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「住吉、どれくらいかかりそうだ?」
「この状態だと30分ってとこかな」
「えーと…開催まで残り40分…ギリギリか」
「ああ~…そこそこ…おお~…」
俺が時間の心配をしていると料理長は住吉のマッサージにえらい笑顔になって気持ち良さそうな声を出す。
「だいぶ凝ってるっていうか…良くこんなんで悪化しなかったね」
「まあここ一週間毎日色んなとこで料理を作らされてたからな。腕が良いってのも大変らしい」
「へー…海原が料理長って言ってたから結構偉い人なの?」
「そりゃな。俺の兵の腕が段違いに上がったのってこの料理長のおかげだし」
「「うそっ!この人が!?」」
住吉の何気ない問いに答えると二人が驚いたように料理長を見た。
「そうよ。この料理長、こう見えて凄い人だからな」
あお~…とか、おほ~…とか、住吉のマッサージで情けない声を出してる料理長に二人は信じられないような目を向ける。
「ちなみに今回の報酬はコレ」
「ロールケーキ?やったあ!美味しそう!」
「ただのロールケーキじゃねーぜ?なんせ今日の目玉の新作だからな」
「うっ…海原その言い方ズルい!早く食べたくなるじゃん!」
「我慢すりゃその分美味く感じるっつーもんよ。我慢我慢」
兵士に持って来させた皿の上に乗ったお菓子を凝視する二人に俺は弄るように意地悪な事を言う。
…それから30分後。
「おお!身体が軽い!まるで今までの怠さが嘘のようだ」
「施術は終わったけどあんまり無茶しないようにね。調子に乗るとまた腰痛めるから…あ、美味しい!」
「ホント美味しい!ロールケーキかと思ったのに…中はバウムクーヘン?みたいな食感もある!」
「外側普通にロールケーキじゃない?しかもクリームの中には砕いたナッツと…あと一つのこのバリバリした食感はなに?」
「飴。飴とナッツっぽいやつを細かく砕いてクリームに混ぜてちょっとした歯ごたえを出してるんだと」
「へー!そうなんだ!凄く美味しい!」
…一本25cmの8切れもあったロールケーキが次々に斉藤と住吉の口の中に消えていく。
「…ご馳走様。美味しかった!」
「うん。本当に美味かったよ!」
「そりゃ良かったな。じゃあ俺の兵に教会まで送らせるよ」
「ありがと。よーし、美味しい物も食べたし午後も頑張るぞー!」
「おー!」
丸々一本のロールケーキを食べきった二人は気合を入れたように声を上げて俺の兵と一緒に教会へと戻って行く。
「あの娘達は兄ちゃんのコレか?」
「今んとこただの同級生だよ」
「ほお~?今んとこ、ねぇ~?…それにしても良い腕だったな。是非ともまたお願いしたいぐらいだ」
「あの二人は基本的に教会に居るから疲れが溜まったら行ってみたら?」
「教会、か…それはいい事を聞いた」
今度行ってみるか。と料理長は顎に手を当てて少し考えるように呟いた。
「この状態だと30分ってとこかな」
「えーと…開催まで残り40分…ギリギリか」
「ああ~…そこそこ…おお~…」
俺が時間の心配をしていると料理長は住吉のマッサージにえらい笑顔になって気持ち良さそうな声を出す。
「だいぶ凝ってるっていうか…良くこんなんで悪化しなかったね」
「まあここ一週間毎日色んなとこで料理を作らされてたからな。腕が良いってのも大変らしい」
「へー…海原が料理長って言ってたから結構偉い人なの?」
「そりゃな。俺の兵の腕が段違いに上がったのってこの料理長のおかげだし」
「「うそっ!この人が!?」」
住吉の何気ない問いに答えると二人が驚いたように料理長を見た。
「そうよ。この料理長、こう見えて凄い人だからな」
あお~…とか、おほ~…とか、住吉のマッサージで情けない声を出してる料理長に二人は信じられないような目を向ける。
「ちなみに今回の報酬はコレ」
「ロールケーキ?やったあ!美味しそう!」
「ただのロールケーキじゃねーぜ?なんせ今日の目玉の新作だからな」
「うっ…海原その言い方ズルい!早く食べたくなるじゃん!」
「我慢すりゃその分美味く感じるっつーもんよ。我慢我慢」
兵士に持って来させた皿の上に乗ったお菓子を凝視する二人に俺は弄るように意地悪な事を言う。
…それから30分後。
「おお!身体が軽い!まるで今までの怠さが嘘のようだ」
「施術は終わったけどあんまり無茶しないようにね。調子に乗るとまた腰痛めるから…あ、美味しい!」
「ホント美味しい!ロールケーキかと思ったのに…中はバウムクーヘン?みたいな食感もある!」
「外側普通にロールケーキじゃない?しかもクリームの中には砕いたナッツと…あと一つのこのバリバリした食感はなに?」
「飴。飴とナッツっぽいやつを細かく砕いてクリームに混ぜてちょっとした歯ごたえを出してるんだと」
「へー!そうなんだ!凄く美味しい!」
…一本25cmの8切れもあったロールケーキが次々に斉藤と住吉の口の中に消えていく。
「…ご馳走様。美味しかった!」
「うん。本当に美味かったよ!」
「そりゃ良かったな。じゃあ俺の兵に教会まで送らせるよ」
「ありがと。よーし、美味しい物も食べたし午後も頑張るぞー!」
「おー!」
丸々一本のロールケーキを食べきった二人は気合を入れたように声を上げて俺の兵と一緒に教会へと戻って行く。
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「今んとこただの同級生だよ」
「ほお~?今んとこ、ねぇ~?…それにしても良い腕だったな。是非ともまたお願いしたいぐらいだ」
「あの二人は基本的に教会に居るから疲れが溜まったら行ってみたら?」
「教会、か…それはいい事を聞いた」
今度行ってみるか。と料理長は顎に手を当てて少し考えるように呟いた。
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