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「とりあえず藤、コレ受けてくれ」
「オッケー」
隣にいた藤原に依頼書を渡すと軽く引き受けて受付へと持って行く。
…が、前の街とは違いココの受付嬢に藤原の押しは通じずに依頼を受ける事は出来なかった。
「くっそ、あの受付嬢…堅いわー」
「ふっ…甘いな。俺に任せろ」
「おう。柴、任せた」
藤原が凹みながら戻ってくると柴田が依頼書を受け取って自信満々に受付へと持って行く。
「この依頼を受けたいんだけど」
「…先程の方にも申されました通りこの依頼は1級の方でないと承認しかねます」
柴田が身分証と依頼書を差し出すと受付嬢は呆れたように拒否する。
「そこをなんとか!」
「無理です」
「少しだけでも!ちょっとだけでいいから!挑戦させて!」
「1級のパーティですら命の危険がある大変難易度が高い依頼ですので、4級の方にはとても承認しかねます」
「お願い!この通り!危なくなったらやめるから!無理だと思ったら直ぐに取り消すから!ほんのちょっとだけでも!」
…まるで『先っちょ!先っちょだけでいいから!』とアホみたいな性交渉をしてる奴を見ているような柴田の強引な押しに俺と藤原もため息を抑え切れない。
「…分かりました。ただし、この依頼を受ける事によって何が起きようとも当ギルドは一切の責任を負わない事を条件とします」
「やった!いえー!」
柴田に呆れて面倒になったのか受付嬢は呆れたような顔でため息を吐いて承認するので柴田は嬉しそうに俺たちに向かって親指を立てる。
「いえーい!」
「良くやった」
「いえーい」
依頼の詳細を聞いて誓約書を書かされた柴田が笑顔で戻って来るので俺と藤原はハイタッチで迎えた。
「んじゃ、報告も頼むわ」
「おう」
「…またあなた達ですか。悪質な冷やかしは業務妨害で通報しますよ」
柴田が別のカウンターに行くとやっぱりさっきと同じ受付嬢が対応してため息を吐きながら柴田や俺らを睨みつける。
「いやいや、冷やかしだなんてとんでもない。海」
「おう」
柴田は手を振りながら言い訳するように俺に振って来たので兵士達に物を持ってこさせた。
「…!コレは…『死霊王』の装備一式!?」
「コレで業務妨害にはならねーだろ?」
「………それだけじゃない…コレは…!まさか…!」
受付嬢はしばらく呆然と装備を見ていたかと思えば骸骨を見てハッとしたかのように奥へと引っ込んだ。
すると『なんだなんだ?』と周りがザワザワと騒がしくなる。
「なんだと!」
「本当か!?」
俺が兵士に指示して装備を片付けさせていると奥から数人の男達と受付嬢がえらく慌てた様子で出てきた。
「オッケー」
隣にいた藤原に依頼書を渡すと軽く引き受けて受付へと持って行く。
…が、前の街とは違いココの受付嬢に藤原の押しは通じずに依頼を受ける事は出来なかった。
「くっそ、あの受付嬢…堅いわー」
「ふっ…甘いな。俺に任せろ」
「おう。柴、任せた」
藤原が凹みながら戻ってくると柴田が依頼書を受け取って自信満々に受付へと持って行く。
「この依頼を受けたいんだけど」
「…先程の方にも申されました通りこの依頼は1級の方でないと承認しかねます」
柴田が身分証と依頼書を差し出すと受付嬢は呆れたように拒否する。
「そこをなんとか!」
「無理です」
「少しだけでも!ちょっとだけでいいから!挑戦させて!」
「1級のパーティですら命の危険がある大変難易度が高い依頼ですので、4級の方にはとても承認しかねます」
「お願い!この通り!危なくなったらやめるから!無理だと思ったら直ぐに取り消すから!ほんのちょっとだけでも!」
…まるで『先っちょ!先っちょだけでいいから!』とアホみたいな性交渉をしてる奴を見ているような柴田の強引な押しに俺と藤原もため息を抑え切れない。
「…分かりました。ただし、この依頼を受ける事によって何が起きようとも当ギルドは一切の責任を負わない事を条件とします」
「やった!いえー!」
柴田に呆れて面倒になったのか受付嬢は呆れたような顔でため息を吐いて承認するので柴田は嬉しそうに俺たちに向かって親指を立てる。
「いえーい!」
「良くやった」
「いえーい」
依頼の詳細を聞いて誓約書を書かされた柴田が笑顔で戻って来るので俺と藤原はハイタッチで迎えた。
「んじゃ、報告も頼むわ」
「おう」
「…またあなた達ですか。悪質な冷やかしは業務妨害で通報しますよ」
柴田が別のカウンターに行くとやっぱりさっきと同じ受付嬢が対応してため息を吐きながら柴田や俺らを睨みつける。
「いやいや、冷やかしだなんてとんでもない。海」
「おう」
柴田は手を振りながら言い訳するように俺に振って来たので兵士達に物を持ってこさせた。
「…!コレは…『死霊王』の装備一式!?」
「コレで業務妨害にはならねーだろ?」
「………それだけじゃない…コレは…!まさか…!」
受付嬢はしばらく呆然と装備を見ていたかと思えば骸骨を見てハッとしたかのように奥へと引っ込んだ。
すると『なんだなんだ?』と周りがザワザワと騒がしくなる。
「なんだと!」
「本当か!?」
俺が兵士に指示して装備を片付けさせていると奥から数人の男達と受付嬢がえらく慌てた様子で出てきた。
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