クラスまるごと異世界転移

八神

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「…今すっげー顔で睨まれたぞ」

「いーんだよ。柴の対応が正しいんだから」


俺が柴田の態度に対して注意しようとするも藤原は全く気にせずに柴田の肩を持つ。


「そうか?初対面でアレは普通に失礼だろ」

「まあしゃーねー。俺、ああいう偉い立場なのに無能な奴ってのが嫌いなんだわ」

「分かる。ああいうのは自分では何もしねーくせに人にやらせて偉そーにしてっからな」

「そーそー。現場の事も分かんねーくせに文句言ったりケチ付けたりしてくるしな」

「そのくせ自分が動く状況になったら右往左往で動きがおせーし」


…前にパーティ組んでる時になんかあったのか、柴田と藤原は愚痴の言い合いで盛り上がる。


「いやでも柴田、流石に初対面でアレは失礼だって」

「大丈夫大丈夫。俺だってちゃんと人見て態度変えてっから」


誰にでもあんなんしてるわけじゃねーよ?と住吉の苦言に柴田は軽いノリで返した。


「それは大丈夫だって言えんのか…?」

「聖女様。とりあえず兵舎に集まるよう指示は出しましたが、どこに集めましょう?」

「病室にお願い出来ますか?」

「かしこまりました。5分ほどお待ちください」


軍服の男は笑顔で深山に報告するも俺らを見た時だけ目がやばい。


「アイツ多分内心めっちゃブチギレてんぞ」

「あっそ。勝手にキレさせときゃいーんじゃね?」

「どうせどんなに怒ったところで俺らには勝てねーんだし…そん時は海。任せたぜ」

「へいへい」


男の様子に俺が予想しながら言うも藤原も柴田も全く意に介さず興味無さげに適当に返す。 


そんなこんな雑談しつつ深山について行くと結構広い空間の病室へと着いた。


「うわ…」

「…酷い…」


ベットに横たわっている包帯ぐるぐるの負傷兵達の姿を見た住吉と斉藤が顔を曇らせて思わず呟く。


…それから5分もしないうちに包帯を巻いていたり身体の一部が欠損している人がぞろぞろと集まってきて直ぐに広い病室もぎゅうぎゅうになる。


「聖女様。言われた通りに奇跡の力を必要としている負傷兵達を集めました」

「ありがとうございます」

「180名近く居ますが…いったい何を?」


軍服の男の報告に深山がお礼を言うと不思議そうに尋ねてくるが、深山はスルーして負傷兵達に手をかざす。


「うわっ!」「なんだ…!?」「光が…!」


すると教会の時みたく病室の中が一瞬だけ眩しい光に包まれた。


「な…治ってる!?」「信じられない!俺の足が!腕が!」


一部欠損していた兵士達の身体が治って驚いていると…ベットの上に横たわっていた兵士達も次々と起き上がり始める。
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