはデカすぎるとは思ってたけど…」

「今からお昼ご飯なんだけど佐藤さんも一緒にどう？」

「あ、じゃあ食べる食べる！」

「…んだ？飯食いに来たのか？アイツ」

「さあ？」


深山の誘いにすぐさま返事をしてついて行った佐藤の姿を見て藤原が首を傾げるので俺は適当に返事をする。


…昼食後。


「あー美味しかった。深山さん達って料理上手なんだ」

「あ、はは…海原の兵士には全然敵わないけどね」

「んで？こんなトコまで何しに来たんだ？」

「あ！忘れてた！」


佐藤が満足したように呟いて褒めると住吉が乾いた笑いをしながら返すと柴田が用件を尋ね、佐藤は慌てて立ち上がった。


「最近『蛇龍の洞穴』ってダンジョンが近くの国にも現れて被害を出してるみたいで…」

「へー、そんな広がってんだ」

「うん。なんか高段者の冒険者達が言うには黒幕のボスを倒さないといけないらしいんだけど、色んな所を移動してるから場所の特定が難しいんだって」


佐藤の話を聞いて俺が永江を見ながら呟くと更に話を続ける。


「で？俺らにどうしろと？」

「柴田と藤原もその黒幕のボスを倒すのに協力してくれない？一応倒したら金貨2万枚の報酬がつくから」

「おおー、2万とは豪勢な事だ」

「そんだけの報酬なら受けてもいいぜ。その依頼ってのはどこで受けられんだ？」


俺らは既にその黒幕のボスを倒しているが、金のため男三人でアイコンタクトをして知らん振りの演技をしながら話を進めた。


「一応近くのギルドに今から置いてくるつもりだけど…」

「んじゃ俺らも行くか」

「おうよ」

「そだな。おめーも来い」

『分かった』


ボロが出る前に俺らはさっさと依頼を受けようと永江を連れて佐藤といっしょにギルドへと向かう。


「…そう言えば誰？その子」

「後で説明してやるよ」

「そう？」


移動中に佐藤が永江を見て不思議そうに聞いてくるので俺は答えを先送りにする。


「んじゃ藤、任せたぜ」

「おうよ。Aランク『蛇神エキドナ』か」


ギルドに到着後佐藤が受付嬢と話し合い、オッケーのポーズを取るので柴田の合図で藤原が依頼書を手に標的となる魔獣の名前を呟く。


「蛇神ってめっちゃ強そうな名前じゃない？英雄って言われてるからって無理とか無茶はしないでよ？」


この依頼のせいで死なれたら寝覚めが悪いし…と佐藤は魔獣の名前を見て一応俺らを心配するような事を言う。