クラスまるごと異世界転移

八神

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「マジ?俺は兵士数増加って言われたけど」

「海だけ内容が違うのか?柴、他になんかあった?」

「いや、一緒。範囲拡大と時間延長だけ」

「俺と同じだ。…って事は俺と柴のスキルは系統が一緒なのか?」

「分からん」


三人して、うーん…と考えていると馬車が家に到着する。


「とりあえず考えてても仕方ねーし、またレベルが上がった時にでも考えようぜ」

「それもそうだな。今は情報と判断材料が少なすぎる」

「ぷっ…藤、判断材料だって…」

「なんだよ、文句か?」

「まさか。カッコいいなーって…」

「嘘つけ!」


柴田の明らかに弄るようなニヤニヤした笑い方と言い方に藤原は恥ずかしそうに怒りながら怒鳴った。


「俺はちょっくらギルド行ってくっけどお前らどうする?」

「あ、俺行く!」

「俺はパス、家ん中に先入ってるぜ」


俺の確認にこれ以上弄られたくないのか藤原が同行を求めて柴田は察したのか同行はしないらしい。


なので柴田だけ馬車を降りて俺と藤原はそのまま馬車に乗ったままギルドへと向かう。


「…お、やっぱりあった。この依頼を受けたいんだけど」


ギルドの依頼書の中に『キングミノタウルスの討伐』と『拐われた人達の救出』があったので…


俺は内容をちゃんと確認してから討伐の方を先に受付嬢に差し出す。


「はい、Bランクの依頼ですね。この依頼は2級からになりますので、身分証の提示をお願いします」

「え。冒険者じゃないとダメなの?」

「?はい。Dランクからは冒険者の方でないと依頼の受諾は出来ませんが…」


受付嬢のまさかの確認に俺が確認し返すように聞くと不思議そうな顔になり説明してくれた。


「…おーい、藤。ちょっと」

「どした?」

「この依頼受けてくんね?」

「『キングミノタウルスの討伐』?…ああ!なるほどね。オッケー」


俺が依頼書を渡すと内容を見て察したのか藤原はソレを受け取って受付嬢に差し出す。


「この依頼を受けたいんだけど」

「4級の方、ですか…でしたらDランクが適当だと思いますけど」

藤原が保険証っぽいカードを渡しながら言うと受付嬢はやはり難色を示す。


「大丈夫大丈夫、パーティが強いから」

「確かこの前パーティから脱退されていたような…」

「うわ、ひど…なに?俺じゃパーティに入れないって思ってる?」

「いえ…分かりました」

「ついでにこの依頼もね」


受付嬢の対応に藤原が不機嫌そうにすると面倒になったのか依頼を受諾出来るようにしてくれ、ここぞとばかりにもう一つの依頼もねじ込む。


「オッケー、ばっちし」


藤原は受付嬢と依頼の期限や詳細を話し合った後に隣にいた俺に指でオーケーの合図を出しながら笑う。


「じゃあついでに依頼完了の報告も頼む」

「任せとけ」


俺がそう告げて外に待機させていた兵士達に戦利品を中に運ぶよう指示すると藤原は別のカウンターに移動し…結局同じ受付嬢が対応する。


「…うそ…!」


俺と藤原のやり取りを見てて呆れたような表情だった受付嬢も兵士達が運んできたミノタウルスの頭を見て驚愕したように呟いた。
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