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しおりを挟む「また落ち込んでいるのかい?ミヤマ」
「誰だ?てめーは」
「落ち込んでるって分かってんならそっとしとけよ」
急に現れたイケメンに何故か藤原と柴田が敵意剥き出しで追い払おうとする。
「これはまた躾のなってない野蛮人どもだな。こんなのが本当にミヤマの友人なのか?」
「…なんかおめーらのせいで何もしてねー俺までディスられてね?」
「このような野蛮人が周りに居てはミヤマも落ち着けないだろう…どうかな?お嬢さん方も一緒に。部屋を用意してあるんだけど」
イケメンは俺ごとディスったのに対し斉藤と住吉には丁寧な扱いをして深山に手を差し伸べた。
「…ありがとう、ございます。そのお気持ちだけで十分です…行こ」
「うん」
「海原、行こ」
「おう。おら、てめーら行くぞ」
「「おう」」
深山は差し出された手をスルーして歩いて行くので俺もイケメンを睨んでいる柴田と藤原に声をかけて追いかける。
「深山、大丈夫か?」
「うん。平気…ありがと」
「ったく、なんなんだよアイツは…ぜってー腹黒DV野郎だぜ」
城を出て城門前の広場のベンチで深山を座らせると柴田が気を遣ったように聞いて藤原が不機嫌そうに呟く。
「だろーな。俺ああいう奴嫌いやわ」
「おめーら、相手がイケメンだからって露骨に嫌い過ぎだろ」
「海、おめーは社会経験がねーから分かんねーかも知れんけど…マジでああいう奴は腹黒いんだって。DVは言い過ぎたかもしれんけど」
柴田も藤原に賛同するので俺が呆れてため息を吐きながら言うと藤原がまるで諭すような言い方をした。
「そんなもんか?」
「そうよ。なあ柴?」
「ああ。マジの爽やか君なら男でも女でも同じような対応するからな」
「…海原くん達って仲良かったんだ。意外かも」
そんな俺らのやりとりを見て深山がクスッと笑う。
「そーか?俺らからしたら深山と斉藤達がそこまで仲良かったってのが意外だったけどな」
「確かに」
「そーだな。深山って大人しい女子ってイメージだったし」
「そう?…ふふっ。私たち、意外とみんな似た者同士なのかもね」
「「「…そーかぁ?」」」
俺らの返答を聞いて深山が笑いながら言ってくるのを俺ら三人はお互いを見ながら嫌そうな顔で否定した。
「あはは!やっぱり藤原君達って相性良いんだよ」
「そうだね。あはは!」
なぜか俺らの反応を見て斉藤と住吉も笑い出して女子三人で笑い合う。
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