93 / 556
93
しおりを挟む
…その二日後。
どうやら藤原の話していた蛇の魔獣が大量に居るダンジョンとやらが、最近になって各地で次々と発見され…
小さい町や村に結構な被害が出始めているっていう話をギルドの受付嬢から聞いた。
「おい藤。お前の言ってた蛇のダンジョンのやつ、なんかめんどーな事になってるみてーだな」
「みてーだな。ダンジョンの中にはAランクのめっちゃ強いボスも何体か居るって話だぜ」
「だからか。俺の聞いた話では結構有名なパーティでも返り討ちにあってるとか言ってたな」
俺が受付嬢から聞いた事を話すも藤原や柴田はもっと先の話を聞いていたらしい。
「へー、まあ俺らには関係の無い話だけどな」
「確かに」
「そだな」
だが所詮俺らには全く関係ない話なのでこれ以上続けてもしょうがなく適当な感じで話が終わる。
更に二日後。
「おいおい、ココの近くにもあのダンジョンがあったみてーだぜ」
「マジか」
「確か王都の近くにもあったって言ってたよな?あっちは大丈夫なのか?」
藤原の報告に柴田が相槌を打つので俺はふとした疑問を聞く。
「王都なら問題ねーだろ。最近高段者のやつらが来てたみてーだし」
「高段者?なんだそれ」
「冒険者のランクはな、将棋の棋士と似てんだよ」
「って事は1級の上は初段か?」
「いや、初段じゃなく『1段』だな。で、1段の冒険者は低段者、2段が中段者…3段以上はまとめて高段者って呼ばれてる」
「へー」
流石は冒険者なだけあって藤原と柴田はちゃんと分かりやすく説明してくれた。
「ちなみに1級から段位持ちになるにはかなりの功績が必要になるらしいぜ?これ豆な」
「へー」
「冒険者で段位持ちのやつって世界的にも少ねーからな…高段者に至っては3人ぐらいしかいねーんじゃなかったっけ?」
「…よく分からんが、とんでもないエリートって事か」
「そうなるな」
柴田と藤原から聞いた説明に俺が適当に例えを出すとそれに同意する。
「とりあえず上位のパーティでさえ返り討ちにあってる、ってのがなー…」
「まあココには深山が居るから、重体でも最悪死体でも町に帰還さえ出来れば直ぐに復帰出来るし無茶とかやりたい放題だろ」
「はっ、冒険者からしたら聖女様様だな」
「「だろうな」」
二人の話を聞いて俺が皮肉で言うと柴田も藤原もソレを分かった上で賛同した。
「でもマジな話どうするよ?上位のパーティでも返り討ちって結構やべー状況だぜ?」
「そいつらも段位持ちなのか?」
「んなわけねーだろ。段位持ちは上位じゃなくて『最上位』って呼ばれてんだぞ?」
「マジか。やっぱ一握りのエリート様は違うな」
藤原の危機感を持ったかのような問いかけに俺が純粋な疑問を聞くと柴田が呆れたように訂正する。
「でも俺らがでしゃばってどうにかなる問題なのか?」
「無理だな」「どうにもならねーな」
「じゃあどうしようもなくね?他の冒険者達に頑張ってもらうしかねーだろ」
「そだな」「確かに」
俺がそう聞くと二人は否定的に答えるので他力本願的な事を言うと賛同された。
どうやら藤原の話していた蛇の魔獣が大量に居るダンジョンとやらが、最近になって各地で次々と発見され…
小さい町や村に結構な被害が出始めているっていう話をギルドの受付嬢から聞いた。
「おい藤。お前の言ってた蛇のダンジョンのやつ、なんかめんどーな事になってるみてーだな」
「みてーだな。ダンジョンの中にはAランクのめっちゃ強いボスも何体か居るって話だぜ」
「だからか。俺の聞いた話では結構有名なパーティでも返り討ちにあってるとか言ってたな」
俺が受付嬢から聞いた事を話すも藤原や柴田はもっと先の話を聞いていたらしい。
「へー、まあ俺らには関係の無い話だけどな」
「確かに」
「そだな」
だが所詮俺らには全く関係ない話なのでこれ以上続けてもしょうがなく適当な感じで話が終わる。
更に二日後。
「おいおい、ココの近くにもあのダンジョンがあったみてーだぜ」
「マジか」
「確か王都の近くにもあったって言ってたよな?あっちは大丈夫なのか?」
藤原の報告に柴田が相槌を打つので俺はふとした疑問を聞く。
「王都なら問題ねーだろ。最近高段者のやつらが来てたみてーだし」
「高段者?なんだそれ」
「冒険者のランクはな、将棋の棋士と似てんだよ」
「って事は1級の上は初段か?」
「いや、初段じゃなく『1段』だな。で、1段の冒険者は低段者、2段が中段者…3段以上はまとめて高段者って呼ばれてる」
「へー」
流石は冒険者なだけあって藤原と柴田はちゃんと分かりやすく説明してくれた。
「ちなみに1級から段位持ちになるにはかなりの功績が必要になるらしいぜ?これ豆な」
「へー」
「冒険者で段位持ちのやつって世界的にも少ねーからな…高段者に至っては3人ぐらいしかいねーんじゃなかったっけ?」
「…よく分からんが、とんでもないエリートって事か」
「そうなるな」
柴田と藤原から聞いた説明に俺が適当に例えを出すとそれに同意する。
「とりあえず上位のパーティでさえ返り討ちにあってる、ってのがなー…」
「まあココには深山が居るから、重体でも最悪死体でも町に帰還さえ出来れば直ぐに復帰出来るし無茶とかやりたい放題だろ」
「はっ、冒険者からしたら聖女様様だな」
「「だろうな」」
二人の話を聞いて俺が皮肉で言うと柴田も藤原もソレを分かった上で賛同した。
「でもマジな話どうするよ?上位のパーティでも返り討ちって結構やべー状況だぜ?」
「そいつらも段位持ちなのか?」
「んなわけねーだろ。段位持ちは上位じゃなくて『最上位』って呼ばれてんだぞ?」
「マジか。やっぱ一握りのエリート様は違うな」
藤原の危機感を持ったかのような問いかけに俺が純粋な疑問を聞くと柴田が呆れたように訂正する。
「でも俺らがでしゃばってどうにかなる問題なのか?」
「無理だな」「どうにもならねーな」
「じゃあどうしようもなくね?他の冒険者達に頑張ってもらうしかねーだろ」
「そだな」「確かに」
俺がそう聞くと二人は否定的に答えるので他力本願的な事を言うと賛同された。
0
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。


ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。


ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる