442 / 480
壮年期 16
しおりを挟む
その後、俺は教会側に『二週間後の処刑日にはちゃんと行くからそれまで好きにさせてくれ』という内容の手紙を送り…
おっさんと青年には『今回の件で教会のお偉いさん達を失脚させる』という内容の手紙を送って先に手を打たせる事に。
「…上手くいきますかね?教会騎士団が坊ちゃんを捕えるためにココに来ません?」
「そうなったら最悪だ。あのおば…魔女のおねーさんが嬉々として殲滅させそう」
手紙を送った後にお姉さんが微妙そうな顔で言うので俺はため息を吐いて言い直しながら予想を告げる。
「ああ…ただでさえ我々猟兵隊の相手だけでも大変だというのに、厄介なあの人が出張ると一瞬で終わりそうですもんね…」
お姉さんも女の気性の荒さの一端を見た事があるのか納得したように呟く。
「しかも下手したら中央騎士団も動きかねないし、ソレすら即殲滅させられたら今度はソバルツとドードルが攻めて来るだろうから地獄のような展開になっちゃうよ」
「どうやっても治安の悪化は避けられなくなりますから…物資の供給が滞ると前線はたまったものじゃないでしょうし」
俺が最悪の展開を想定して話すとお姉さんはおっさんや青年を心配するように言う。
「…アッチが攻めてきてる以上『殺すな』とは言えないからなぁ…正当防衛や防衛権を行使してる、なんて言われたら何も言い返せないし」
「…教会が受け入れてくれないと大変な事になりそう…」
『厄災の魔女』と呼ばれた女への対応に困りながら呟くとお姉さんも困ったように諦めながら呟いた。
「…まあとにかく中央騎士団のトップにでも教会騎士団を抑えるようお願いして来るかな」
「…大丈夫ですか?」
「あの魔女のおねーさんの実力は知ってるから流石に止めると思いたいが…教会騎士団を抑えるのは無理でも中央騎士団への要請は拒否するんじゃない?」
「…確かに」
俺がため息を吐きながら立ち上がるとお姉さんは心配したように聞き、俺の予想に納得したような反応をする。
「一応俺は警告した、って事でその後の事はもう自己責任だよね。俺のやるべき事はやったわけだし」
「…そうですね」
「本当は陛下とか王子に言った方がいいんだろうけど…異端者認定されたからな…多分教会から面会拒否するよう言われてる気がする」
「まあ…その状態で普通なら面会出来ませんよね」
俺の投げやりのような発言にお姉さんも同意し、最善の策が実行出来ない理由を話すとお姉さんは微妙な感じで笑う。
ーーーー
…分身を王都の城へと向かわせ、城下町に居た中央騎士団の団員に騎士団長との面会を取り次ぐようお願いすると…
警戒した様子を見せるも日頃の行いゆえか直ぐに城へと連れて行ってくれ、面会の場を設けてくれた。
「えーっと…初めまして、じゃないですよね?」
「…何用でございますか?クライン辺境伯。あまり長い時間だと怪しまれますので用件は手短にお願いします」
分身の俺が若干困りつつ挨拶すると騎士団長は警戒した様子を見せながら釘を刺してくる。
「じゃあ手短に。教会騎士団が俺らの拠点に近づかないよう抑えて欲しい。あと中央騎士団も近づかないでくれ、理由はあの拠点には魔法協会の代表者と前代表者であるこの前の化物が居るから。じゃ、というわけで」
「まっ…!待ってくれ!下さい!どういう…」
分身の俺は用件を告げて直ぐに立ち去ろうとすると騎士団長が言い方を直して制止するように言い、困惑した様子で詳細を聞いてきた。
「この前、俺が王都の近くで戦ってた事を覚えてるでしょ?」
「はい、もちろんです。アレは忘れようと思ってもそう簡単には…」
「あの状況を引き起こしたのが今俺らの拠点に滞在してる。今んとこ俺との約束で大人しくしてるけど…厄介な事に俺みたいに好戦的な上に俺とは違って人を殺す事を厭わない人でね」
「…それは…!」
分身の俺の確認に騎士団長が肯定するので『厄災の魔女』と呼ばれた女の事を簡単に話すと、騎士団長は分身の俺が言いたい事を理解したような様子を見せる。
「正直言うと、あの規模の攻撃を簡単に出来る化物を敵に回したら例え教会騎士団と中央騎士団が揃ったとしても、全く相手にならず軽く殲滅されるよ?」
王都にまで被害が及ぶ可能性も高いし…と、分身の俺は軽い感じながらも女の実力と危険性を真剣な顔で話して警告した。
「た、確かに…クライン辺境伯との戦いの規模や余波を思い出すに…!」
「最悪、教会騎士団は諦めてもいいよ。でも中央騎士団は国防や治安維持、国の威信の要だからそうはいかない。…俺が今の状況なのにわざわざ話しに来たんだから事態の深刻さは分かるでしょ?」
「は、はっ!」
狼狽えたような騎士団長に万が一の想定を告げながら確認すると騎士団長は敬礼のポーズを取って返事する。
「まあそういうわけで。俺は自分が間違ってない事を証明するためにちゃんと処刑を受けるつもりだから、教会から要請されたりなにか言われたらそう言って断って欲しい」
「…分かりました。クライン辺境伯が正しく、教会の判断が誤りであれば神は加護を与えてくれるでしょう」
「じゃあ、お願いします」
分身の俺が話を締めながら言うと騎士団長は了承して宗教観を語るので分身の俺は適当な感じで返して戻る事に。
おっさんと青年には『今回の件で教会のお偉いさん達を失脚させる』という内容の手紙を送って先に手を打たせる事に。
「…上手くいきますかね?教会騎士団が坊ちゃんを捕えるためにココに来ません?」
「そうなったら最悪だ。あのおば…魔女のおねーさんが嬉々として殲滅させそう」
手紙を送った後にお姉さんが微妙そうな顔で言うので俺はため息を吐いて言い直しながら予想を告げる。
「ああ…ただでさえ我々猟兵隊の相手だけでも大変だというのに、厄介なあの人が出張ると一瞬で終わりそうですもんね…」
お姉さんも女の気性の荒さの一端を見た事があるのか納得したように呟く。
「しかも下手したら中央騎士団も動きかねないし、ソレすら即殲滅させられたら今度はソバルツとドードルが攻めて来るだろうから地獄のような展開になっちゃうよ」
「どうやっても治安の悪化は避けられなくなりますから…物資の供給が滞ると前線はたまったものじゃないでしょうし」
俺が最悪の展開を想定して話すとお姉さんはおっさんや青年を心配するように言う。
「…アッチが攻めてきてる以上『殺すな』とは言えないからなぁ…正当防衛や防衛権を行使してる、なんて言われたら何も言い返せないし」
「…教会が受け入れてくれないと大変な事になりそう…」
『厄災の魔女』と呼ばれた女への対応に困りながら呟くとお姉さんも困ったように諦めながら呟いた。
「…まあとにかく中央騎士団のトップにでも教会騎士団を抑えるようお願いして来るかな」
「…大丈夫ですか?」
「あの魔女のおねーさんの実力は知ってるから流石に止めると思いたいが…教会騎士団を抑えるのは無理でも中央騎士団への要請は拒否するんじゃない?」
「…確かに」
俺がため息を吐きながら立ち上がるとお姉さんは心配したように聞き、俺の予想に納得したような反応をする。
「一応俺は警告した、って事でその後の事はもう自己責任だよね。俺のやるべき事はやったわけだし」
「…そうですね」
「本当は陛下とか王子に言った方がいいんだろうけど…異端者認定されたからな…多分教会から面会拒否するよう言われてる気がする」
「まあ…その状態で普通なら面会出来ませんよね」
俺の投げやりのような発言にお姉さんも同意し、最善の策が実行出来ない理由を話すとお姉さんは微妙な感じで笑う。
ーーーー
…分身を王都の城へと向かわせ、城下町に居た中央騎士団の団員に騎士団長との面会を取り次ぐようお願いすると…
警戒した様子を見せるも日頃の行いゆえか直ぐに城へと連れて行ってくれ、面会の場を設けてくれた。
「えーっと…初めまして、じゃないですよね?」
「…何用でございますか?クライン辺境伯。あまり長い時間だと怪しまれますので用件は手短にお願いします」
分身の俺が若干困りつつ挨拶すると騎士団長は警戒した様子を見せながら釘を刺してくる。
「じゃあ手短に。教会騎士団が俺らの拠点に近づかないよう抑えて欲しい。あと中央騎士団も近づかないでくれ、理由はあの拠点には魔法協会の代表者と前代表者であるこの前の化物が居るから。じゃ、というわけで」
「まっ…!待ってくれ!下さい!どういう…」
分身の俺は用件を告げて直ぐに立ち去ろうとすると騎士団長が言い方を直して制止するように言い、困惑した様子で詳細を聞いてきた。
「この前、俺が王都の近くで戦ってた事を覚えてるでしょ?」
「はい、もちろんです。アレは忘れようと思ってもそう簡単には…」
「あの状況を引き起こしたのが今俺らの拠点に滞在してる。今んとこ俺との約束で大人しくしてるけど…厄介な事に俺みたいに好戦的な上に俺とは違って人を殺す事を厭わない人でね」
「…それは…!」
分身の俺の確認に騎士団長が肯定するので『厄災の魔女』と呼ばれた女の事を簡単に話すと、騎士団長は分身の俺が言いたい事を理解したような様子を見せる。
「正直言うと、あの規模の攻撃を簡単に出来る化物を敵に回したら例え教会騎士団と中央騎士団が揃ったとしても、全く相手にならず軽く殲滅されるよ?」
王都にまで被害が及ぶ可能性も高いし…と、分身の俺は軽い感じながらも女の実力と危険性を真剣な顔で話して警告した。
「た、確かに…クライン辺境伯との戦いの規模や余波を思い出すに…!」
「最悪、教会騎士団は諦めてもいいよ。でも中央騎士団は国防や治安維持、国の威信の要だからそうはいかない。…俺が今の状況なのにわざわざ話しに来たんだから事態の深刻さは分かるでしょ?」
「は、はっ!」
狼狽えたような騎士団長に万が一の想定を告げながら確認すると騎士団長は敬礼のポーズを取って返事する。
「まあそういうわけで。俺は自分が間違ってない事を証明するためにちゃんと処刑を受けるつもりだから、教会から要請されたりなにか言われたらそう言って断って欲しい」
「…分かりました。クライン辺境伯が正しく、教会の判断が誤りであれば神は加護を与えてくれるでしょう」
「じゃあ、お願いします」
分身の俺が話を締めながら言うと騎士団長は了承して宗教観を語るので分身の俺は適当な感じで返して戻る事に。
63
お気に入りに追加
1,011
あなたにおすすめの小説
誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。
初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。
今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。
誤字脱字等あれば連絡をお願いします。
感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。
おもしろかっただけでも励みになります。
2021/6/27 無事に完結しました。
2021/9/10 後日談の追加開始
2022/2/18 後日談完結
スキル【僕だけの農場】はチートでした~辺境領地を世界で一番住みやすい国にします~
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
旧題:スキル【僕だけの農場】はチートでした なのでお父様の領地を改造していきます!!
僕は異世界転生してしまう
大好きな農場ゲームで、やっと大好きな女の子と結婚まで行ったら過労で死んでしまった
仕事とゲームで過労になってしまったようだ
とても可哀そうだと神様が僕だけの農場というスキル、チートを授けてくれた
転生先は貴族と恵まれていると思ったら砂漠と海の領地で作物も育たないダメな領地だった
住民はとてもいい人達で両親もいい人、僕はこの領地をチートの力で一番にしてみせる
◇
HOTランキング一位獲得!
皆さま本当にありがとうございます!
無事に書籍化となり絶賛発売中です
よかったら手に取っていただけると嬉しいです
これからも日々勉強していきたいと思います
◇
僕だけの農場二巻発売ということで少しだけウィンたちが前へと進むこととなりました
毎日投稿とはいきませんが少しずつ進んでいきます
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる