401 / 480
青年期 337
しおりを挟む
「…ただ待ってるだけ、ってのもアレだから他のゴブリンで魔物化について調べようか。その魔石持っててね」
「分かりました。落として無くさないように気をつけます」
「…まあ確かに落としてヒビでも入ったらダンジョンに魔素として吸収されて無くなるけどさぁ…」
分身の俺の効率を考えた提案に分身のお姉さんは了承して子供みたいな事を言い出し、分身の俺は微妙な顔で天然か…?と思いながらツッコミを入れるかどうか悩む。
「お。さて…」
すると直ぐにゴブリンを発見したので気持ちを切り替えて魔物に変化魔法をかける実験を開始する事に。
「…やっぱ一発か。『魔物化』だから魔物相手だとそのままなのか…?」
「坊ちゃん。多分ですが、この魔石はスライムの魔石のまま…かもしれません。質を調べてみない事には断定は出来ないのですが…」
スライムの姿になった魔物を見て分身の俺が不思議に思いながら想定を呟くと分身のお姉さんは魔石を持ったまま予想を告げ、誤情報を避けるためか精査してない現状では曖昧な感じで言う。
「今簡単に調べられる?」
「魔石を使えば分かります」
「じゃあお願い」
「分かりました」
分身の俺が尋ねると分身のお姉さんは魔石の使用を確認するかのように返し、了承すると分身のお姉さんが持っていた魔石が粒子状になって消える。
「…スライムの魔石のまま、ですね」
「『短時間では変化無し』って事か…じゃあコレは日数を調べるために保管しといて」
「分かりました」
分身のお姉さんの報告に分身の俺は結果を呟いて目の前のスライム姿の魔物から魔石を抜いて分身のお姉さんに渡して指示を出す。
「じゃあ次…本命の実験だ」
「え、『本命』?魔物に変化魔法が効くかどうかが目的じゃなかったんですか?」
「そりゃ魔石を使えば魔物に変化魔法が効く事はやるまでもなく分かってた事だし。魔石を使わなくても出来るのかどうか…ってのがやった事無いから分からなかっただけで」
「ええ…」
分身の俺がこのダンジョンに来た目的を果たそうとすると分身のお姉さんは驚いたように確認し、分身の俺の適当な感じでの返答に分身のお姉さんがドン引きしたような反応をした。
「…だから『このまま』って言ってたんですね…『現段階ではまだ不可能だ』という意味かと思ってましたが、『何も準備してない現状ではまだ出来る状態に無い』という意味だった、と」
「まあそういう事になるね」
「紛らわしすぎますって…」
分身のお姉さんの微妙な顔での納得したような発言に分身の俺が肯定すると呆れたように呟く。
「とりあえず次のやつは危ないから下がってて」
「どのような事をするんですか?」
「グリーズベアーに変化させて肉を落とすかどうかを確認する」
「なるほど!そんな考えも…!流石は坊ちゃん!」
分身の俺が事前に注意すると分身のお姉さんは不思議そうに尋ね、本命の内容を説明すると分身のお姉さんが目から鱗のような反応をして褒めてくる。
「これが上手くいけば色んな種類の肉を取り放題だよ。わざわざ山林ダンジョンや海底ダンジョンといった特殊ダンジョンのある国に行かなくていいわけだからね」
「…坊ちゃん、もはや魔法協会の最高機密である秘匿事項が人の形をして歩いてるような感じになってますが…ソレってミスリルゴーレムのような希少な魔物に変化させればミスリルも大量に手に入るって事ですよね?」
「あ。確かに…よく考えたら肉だけじゃなく素材の調達も出来るのか…上手くいけばだけど」
実験が成功した場合の恩恵について話すと分身のお姉さんはなんとも言えない顔で呟くと分身の俺が気付かなかった利点を指摘し、分身の俺は驚きながら肯定して失敗した場合の事を考えて予防線を張った。
「今のところ、たとえ坊ちゃんが失敗したとしても『ちゃんとやってないからでは?』ってしか思えないのですが…」
「まあ適当にやっても成功するレベルじゃないといざと言う時に『集中力を散らされたから失敗しました』ってシャレにならない事態になるし」
「…それは…そうですが…」
分身のお姉さんはジト目のような感じで見ながら疑うように言い、分身の俺が全力や本気で取り組んでない理由を話すも納得いかなそうな顔で返す。
「お、いた。じゃあやるから少し離れて」
「分かりました」
ゴブリンを発見したので分身の俺は分身のお姉さんに指示を出して実験を開始する。
「グアアァ!!」
「やっぱ威嚇から入るか」
「グ…!」
変化魔法を使ってゴブリンをグリーズベアーへと変化させると分身の俺を見て直ぐに威嚇行動を始め、先生を離して良かったな…と予想通りである事を確認した後に魔石抜きで倒した。
「お!」「あ!」
するとグリーズベアーの肉と素材が全て落ちたので分身の俺はテンションが上がって直ぐに回収する。
「…ちゃんと味もグリーズベアーの肉だな。良く分からんけど美味い」
拾った肉を水筒の水で洗い流した後に分身の俺がとりあえず齧って味を確認し、本当は味の違いがイマイチ分からない事を冗談で言う。
「分かりました。落として無くさないように気をつけます」
「…まあ確かに落としてヒビでも入ったらダンジョンに魔素として吸収されて無くなるけどさぁ…」
分身の俺の効率を考えた提案に分身のお姉さんは了承して子供みたいな事を言い出し、分身の俺は微妙な顔で天然か…?と思いながらツッコミを入れるかどうか悩む。
「お。さて…」
すると直ぐにゴブリンを発見したので気持ちを切り替えて魔物に変化魔法をかける実験を開始する事に。
「…やっぱ一発か。『魔物化』だから魔物相手だとそのままなのか…?」
「坊ちゃん。多分ですが、この魔石はスライムの魔石のまま…かもしれません。質を調べてみない事には断定は出来ないのですが…」
スライムの姿になった魔物を見て分身の俺が不思議に思いながら想定を呟くと分身のお姉さんは魔石を持ったまま予想を告げ、誤情報を避けるためか精査してない現状では曖昧な感じで言う。
「今簡単に調べられる?」
「魔石を使えば分かります」
「じゃあお願い」
「分かりました」
分身の俺が尋ねると分身のお姉さんは魔石の使用を確認するかのように返し、了承すると分身のお姉さんが持っていた魔石が粒子状になって消える。
「…スライムの魔石のまま、ですね」
「『短時間では変化無し』って事か…じゃあコレは日数を調べるために保管しといて」
「分かりました」
分身のお姉さんの報告に分身の俺は結果を呟いて目の前のスライム姿の魔物から魔石を抜いて分身のお姉さんに渡して指示を出す。
「じゃあ次…本命の実験だ」
「え、『本命』?魔物に変化魔法が効くかどうかが目的じゃなかったんですか?」
「そりゃ魔石を使えば魔物に変化魔法が効く事はやるまでもなく分かってた事だし。魔石を使わなくても出来るのかどうか…ってのがやった事無いから分からなかっただけで」
「ええ…」
分身の俺がこのダンジョンに来た目的を果たそうとすると分身のお姉さんは驚いたように確認し、分身の俺の適当な感じでの返答に分身のお姉さんがドン引きしたような反応をした。
「…だから『このまま』って言ってたんですね…『現段階ではまだ不可能だ』という意味かと思ってましたが、『何も準備してない現状ではまだ出来る状態に無い』という意味だった、と」
「まあそういう事になるね」
「紛らわしすぎますって…」
分身のお姉さんの微妙な顔での納得したような発言に分身の俺が肯定すると呆れたように呟く。
「とりあえず次のやつは危ないから下がってて」
「どのような事をするんですか?」
「グリーズベアーに変化させて肉を落とすかどうかを確認する」
「なるほど!そんな考えも…!流石は坊ちゃん!」
分身の俺が事前に注意すると分身のお姉さんは不思議そうに尋ね、本命の内容を説明すると分身のお姉さんが目から鱗のような反応をして褒めてくる。
「これが上手くいけば色んな種類の肉を取り放題だよ。わざわざ山林ダンジョンや海底ダンジョンといった特殊ダンジョンのある国に行かなくていいわけだからね」
「…坊ちゃん、もはや魔法協会の最高機密である秘匿事項が人の形をして歩いてるような感じになってますが…ソレってミスリルゴーレムのような希少な魔物に変化させればミスリルも大量に手に入るって事ですよね?」
「あ。確かに…よく考えたら肉だけじゃなく素材の調達も出来るのか…上手くいけばだけど」
実験が成功した場合の恩恵について話すと分身のお姉さんはなんとも言えない顔で呟くと分身の俺が気付かなかった利点を指摘し、分身の俺は驚きながら肯定して失敗した場合の事を考えて予防線を張った。
「今のところ、たとえ坊ちゃんが失敗したとしても『ちゃんとやってないからでは?』ってしか思えないのですが…」
「まあ適当にやっても成功するレベルじゃないといざと言う時に『集中力を散らされたから失敗しました』ってシャレにならない事態になるし」
「…それは…そうですが…」
分身のお姉さんはジト目のような感じで見ながら疑うように言い、分身の俺が全力や本気で取り組んでない理由を話すも納得いかなそうな顔で返す。
「お、いた。じゃあやるから少し離れて」
「分かりました」
ゴブリンを発見したので分身の俺は分身のお姉さんに指示を出して実験を開始する。
「グアアァ!!」
「やっぱ威嚇から入るか」
「グ…!」
変化魔法を使ってゴブリンをグリーズベアーへと変化させると分身の俺を見て直ぐに威嚇行動を始め、先生を離して良かったな…と予想通りである事を確認した後に魔石抜きで倒した。
「お!」「あ!」
するとグリーズベアーの肉と素材が全て落ちたので分身の俺はテンションが上がって直ぐに回収する。
「…ちゃんと味もグリーズベアーの肉だな。良く分からんけど美味い」
拾った肉を水筒の水で洗い流した後に分身の俺がとりあえず齧って味を確認し、本当は味の違いがイマイチ分からない事を冗談で言う。
81
お気に入りに追加
1,046
あなたにおすすめの小説

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる