クラスまるごと異世界転移

八神

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…ダンジョンで柴田と藤原の『対象増加』なる効果を確認した結果…


あいつらのスキルがぶっ壊れ、またはチートである事が判明。


柴田の『対象増加』は範囲内の敵認定したやつら全てに縛りの効果を与えるもので…


恐ろしい事に柴田自身のスキルは『範囲攻撃』としてカウントされないらしい。


そんで藤原の『対象増加』は柴田とは違い範囲的なものではなくグループ的なものらしい。


例えるなら俺と柴田がグループA、住吉と斉藤がグループBで同時にタイマン状態に出来る…みたいな感じ。


しかも俺と柴田、柴田と藤原…みたいに強制的に一対一対一にするという意味不な使い方も出来るんだと。





…柴田達のスキルがそんなぶっ壊れ、またはチートである事が判明した二日後。


「なあ海。俺パーティに勧誘されたわ」

「ああそう。おめでとう」

「いやそこはもっと羨ましがるとか悔しがれよ!そしてポーズだけでも引き留めてくれよ!」


昼飯を食べた後に柴田によく分からない報告をされたので適当に祝福の言葉を返すと何故かツッコまれた。


「ああ?別に俺らパーティ組んでるわけじゃねーし、お前の好きにすりゃ良いんじゃね?」

「おめー意外とドライだな…たまに冷てーところがあるとは思ってたけど…まあいいや、じゃあな!」


柴田は呆れたようにため息を吐くと気持ちを切り替えたように手を振って家から出て行く。



…翌日。


「おい、海。俺もパーティに勧誘されたんだけど!」

「良かったじゃねーか」

「今まで世話になったな。じゃな!元気でやれよ!」


柴田に引き続き藤原もパーティに勧誘されたとかであっさりと家から出て行った。



その夜。



「…柴田君も藤原君も居なくなったからなんか少し寂しくなったね」

「そだな。まさか男が俺一人になるとは…」

「海原あんた引き留めてあげれば良かったのに」

「できるわけねーだろ。アイツらも男だぞ?出来るなら冒険したいに決まってんだろ」

「…そんなもんかね」

「そんなもんよ男ってのは」


…いつまでたっても子供のまま…という住吉の呆れた様子での呟きを俺はスルーして夕飯を食べ進める。


翌日、俺はいつものように雑用の依頼を受けるためにギルドへと向かった。


「…ん?」


流石は王都と言うべきか…


この前の都市みたいな街でも変わった依頼は稀にあったけど、ココではそこそこの頻度で変わった依頼が出て来る。


主には店の手伝いとかで『日雇いのバイトでも雇えよ』と思う内容なんだけども…


今日は特に変わった依頼がFランクにあった。


Fランクなのに報酬はAランク並みに高い。


そして何故か内容が『面談あり』だけ。


一体どんな内容だと言うのか…とりあえず君子危うきに近寄らず、っつー事で俺はソレ以外の依頼を受けた。
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