クラスまるごと異世界転移

八神

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「三人で十分なのか?」

「おお…!これは…!?…ありがたい!しかし、服装が…」


俺がスキルで3体の兵を召喚するとソレを見たおじさんが驚いた後に嬉しがるも兵士達の格好に言及する。


「スーツなら大丈夫?」

「ええ!これなら完璧です」


ではさっそく厨房へと案内致します…と、兵士の見た目を変えると執事のおじさんは急にやる気を出したような態度へと変わった。


「…今回厨房には城勤めの料理長が来てくれています。少々気難しい性格ではございますが、腕は世界でもトップクラスだとも」

「へー、そんな凄い人が居んのか」

「まあ、今回の仕事は料理の運搬だけなので関わる事は無いと思いますが…」


おじさんの説明のような話を聞きながら廊下を歩いていると…


急に足が止まったのでどうやら厨房へと到着したらしい。



「どういうことだ!!」

「ココが厨房になります」


中から怒号のような声が聞こえて来たのにおじさんは特に気にしてない様子で案内を終える。


「いかがされました?」

「仕込み担当のやつらが来ないんだと!くそっ、遅れて来るって連絡があった時から嫌な予感がしてたんだ!」

「それは困りましたね…パーティーまであと一時間。ギルドを頼ろうにも間に合わない」

「最近妨害が露骨になってきてるんじゃないのか?対策はどうなっている!」


おじさんの問いにおそらく料理長であろう一番偉そうなおっさんが荒れた様子で事情を説明した。


「ソレは私共にはなんとも…」

「くそっ!もう居るだけで間に合わせるしかないか…足りなくなっても文句は言うなと伝えておけ」

「…かしこまりました」

「人数が足りないのなら俺にアテがあるよ。条件が二つあるけど」


おじさんとおっさんの困っているようなやりとりを聞いて俺は『チャンスだ』と話を持ちかける。


「…条件?」

「言ってみろ」

「あんたこの国で一番料理が上手いんだろ?じゃあ俺にその技術を教えてくれ。もちろん曖昧で抽象的なやつじゃなく丁寧に、だ」

「なんだそんな簡単な事か?良いだろう。ただし今から忙しくなるからパーティーが終わった後でいいならな」

「それで良いよ。それが一つ目ね」


俺の出した条件におっさんは快諾してくれた。


「もう一つはなんだ?」

「当然金。追加報酬の要求」

「足りないのは何名ですか?」

「3人から5人だ」

「分かりました。依頼人に一人頭金貨1000枚の追加報酬を請求します」

「オッケー。じゃあ5人で」


追加報酬の条件も通ったので俺はスキルを使ってコックコートの兵士を5体召喚する。


「おおっ!?こいつら、どこから…」

「料理は出来るから仕込みだけなら問題無いハズ。好きに使って」

「よし、さっそく仕込みを頼む」

「では給仕の打ち合わせを致しましょう」


兵士達に仕事をさせ、俺は厨房に残り料理長というおっさんの腕を見てみる事にした。
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