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「聖女様。私のような老いた者にまで貴重な奇跡の力を使ってくださり感謝いたします」
「あ、いえ…元気になったんなら良かったです」
お婆さんが自分の胸に手を当てながら深山に向かって感謝の言葉を言いながら頭を下げると深山は少し困ったように返す。
「つきましてはウミハラ殿。仕事の依頼があるのですが…」
「お、直接とは珍しい」
「母様…母が元気になられたので直ぐにでも快復祝いのパーティーを開きたいのですが…お力添えをいただけないでしょうか?」
「パーティーねぇ…あいつらも誘っていいなら良いよ」
「願ってもございません!英雄二人と我が国の聖女二人…そして更に新しき聖女となれば断る理由がございましょうか!」
「んじゃ、オッケー。一旦深山を家まで送って来るから、詳しい話は戻ってきた時にでもしようか」
王子の提案に俺が条件をつけるとアッサリと了承してくれたので俺も了承して、一旦深山を家まで送り届けることにした。
「うわ…!え?海原くんこの国じゃこんな大きな家に住んでるの?」
「まあ色々ワケありで安くてな」
「こんなに広い庭と大きな建物が安いとか…ある?」
俺らが前に住んでた家を見て深山が驚くので理由を話すも疑うような目で見てくる。
「敷地面積だけなら買った時よりも広いぜ。どうせ周りは何もねーからって塀を作る時に勝手に広げてな…多分今は3000坪以上あるんじゃねーかな?」
「『勝手に』って…大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫。どうせこんな王都の外れに家建てるやつらなんていねーだろうし」
「まあ、そうだけど…」
「とりあえず後は斉藤や住吉にでも聞いてくれ。俺は仕事が入ったから後で合流な」
「うん。分かった」
後の事は女子同士に任せて俺は城へと戻り料理長や貴族の当主達とパーティーの打ち合わせをした。
…そして夕方。
「おいーっす、海」
「海、ういー」
「おう、おめーらやっと来たか」
「パーティー楽しみだね。どんな美味しいものが出てくるんだろう」
「そだね。でも流石にこの前と一緒じゃない?」
「へー、こっちのパーティーはこんな感じなんだ」
パーティーが始まる直前にホールでみんなと合流して後は適当に雑談しながら始まるのを待つ。
「おいおい、やっぱり海の兵士だらけじゃねーか」
「今日は何人いんだよ」
「厨房に居るやつも合わせたら多分50体ぐらいじゃね?」
「…おめーのスキル、マジで利便性のチート性能たけーな」
主役の王妃が入ってくると柴田が周りを見ながら呟き藤原の問いに適当に答えると羨ましそうに返された。
ーーーーーー
「よう、兄ちゃん」
「あれ。珍しい…厨房から出て来るんだ」
「今は兄ちゃんのおかげで人手が多いから時間を作ろうと思えば簡単よ。なに、王妃が元気になったってんだから挨拶の一つや二つしとかねーとな」
またいつ倒れるか分からねーからな。ははは…と料理長は笑えないブラックジョークを笑いながら言って王妃の所へと歩いて行く。
「相変わらず陽気なおっさんだな…アレが料理長だなんて格好を見ても信じらんねーよ」
「そーだな。ま、腕が確かなんだからアレでも許されるんじゃね?普通なら一歩間違えたら嫌われるぜ」
柴田と藤原が料理長の背中を見ながら人柄について話し合う。
「あ、いえ…元気になったんなら良かったです」
お婆さんが自分の胸に手を当てながら深山に向かって感謝の言葉を言いながら頭を下げると深山は少し困ったように返す。
「つきましてはウミハラ殿。仕事の依頼があるのですが…」
「お、直接とは珍しい」
「母様…母が元気になられたので直ぐにでも快復祝いのパーティーを開きたいのですが…お力添えをいただけないでしょうか?」
「パーティーねぇ…あいつらも誘っていいなら良いよ」
「願ってもございません!英雄二人と我が国の聖女二人…そして更に新しき聖女となれば断る理由がございましょうか!」
「んじゃ、オッケー。一旦深山を家まで送って来るから、詳しい話は戻ってきた時にでもしようか」
王子の提案に俺が条件をつけるとアッサリと了承してくれたので俺も了承して、一旦深山を家まで送り届けることにした。
「うわ…!え?海原くんこの国じゃこんな大きな家に住んでるの?」
「まあ色々ワケありで安くてな」
「こんなに広い庭と大きな建物が安いとか…ある?」
俺らが前に住んでた家を見て深山が驚くので理由を話すも疑うような目で見てくる。
「敷地面積だけなら買った時よりも広いぜ。どうせ周りは何もねーからって塀を作る時に勝手に広げてな…多分今は3000坪以上あるんじゃねーかな?」
「『勝手に』って…大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫。どうせこんな王都の外れに家建てるやつらなんていねーだろうし」
「まあ、そうだけど…」
「とりあえず後は斉藤や住吉にでも聞いてくれ。俺は仕事が入ったから後で合流な」
「うん。分かった」
後の事は女子同士に任せて俺は城へと戻り料理長や貴族の当主達とパーティーの打ち合わせをした。
…そして夕方。
「おいーっす、海」
「海、ういー」
「おう、おめーらやっと来たか」
「パーティー楽しみだね。どんな美味しいものが出てくるんだろう」
「そだね。でも流石にこの前と一緒じゃない?」
「へー、こっちのパーティーはこんな感じなんだ」
パーティーが始まる直前にホールでみんなと合流して後は適当に雑談しながら始まるのを待つ。
「おいおい、やっぱり海の兵士だらけじゃねーか」
「今日は何人いんだよ」
「厨房に居るやつも合わせたら多分50体ぐらいじゃね?」
「…おめーのスキル、マジで利便性のチート性能たけーな」
主役の王妃が入ってくると柴田が周りを見ながら呟き藤原の問いに適当に答えると羨ましそうに返された。
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「よう、兄ちゃん」
「あれ。珍しい…厨房から出て来るんだ」
「今は兄ちゃんのおかげで人手が多いから時間を作ろうと思えば簡単よ。なに、王妃が元気になったってんだから挨拶の一つや二つしとかねーとな」
またいつ倒れるか分からねーからな。ははは…と料理長は笑えないブラックジョークを笑いながら言って王妃の所へと歩いて行く。
「相変わらず陽気なおっさんだな…アレが料理長だなんて格好を見ても信じらんねーよ」
「そーだな。ま、腕が確かなんだからアレでも許されるんじゃね?普通なら一歩間違えたら嫌われるぜ」
柴田と藤原が料理長の背中を見ながら人柄について話し合う。
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