クラスまるごと異世界転移

八神

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…翌日。


一応出発前に佐藤に直接報告に行くと、餞別っつー形で王子から7万枚の金貨を渡された。


俺らは『飛行船のチケット代が浮いた!』と喜んで受け取り三人で分配して一旦の別れを告げていざ出発する事に。


…そこから半日ほど飛行船に乗り、着いた先でまた別の飛行船に乗って半日ほど…


…最初に居た国から約一日とちょっとぐらいの時間をかけて深山が居るであろう『クランチェスター』とか言う国に到着した。


そして俺らは馬車に乗って深山の居る王都へと向かう。


「…おお…やっと着いた…」

「佐藤んとこから深山んとこまで大体一日半ぐらいか…意外と近いというべきなのか?」

「まー、ダンジョンまでの移動に比べたら近い方だな」


藤原が疲れたように呟きながら馬車を降りて背伸びをするので俺は距離と時間を考えながら聞くと柴田が頷く。


「とりあえず空き家探しだな。いつも通りに」

「おう、オッケー」

「どっか良い場所がありゃあ良いんだけどなー」


俺らはバラけた後に斉藤達に電話をしてそれぞれ空き家を探す事にした。


…午前中は良い物件が見つからず一旦合流して昼食を食べてから再び分かれての物件探しが始まる。


…夕方になっても良い家が見つからなかったので、しょうがなく妥協案として女子二人が確保していた家を買う事にした。


「は~…良い家が無かったなぁ…」

「そもそも空き家自体少なかったんじゃね?」

「斉藤と住吉がココを見つけてくれなかったら明日も探さねーといけなかったからなー…」


今回買った家は王都の端っこにある庭が広い平屋建てなので…


久しぶりに男三人同じ部屋で寝るハメに。


ちなみに斉藤と住吉も俺らと同じく一部屋に二人だ。



…翌朝。



俺は早起きして兵士達と共に改築用の木材やら建設資材やらを買いに行く。


そしてみんなが起きたところで兵に指示して平屋の改築作業を開始させた。


「…なあ海、なんかめっちゃうるさいんだけど…お前の兵達なにしてんの?」

「リフォーム。とりあえずこの家に5人はぴったり過ぎて余裕が無いから広くして二階建てにする予定」

「お前の兵ってんな事も出来んのかよ…まあなんにせよありがてー話だ」


兵達の作業音に柴田が朝食を食べながら聞いてくるので俺が理由を説明すると藤原が驚いたように呟く。


「とりあえずこれが設計図だけど…なんか希望とかあるか?」

「あ、じゃあお風呂とか脱衣所を広く出来る?」

「出来たら浴槽も広くして欲しいんだけど」

「オッケー、これくらいか?」


…どうやら斉藤と住吉以外希望は無いらしく、女子二人の意見を聞いて設計図を書き足していった。
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