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「…もしかしてだけど」
「なに?」
「なんかあったのか?」
俺のふとした思いつきに柴田と藤原が立ち止まった。
「あの広い空間って最初の別れ道のどこからでも行けたんじゃね?」
「…マジ?」
「じゃあわざわざ斉藤んとこまで戻らなくてもそのまま進んで良かったってことか?」
「…多分」
「…はあ…マジか…」
「萎えるわー…」
歩き疲れている中での俺の発言に二人はやる気を無くしたかのように呟く。
「…お、なんかまた広い空間に出たな」
「もしかしてココが本当の最深部か?」
「おい!アレ!」
急に石造りの床や壁になり…いかにもボス戦のステージのような部屋に入ると藤原が何かを発見したように指を差して声を上げる。
「お、アレが最後の一人?」
「一人だけ扱いが違くね?」
「お嬢様って言われてたからじゃね?」
天井から鎖でぶら下がっている鳥籠のような物に入っている女の子を見て俺らは他の捕まっていた人達との格差を感じながら話す。
「とりあえず助け…」
「な!」
「は!?」
俺らが部屋の真ん中に浮いている鳥籠に近づくと急にバタン!と大きな音がして入口が塞がれてしまった。
『ブハハハハ!餌に誘われてまたしても新しい餌がやって来おったわ!』
部屋の奥のでかい玉座のような椅子に座っていたミノタウルスが俺らを馬鹿にしたように笑いながら立ち上がる。
「お、おい…アレって…」
「ミノタウルスの王…下手したらBランクいくかいかないかの魔獣じゃねーか…」
柴田と藤原はミノタウルスの頭にある質素で簡易的な王冠と羽織っているマント、そして床に突き刺さっている両刃の斧を見て嫌そうに呟いた。
「…魔方陣…は機能してないっぽいな」
「え?アレ使えねーの?」
「イベント戦…ってかボス戦だからな。アイツを倒すまで部屋からも出られねーってやつよ」
「それってヤバくね?」
「かなりヤバイ」「だいぶヤバイ」
とりあえず藤原のスキルでボスを隔離して現状を把握し、そのヤバさを説明する二人に俺が問うと真顔で即答されて頷かれる。
「藤、お前のスキルで出れねーの?」
「分からん…多分出れると思うけど…やってみない事には、な」
「んじゃ、ココは俺と海でなんとかすっから藤はあの子連れて逃げろよ」
「大丈夫なのか?」
「一体だけなら問題ねぇだろ。範囲攻撃さえ縛れば怖くねぇし」
他のミノタウルスが出てきた場合は…の話はせずにとりあえず藤原と女の子を優先的に逃がす案を採用する。
「…分かった」
「とりあえず兵を30体に増やしとくけど足りなくなったら戻って来いよ」
「30人も居りゃ十分だろ。じゃあ…行くぞ?」
「おう。範囲攻撃はもう縛ってっし」
藤原が合図をするとミノタウルスの王が姿を現して鳥籠の中の女の子と藤原の姿が消えた。
『ブハハ!この部屋から逃れるか…面白い!』
そして藤原の姿が現れたと同時にまた消えるとミノタウルスの王が両刃の斧を持ち上げて笑う。
と、同時に俺のスキルで召喚された大量の兵士達がミノタウルスの王へと向かって突撃する。
「なに?」
「なんかあったのか?」
俺のふとした思いつきに柴田と藤原が立ち止まった。
「あの広い空間って最初の別れ道のどこからでも行けたんじゃね?」
「…マジ?」
「じゃあわざわざ斉藤んとこまで戻らなくてもそのまま進んで良かったってことか?」
「…多分」
「…はあ…マジか…」
「萎えるわー…」
歩き疲れている中での俺の発言に二人はやる気を無くしたかのように呟く。
「…お、なんかまた広い空間に出たな」
「もしかしてココが本当の最深部か?」
「おい!アレ!」
急に石造りの床や壁になり…いかにもボス戦のステージのような部屋に入ると藤原が何かを発見したように指を差して声を上げる。
「お、アレが最後の一人?」
「一人だけ扱いが違くね?」
「お嬢様って言われてたからじゃね?」
天井から鎖でぶら下がっている鳥籠のような物に入っている女の子を見て俺らは他の捕まっていた人達との格差を感じながら話す。
「とりあえず助け…」
「な!」
「は!?」
俺らが部屋の真ん中に浮いている鳥籠に近づくと急にバタン!と大きな音がして入口が塞がれてしまった。
『ブハハハハ!餌に誘われてまたしても新しい餌がやって来おったわ!』
部屋の奥のでかい玉座のような椅子に座っていたミノタウルスが俺らを馬鹿にしたように笑いながら立ち上がる。
「お、おい…アレって…」
「ミノタウルスの王…下手したらBランクいくかいかないかの魔獣じゃねーか…」
柴田と藤原はミノタウルスの頭にある質素で簡易的な王冠と羽織っているマント、そして床に突き刺さっている両刃の斧を見て嫌そうに呟いた。
「…魔方陣…は機能してないっぽいな」
「え?アレ使えねーの?」
「イベント戦…ってかボス戦だからな。アイツを倒すまで部屋からも出られねーってやつよ」
「それってヤバくね?」
「かなりヤバイ」「だいぶヤバイ」
とりあえず藤原のスキルでボスを隔離して現状を把握し、そのヤバさを説明する二人に俺が問うと真顔で即答されて頷かれる。
「藤、お前のスキルで出れねーの?」
「分からん…多分出れると思うけど…やってみない事には、な」
「んじゃ、ココは俺と海でなんとかすっから藤はあの子連れて逃げろよ」
「大丈夫なのか?」
「一体だけなら問題ねぇだろ。範囲攻撃さえ縛れば怖くねぇし」
他のミノタウルスが出てきた場合は…の話はせずにとりあえず藤原と女の子を優先的に逃がす案を採用する。
「…分かった」
「とりあえず兵を30体に増やしとくけど足りなくなったら戻って来いよ」
「30人も居りゃ十分だろ。じゃあ…行くぞ?」
「おう。範囲攻撃はもう縛ってっし」
藤原が合図をするとミノタウルスの王が姿を現して鳥籠の中の女の子と藤原の姿が消えた。
『ブハハ!この部屋から逃れるか…面白い!』
そして藤原の姿が現れたと同時にまた消えるとミノタウルスの王が両刃の斧を持ち上げて笑う。
と、同時に俺のスキルで召喚された大量の兵士達がミノタウルスの王へと向かって突撃する。
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