クラスまるごと異世界転移

八神

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『分かった……ではコレを』

「んだコレ?像?」

『妾の爪と鱗で作った『蛇龍の像』だ。コレが壊れない限りあの入口が再び開く事は無い』

「ホントか?」

「嘘くせーな」


蛇は藤原に渡した像の説明に俺が信じられないように返すと柴田も同じような顔をする。


『コレは契約だ。妾を見逃す事と引き換えにあの入口を閉じる…という、な』

「契約だぁ?魔獣の分際で偉そうに…やっぱ倒した方が良くね?」

「…一応契約なら破ると相当の代償があるっつーし…多分ホントじゃね?」


蛇の発言にイラついた藤原がそう提案するも柴田は少し考えて蛇の信憑性が少し増えたかのような事を言う。


「えー、んな奴の事を信じんのかよ…海。どうする?」

「うーん…この入口って事はもし他んとこの入口からこのダンジョンに入った場合はどうなるんだ?」


藤原が俺に判断を委ねて来るので俺は少し考えて疑問に思った事を聞いた。


『その時はその時だ。天命と思い諦めようぞ』

「よし、分かった。じゃあ今回は見逃そう…藤、海、それでいいだろ?」

「俺は別にどっちでも」

「チッ、仕方ねーな。分かったよ」


どうやら柴田は魔獣の言う事を信じて見逃す事にしたらしく俺らの同意を得て来た道を戻るように歩いていく。


そして俺らが外に出るとゴゴゴ…!という岩が動くような音がして洞窟の入口が無くなった。


「お、どうやらホントだったみたいだな」

「今回はな」

「やっぱり契約っつー言葉は強いのかもな」


俺の言葉に藤原が反発するように返すと柴田が分析するような事を言い出す。


「んじゃ、とりあえずこの像を祀るための小さい祠でも作らせるか」

「そだな。俺らが持っててなんかの弾みで壊したら面倒だし」


俺は洞窟の入口があったところに木材で祠を建てる事にしたので兵士を召喚してさっそく作業させた。




「「ん?」」
「お」


俺らが帰宅すると頭の中に『レベルアップ!スキルレベルが20になりました』という声が。


「今度は5上がったか。にしても『範囲拡大』と『兵数増加』以外になんかねーのかよ」

「俺はなんか『対象増加』って言われたぜ?範囲攻撃みたいなもんか?」

「あ、俺も。タイマンの対象増加ってなんだ…?」

「対象増加…?」


俺が愚痴るように呟くと柴田と藤原が不思議な事を口にする。


「適当にどっかのダンジョンにでも行って確認するか?」

「まあ夕飯までまだ時間あるし…行くか」

「でもあんま強いところ行くといつもと一緒にならね?」

「そだなー…ギルドで弱い魔獣がいるところを探してからソコ行くか」


俺らはとりあえずギルドに行ってから適当なダンジョンへと向かった。
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