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青年期 318
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…将軍のおじさんの所からの帰り道、一応報告をするために辺境伯の城塞都市へと寄る事に。
「…おや?もしかして辺境…いえ、隊長殿では?」
「あ、うん。ちょっと辺境伯に用があって」
「そうでしたか。では案内致します」
「ありがと」
城に向かって歩いてると騎士の一人が確認するように話しかけてきて、分身の俺が肯定して用件を告げるとどうやら案内してくれるらしい。
「…おお!よく来たな。ゼルハイト卿」
「お久しぶりです」
…騎士に案内されるがまま廊下を進んでいると青年がわざわざ歩いて来て出迎えてくれ、分身の俺は挨拶をする。
「…しかし昨日の手紙では『ドードル西部に居るガナンド将軍の下へと出迎く』という内容だったはずだが…?」
「行って来ました。そこで面白い情報が手に入ったので帰りに寄った次第です」
「面白い情報?」
不思議そうな顔で呟く青年に分身の俺がそう返すと青年は不思議そうな顔のまま尋ねた。
「この前の砦を攻めて来た部隊を覚えていますか?ドードルの中でも屈指の戦力を持つという」
「…ああ。この前の。覚えているぞ、ゼルハイト卿の話を聞いて情報収集にあたらせたのだが…どうやらドードル内ではかなり有名な部隊のようだな」
分身の俺は過去の話を持ち出して確認すると青年は直ぐに思い出したように肯定し、ドードル国内での評価をちょろっと話す。
「その部隊はどうやらこの前の件で公爵の下を追放されたらしく、今は将軍の下でドードル西部の国境を防衛していました」
「なにっ!?その情報は本当なのか!?」
分身の俺がココに来た用件の報告を話すと青年は足を止めて食い気味に確認してくる。
「はい。自分が実際に話して防衛の手伝いをしたので間違いありません。この侵攻には確実に参加してません」
「そうか!それは朗報だ!でかしたぞゼルハイト卿!」
…青年はやはり最大限に警戒をしていたのか…その部隊が居ないと知るや否や喜びのあまり分身の俺の両肩をガシッと掴んで褒めた。
「…おっと済まない。俺とした事が…」
直ぐに冷静になった青年は即座に分身の俺の両肩からスッと手を離して恥ずかしそうな顔になった。
「いえ…あと、将軍が嫌がらせとして領地の引き継ぎの話を持ち出して公爵や貴族の数人を王都へと呼び出すと言ってましたので…おそらく指揮系統に綻びが出る時があるかもしれません」
「そうか!これは貴重で重要な情報ばかりだな!流石はゼルハイト卿だ。こうもアッサリと敵の軍事機密を手に入れるとは」
「ははは。敵とはいえ仲良くしておいて損は無いという事ですね」
そして報酬を受け取った時に聞いた話を伝えると青年は嬉しそうに褒め、分身の俺は笑って友好関係の大切さを告げる。
「…ふむ。あの部隊が居ないとなれば防衛に割く人数にも余裕が出る…これは今回は猟兵隊の出番は無いかもしれんな」
「ですが勝つにしても被害が大きくなりそうだと感じた場合は早めに自分をお呼び下さい。いつものように一騎打ちを仕掛けますので」
「うむ。その折は頼りにしてるぞ」
青年が足を止めたまま作戦や計画の変更を考えているので、分身の俺は言う必要は無いと思いつつも念のために伝えると青年は笑って頷く。
…それから三日後。
「団長!いるか!?」
「なにやら王都で騒ぎがあったらしい!」
いつものように俺が自室で報告書を読んでいると団員達が慌てた様子でノックもせずに部屋に入って来た。
「騒ぎ?」
「謀反だ、叛逆だ、という話を聞いたが…」
「俺がさっき王都で聞いたのは伯爵が兵を率いて城に向かった、と。名前は覚えてないが…」
「俺はなんか伯爵が『正義は我にあり!』と兵に向かって叫んでた、と聞いた。兵を率いたとかは…」
俺の問いに団員達は憶測のような王都で聞いた噂話をし始める。
「…それが本当だとしたらヤバいな…今まさにドードルとの戦争中だというのに面倒な事を起こさないで欲しい…」
「どうする?まずは真偽の確認か?」
「俺達が王都に行って情報収集してくるか?」
俺がめんどくせぇ…と思いながらため息を吐いて呟くと団員達が確認するように提案してきた。
「…そうだね。とにもかくにも本当かどうかの確認をしないと。もしかしたらただの誤解かもしれないし」
「分かった」
「人数は…30人ぐらいか?」
「ん、それぐらいでいいかも。もし情報が真実だった場合は下手に深く突っ込まないで直ぐに戻って来て」
俺の肯定に団員達は自己判断で行動に移そうするので念のため不測の事態に陥らないよう釘を刺す。
「大丈夫だ、馬鹿な真似はしない」
「一応最悪の想定として王都が既に敵の手に落ちて乗っ取られてた場合、無理に中に入ろうとせずに直ぐに戻って来て。そうなったら俺が行くから」
「分かった」
団員の一人が理解したように返し、俺が万が一を想定しながら告げると別の団員も了承する。
「情報の真偽を確かめたら直ぐに戻って来る。みんな行くぞ」
「「「おう」」」
団員の一人の仕切るような合図に他の団員達もやる気を出して賛同するように返すと部屋から出て行った。
「…おや?もしかして辺境…いえ、隊長殿では?」
「あ、うん。ちょっと辺境伯に用があって」
「そうでしたか。では案内致します」
「ありがと」
城に向かって歩いてると騎士の一人が確認するように話しかけてきて、分身の俺が肯定して用件を告げるとどうやら案内してくれるらしい。
「…おお!よく来たな。ゼルハイト卿」
「お久しぶりです」
…騎士に案内されるがまま廊下を進んでいると青年がわざわざ歩いて来て出迎えてくれ、分身の俺は挨拶をする。
「…しかし昨日の手紙では『ドードル西部に居るガナンド将軍の下へと出迎く』という内容だったはずだが…?」
「行って来ました。そこで面白い情報が手に入ったので帰りに寄った次第です」
「面白い情報?」
不思議そうな顔で呟く青年に分身の俺がそう返すと青年は不思議そうな顔のまま尋ねた。
「この前の砦を攻めて来た部隊を覚えていますか?ドードルの中でも屈指の戦力を持つという」
「…ああ。この前の。覚えているぞ、ゼルハイト卿の話を聞いて情報収集にあたらせたのだが…どうやらドードル内ではかなり有名な部隊のようだな」
分身の俺は過去の話を持ち出して確認すると青年は直ぐに思い出したように肯定し、ドードル国内での評価をちょろっと話す。
「その部隊はどうやらこの前の件で公爵の下を追放されたらしく、今は将軍の下でドードル西部の国境を防衛していました」
「なにっ!?その情報は本当なのか!?」
分身の俺がココに来た用件の報告を話すと青年は足を止めて食い気味に確認してくる。
「はい。自分が実際に話して防衛の手伝いをしたので間違いありません。この侵攻には確実に参加してません」
「そうか!それは朗報だ!でかしたぞゼルハイト卿!」
…青年はやはり最大限に警戒をしていたのか…その部隊が居ないと知るや否や喜びのあまり分身の俺の両肩をガシッと掴んで褒めた。
「…おっと済まない。俺とした事が…」
直ぐに冷静になった青年は即座に分身の俺の両肩からスッと手を離して恥ずかしそうな顔になった。
「いえ…あと、将軍が嫌がらせとして領地の引き継ぎの話を持ち出して公爵や貴族の数人を王都へと呼び出すと言ってましたので…おそらく指揮系統に綻びが出る時があるかもしれません」
「そうか!これは貴重で重要な情報ばかりだな!流石はゼルハイト卿だ。こうもアッサリと敵の軍事機密を手に入れるとは」
「ははは。敵とはいえ仲良くしておいて損は無いという事ですね」
そして報酬を受け取った時に聞いた話を伝えると青年は嬉しそうに褒め、分身の俺は笑って友好関係の大切さを告げる。
「…ふむ。あの部隊が居ないとなれば防衛に割く人数にも余裕が出る…これは今回は猟兵隊の出番は無いかもしれんな」
「ですが勝つにしても被害が大きくなりそうだと感じた場合は早めに自分をお呼び下さい。いつものように一騎打ちを仕掛けますので」
「うむ。その折は頼りにしてるぞ」
青年が足を止めたまま作戦や計画の変更を考えているので、分身の俺は言う必要は無いと思いつつも念のために伝えると青年は笑って頷く。
…それから三日後。
「団長!いるか!?」
「なにやら王都で騒ぎがあったらしい!」
いつものように俺が自室で報告書を読んでいると団員達が慌てた様子でノックもせずに部屋に入って来た。
「騒ぎ?」
「謀反だ、叛逆だ、という話を聞いたが…」
「俺がさっき王都で聞いたのは伯爵が兵を率いて城に向かった、と。名前は覚えてないが…」
「俺はなんか伯爵が『正義は我にあり!』と兵に向かって叫んでた、と聞いた。兵を率いたとかは…」
俺の問いに団員達は憶測のような王都で聞いた噂話をし始める。
「…それが本当だとしたらヤバいな…今まさにドードルとの戦争中だというのに面倒な事を起こさないで欲しい…」
「どうする?まずは真偽の確認か?」
「俺達が王都に行って情報収集してくるか?」
俺がめんどくせぇ…と思いながらため息を吐いて呟くと団員達が確認するように提案してきた。
「…そうだね。とにもかくにも本当かどうかの確認をしないと。もしかしたらただの誤解かもしれないし」
「分かった」
「人数は…30人ぐらいか?」
「ん、それぐらいでいいかも。もし情報が真実だった場合は下手に深く突っ込まないで直ぐに戻って来て」
俺の肯定に団員達は自己判断で行動に移そうするので念のため不測の事態に陥らないよう釘を刺す。
「大丈夫だ、馬鹿な真似はしない」
「一応最悪の想定として王都が既に敵の手に落ちて乗っ取られてた場合、無理に中に入ろうとせずに直ぐに戻って来て。そうなったら俺が行くから」
「分かった」
団員の一人が理解したように返し、俺が万が一を想定しながら告げると別の団員も了承する。
「情報の真偽を確かめたら直ぐに戻って来る。みんな行くぞ」
「「「おう」」」
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