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壮年期 54
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…それから一時間後。
青年は三人に説得されて魔法協会の申し入れを受け入れ、仕方なさ気な顔をしながらも書面へとサインする。
「…ところで先ほど聞いた『封印の強化』とやらの方法を教えてもらおうか。協力体制を取るのだ、情報の共有ぐらいはしてもらわないとな」
「…私の口からは何も申せません」
「…なんだと?」
「精霊王にお願いしてやってもらう」
「「「「『精霊王』?」」」」
青年の問いに少女が拒否るように言うと当然青年は怪訝そうな顔になり、分身の俺が答えると少女以外の…その場に居た全員が不思議そうな顔をした。
「精霊の頂点に位置するめちゃくちゃに偉い存在。なんでも同じ精霊いわく、この世界の形すらも容易く変える事が出来るほどの力を持ってるとか」
「精、霊…?」
「精霊…?」
「まあ信じられないんなら自分達で調べてくれ。精霊使いについては魔法協会にも資料が少ないから大変だろうけど」
分身の俺は精霊王についての情報を軽く話した後になおも不思議そうな顔をするみんなに適当な感じでそう告げる。
「え、この世界精霊とかいたの?」
「みたいだな。俺も初めて見た時は感動した。まあめちゃくちゃ強くてヤバかったけど」
「…では会談は終了という事で…私達はまだまだやるべき事が山積みなのでこれで失礼させてもらいます」
「えっ!?嘘でしょ!このタイミングで!?」
女の子の確認に分身の俺が肯定して感想を話すと少女が椅子から立ち上がって別れの挨拶を告げ、女の子は驚愕したように返す。
「気になるんなら魔法協会の本部とか行って調べてみるか、ラスタに聞きに来いよ。じゃあな」
「ええー!!嘘でしょー!!」
分身の俺が軽い感じで言って手を上げて別れの挨拶をして少女の後をついていくと後ろから女の子の絶叫が聞こえてきた。
…その一月後。
あの帝国が折れたとあって世界中の国々は続々と魔法協会への申し出を受け入れ、協力体制の輪が日に日に広がっていく。
「…やっぱり帝国が一つの転換点だったみたいですね」
「…ん?ああ、まあ反魔法協会みたいな立ち位置だったし…そんなトコがトップ同士の会談を開いて直ぐに手のひら返しした、ってなったらそりゃね」
拠点の自室でのお姉さんの発言に俺は報告書から一旦目を離した後に思い出しながら返す。
「マーリン様はほぼほぼ坊ちゃんのおかげだと褒めちぎってましたよ」
「あー、まあ俺は外堀を埋めただけだったんだけど…流石に帝国も優秀で有能な人材が揃ってたからなぁ。そういう人達を味方に付けれたのが大きかった」
お姉さんの何故か誇らしそうな発言に俺はおじさん達を評価して影の立役者であった事を説明する。
「でも坊ちゃんの事ですから脅し文句の一つでも言ったんじゃないですか?いつも外見や態度で下に見られてますし」
「その通り。よく分かってるね」
「いつもそんな感じですからね」
お姉さんが笑って弄るような感じで予想を話すので俺が肯定すると慣れた様子で返す。
「まあ普通なら魔族だの魔王だの初めて聞く用語が飛び出してきたら直ぐに信じろ、ってのが横暴で無理な話だからね。警戒するのも当然でしょ」
「それはそうですけど…実際に魔族による被害が出始めているので事実は事実ですし、信じざるを得なくなるのでは?」
俺の帝国側を庇うような発言にお姉さんは微妙な顔をしながら反論してきた。
「時間の問題であった事は確かだね。その時間が惜しいから脅しも使ったわけだけど」
「…準備する時間は多いに越した事はありませんから」
「とりあえず世界中の国々との協力体制が整ったら精霊王に頼んで封印を強化してもらわないとな…もうドラゴンの魔石は手持ちに無いから修行の時に取りに行かないと…」
「封印強化するのにドラゴンの魔石一つ必要、というのは高いのか安いのか…個人的な考えとしては少々割高で勿体無い気もしますが」
俺が軽い感じで言うとお姉さんは納得し、今後の予定を簡単に立てるとお姉さんが微妙な顔をしながら呟いて反対するかのような事を言い始める。
「ドラゴンの魔石一つで世界中で起こるであろう魔族の被害が百年間無くせるんなら安いものだよ。その気になれば直ぐに増やせるし、被害額的にもドラゴンの魔石の値段からしたら比較にならないレベルだし」
「…そんな事出来るのは…気軽に出来て簡単に言えるのは坊ちゃんだけですよ。本当に感覚がおかしい…」
俺の適当な感じでの発言にお姉さんはジト目のような感じで見ながら呆れたようにため息を吐いて呟く。
「厄災の龍の魔石も確保して精霊との契約を更新しないといけないしなー…百年後のために」
「今なら坊ちゃんが本気で真剣に魔石狙いでソレを目的にすれば達成可能じゃないですか?分身で魔力半分の状態でも狙えるって事は、つまり二人がかりなら確率が上がるって事ですよね?」
俺が面倒くせー…と思いながら更に予定を話すとお姉さんはもはや投げやりのどうでも良いような感じで確認してくる。
「そうなる。でも面白味がなくてつまらなくなるってのがアレだけど」
「…本人の目の前で言うのも失礼だと思いますが…本当に頭おかしいです。狂ってます、異常です、頭おかしいです」
「ははは。魔王ってのもやっぱ厄災の龍に匹敵するぐらい強いのかな?」
俺は肯定しながら今までやらなかった理由を話すとお姉さんがなんとも言えない顔で呟き、意を決したかのように不満をぶちまけるが笑って軽く流してワクワクしながら尋ねた。
「それは…話を聞く限りでは同等かソレ以上だとは思います。どちらも人類を滅ぼせるほど強いらしいですし」
「…これは百年後が楽しみになってきたぜ」
お姉さんが困ったような感じで呟いて予想や想定を話すので俺は嬉しくなって将来に期待しながら返す。
ーーーー完ーーーー
青年は三人に説得されて魔法協会の申し入れを受け入れ、仕方なさ気な顔をしながらも書面へとサインする。
「…ところで先ほど聞いた『封印の強化』とやらの方法を教えてもらおうか。協力体制を取るのだ、情報の共有ぐらいはしてもらわないとな」
「…私の口からは何も申せません」
「…なんだと?」
「精霊王にお願いしてやってもらう」
「「「「『精霊王』?」」」」
青年の問いに少女が拒否るように言うと当然青年は怪訝そうな顔になり、分身の俺が答えると少女以外の…その場に居た全員が不思議そうな顔をした。
「精霊の頂点に位置するめちゃくちゃに偉い存在。なんでも同じ精霊いわく、この世界の形すらも容易く変える事が出来るほどの力を持ってるとか」
「精、霊…?」
「精霊…?」
「まあ信じられないんなら自分達で調べてくれ。精霊使いについては魔法協会にも資料が少ないから大変だろうけど」
分身の俺は精霊王についての情報を軽く話した後になおも不思議そうな顔をするみんなに適当な感じでそう告げる。
「え、この世界精霊とかいたの?」
「みたいだな。俺も初めて見た時は感動した。まあめちゃくちゃ強くてヤバかったけど」
「…では会談は終了という事で…私達はまだまだやるべき事が山積みなのでこれで失礼させてもらいます」
「えっ!?嘘でしょ!このタイミングで!?」
女の子の確認に分身の俺が肯定して感想を話すと少女が椅子から立ち上がって別れの挨拶を告げ、女の子は驚愕したように返す。
「気になるんなら魔法協会の本部とか行って調べてみるか、ラスタに聞きに来いよ。じゃあな」
「ええー!!嘘でしょー!!」
分身の俺が軽い感じで言って手を上げて別れの挨拶をして少女の後をついていくと後ろから女の子の絶叫が聞こえてきた。
…その一月後。
あの帝国が折れたとあって世界中の国々は続々と魔法協会への申し出を受け入れ、協力体制の輪が日に日に広がっていく。
「…やっぱり帝国が一つの転換点だったみたいですね」
「…ん?ああ、まあ反魔法協会みたいな立ち位置だったし…そんなトコがトップ同士の会談を開いて直ぐに手のひら返しした、ってなったらそりゃね」
拠点の自室でのお姉さんの発言に俺は報告書から一旦目を離した後に思い出しながら返す。
「マーリン様はほぼほぼ坊ちゃんのおかげだと褒めちぎってましたよ」
「あー、まあ俺は外堀を埋めただけだったんだけど…流石に帝国も優秀で有能な人材が揃ってたからなぁ。そういう人達を味方に付けれたのが大きかった」
お姉さんの何故か誇らしそうな発言に俺はおじさん達を評価して影の立役者であった事を説明する。
「でも坊ちゃんの事ですから脅し文句の一つでも言ったんじゃないですか?いつも外見や態度で下に見られてますし」
「その通り。よく分かってるね」
「いつもそんな感じですからね」
お姉さんが笑って弄るような感じで予想を話すので俺が肯定すると慣れた様子で返す。
「まあ普通なら魔族だの魔王だの初めて聞く用語が飛び出してきたら直ぐに信じろ、ってのが横暴で無理な話だからね。警戒するのも当然でしょ」
「それはそうですけど…実際に魔族による被害が出始めているので事実は事実ですし、信じざるを得なくなるのでは?」
俺の帝国側を庇うような発言にお姉さんは微妙な顔をしながら反論してきた。
「時間の問題であった事は確かだね。その時間が惜しいから脅しも使ったわけだけど」
「…準備する時間は多いに越した事はありませんから」
「とりあえず世界中の国々との協力体制が整ったら精霊王に頼んで封印を強化してもらわないとな…もうドラゴンの魔石は手持ちに無いから修行の時に取りに行かないと…」
「封印強化するのにドラゴンの魔石一つ必要、というのは高いのか安いのか…個人的な考えとしては少々割高で勿体無い気もしますが」
俺が軽い感じで言うとお姉さんは納得し、今後の予定を簡単に立てるとお姉さんが微妙な顔をしながら呟いて反対するかのような事を言い始める。
「ドラゴンの魔石一つで世界中で起こるであろう魔族の被害が百年間無くせるんなら安いものだよ。その気になれば直ぐに増やせるし、被害額的にもドラゴンの魔石の値段からしたら比較にならないレベルだし」
「…そんな事出来るのは…気軽に出来て簡単に言えるのは坊ちゃんだけですよ。本当に感覚がおかしい…」
俺の適当な感じでの発言にお姉さんはジト目のような感じで見ながら呆れたようにため息を吐いて呟く。
「厄災の龍の魔石も確保して精霊との契約を更新しないといけないしなー…百年後のために」
「今なら坊ちゃんが本気で真剣に魔石狙いでソレを目的にすれば達成可能じゃないですか?分身で魔力半分の状態でも狙えるって事は、つまり二人がかりなら確率が上がるって事ですよね?」
俺が面倒くせー…と思いながら更に予定を話すとお姉さんはもはや投げやりのどうでも良いような感じで確認してくる。
「そうなる。でも面白味がなくてつまらなくなるってのがアレだけど」
「…本人の目の前で言うのも失礼だと思いますが…本当に頭おかしいです。狂ってます、異常です、頭おかしいです」
「ははは。魔王ってのもやっぱ厄災の龍に匹敵するぐらい強いのかな?」
俺は肯定しながら今までやらなかった理由を話すとお姉さんがなんとも言えない顔で呟き、意を決したかのように不満をぶちまけるが笑って軽く流してワクワクしながら尋ねた。
「それは…話を聞く限りでは同等かソレ以上だとは思います。どちらも人類を滅ぼせるほど強いらしいですし」
「…これは百年後が楽しみになってきたぜ」
お姉さんが困ったような感じで呟いて予想や想定を話すので俺は嬉しくなって将来に期待しながら返す。
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