377 / 480
青年期 313
しおりを挟む
…男や男性の動きが止まると部下である兵士達の動きも止まり、敵兵達は指揮官っぽい騎士を一人残してどんどん逃げ出して行く。
「おっ、追撃しないんだ?」
「…ふん、逃げる敵を追うよりも一騎打ちを優先したまでだ。指揮官さえ居なければ兵がいくら数を揃えてようが問題では無い」
「それもそうだ」
分身の俺が意外に思いながら聞くと男が理由を話すので分身の俺は賛同する。
「じゃあやろうか」
「待て、貴様がやるのか?」
「そりゃ俺が提案したんだから」
「ココで指揮を執っているのは私達だ。決める権利はこちらにあるはずだが?」
分身の俺の発言に男が不満そうに止めるので理由を話すと男性も権利を主張して分身の俺を止めようとしてきた。
「…そう言われたら何も言えないけどさぁ…」
「…一騎打ちはお互いに代表者を決めて行いたい。他の部隊に私よりも強い適任がいる」
分身の俺が不満に思いながらも大人しく引き下がると指揮官っぽい騎士は馬から降り、この状況下では普通ならありえない提案をする。
「…ソレを呑むのならばそちらには少々不利な条件になるが、構わんな?」
「無論だ」
「では此度の一騎打ちにて我々が勝利した場合はそちらの部隊が撤退し、我々が敗北しようとも撤退はしない…という条件でそちらの代表者選出の一騎打ちを引き受けよう」
男性の確認に騎士はよっぽど代表者とやらの実力に自信があるのか内容も聞かずに了承し、男性は駆け引きをするように条件を告げた。
「よかろう。ただ一つ、そちらが負けた場合はお互いに立て直す時間として二日の停戦期間を設けてもらいたい」
「…良いだろう。では書面を作成するゆえ、ついて来てもらいたい」
「…なに?」
「俺らから手を出す事は無いから安心して。あんたが変な事をしなければ…だけど」
「…よかろう」
騎士は了承した後にお互いにメリットのある条件を追加し、男性が了承して流儀に則った事を言うと騎士が困惑したような顔になり…
分身の俺が楽観的に身の安全を告げると騎士は警戒しながらも了承してついてくる。
「一騎打ちはいつやる?なるべくなら早い方が良いんだけど」
「…明日の朝までには準備が整うはずだ」
「…じゃあさ、お互いに一騎打ちが終わるまで他の部隊達には停戦してもらわない?この一騎打ちで勝負が決まるから他の小競り合いは今の内にやめてた方が良いと思うんだよね」
分身の俺の問いに騎士は少し考えて返答し、分身の俺は自分達が勝つ前提で騎士にそう提案した。
「…そうだな。そちらも同じ考えであれば停戦を指示しても構わない」
「…では書面作成後にお互いに停戦の指示、司令書を各部隊に送る…という事で構わないか?」
「ああ」
騎士が男や男性を見ながら牽制するように返すと男性はまたしても駆け引きするように確認し、男性は了承するように頷く。
ーーーーー
「…これで誓約書の作成は完了とする」
「ああ」
「一枚はそちらに、一枚は我々に…くれぐれも約束を破るような真似はしない事だな」
「そちらこそ」
…お互いに話し合っての書面の作成が終わると男性は釘を刺すように紙を渡すと騎士は受け取りながら駆け引きするように返す。
「じゃあ、また明日」
「停戦の件、忘れるなよ」
分身の俺が軽く手を振って挨拶すると男も男性同様に釘を刺すように言う。
「…さて、明日の一騎打ちは誰が行く?ソッチ達の誰かがやるんなら俺はもう必要無さそうだから帰るけど」
「ふん、あの状況から一騎打ちに持ち込めただけで上出来だ。もうお前の出番は無い」
「…待て。今回の一騎打ちの相手はコイツに任せる」
「お」「なっ…!」
分身の俺の確認に男が用済みだと言わんばかりに返すと男性が制止するように言って意外な判断を下し、分身の俺の意外に思いながらの反応と男の驚愕するような反応が被る。
「万が一、私達のどちらかが重傷を負った場合…連邦側が約束を反故にして攻めて来ないとも限らない」
「まあ可能性として無くはない。俺なんて一騎打ちに勝った後に公爵の命令で袋叩きにされたし」
「…ソレについては我々ドードル側の言い逃れ出来ない完全な落ち度だ。我々の部下もその場に居て加担したと聞く…この場で謝罪を申し上げる、済まなかった」
「…そうだな。我々の教育が行き届かなかった責任でもあるわけだ…お詫び申し上げる」
男性が現実的な考えを話すので分身の俺が賛同するように過去の体験談を話すと男性は申し訳なさそうな顔で頭を下げて謝り、男も頭を下げて謝った。
「まあもう終わった事だし、その結果公爵の影響力が弱くなったわけだから別に」
「…公爵のあの卑劣な判断での卑怯な行動は本来ならば許されない事だ。『公爵』でさえなければ責任を取らせ、我々が武人として斬首したものを…!」
「全くだ。俺ら武人の誇りを汚して地に落とし、嘲笑うようなもの…断じて容認出来ん!今でも思い出すだけで腹が立つ!」
分身の俺はもはや過去の事なので適当な感じで軽く流すも、男性と男はやはりプライドがあるからなのか憤るような様子を見せる。
「…結局アレで派閥を追放されなくてもどのみち抜けたんじゃない?その様子を見る限りだと」
「…確かに公爵についていけないと考えてはいたが…」
「しかし後ろ盾が無いというのも、な…」
「だったら相談してくれれば将軍を紹介したのに。って言ってもソレじゃ結局今と一緒か」
分身の俺の予想に男性は微妙な顔で呟き、男も微妙な顔で現実を見るかのように呟くので分身の俺は適当な感じで言って笑う。
「おっ、追撃しないんだ?」
「…ふん、逃げる敵を追うよりも一騎打ちを優先したまでだ。指揮官さえ居なければ兵がいくら数を揃えてようが問題では無い」
「それもそうだ」
分身の俺が意外に思いながら聞くと男が理由を話すので分身の俺は賛同する。
「じゃあやろうか」
「待て、貴様がやるのか?」
「そりゃ俺が提案したんだから」
「ココで指揮を執っているのは私達だ。決める権利はこちらにあるはずだが?」
分身の俺の発言に男が不満そうに止めるので理由を話すと男性も権利を主張して分身の俺を止めようとしてきた。
「…そう言われたら何も言えないけどさぁ…」
「…一騎打ちはお互いに代表者を決めて行いたい。他の部隊に私よりも強い適任がいる」
分身の俺が不満に思いながらも大人しく引き下がると指揮官っぽい騎士は馬から降り、この状況下では普通ならありえない提案をする。
「…ソレを呑むのならばそちらには少々不利な条件になるが、構わんな?」
「無論だ」
「では此度の一騎打ちにて我々が勝利した場合はそちらの部隊が撤退し、我々が敗北しようとも撤退はしない…という条件でそちらの代表者選出の一騎打ちを引き受けよう」
男性の確認に騎士はよっぽど代表者とやらの実力に自信があるのか内容も聞かずに了承し、男性は駆け引きをするように条件を告げた。
「よかろう。ただ一つ、そちらが負けた場合はお互いに立て直す時間として二日の停戦期間を設けてもらいたい」
「…良いだろう。では書面を作成するゆえ、ついて来てもらいたい」
「…なに?」
「俺らから手を出す事は無いから安心して。あんたが変な事をしなければ…だけど」
「…よかろう」
騎士は了承した後にお互いにメリットのある条件を追加し、男性が了承して流儀に則った事を言うと騎士が困惑したような顔になり…
分身の俺が楽観的に身の安全を告げると騎士は警戒しながらも了承してついてくる。
「一騎打ちはいつやる?なるべくなら早い方が良いんだけど」
「…明日の朝までには準備が整うはずだ」
「…じゃあさ、お互いに一騎打ちが終わるまで他の部隊達には停戦してもらわない?この一騎打ちで勝負が決まるから他の小競り合いは今の内にやめてた方が良いと思うんだよね」
分身の俺の問いに騎士は少し考えて返答し、分身の俺は自分達が勝つ前提で騎士にそう提案した。
「…そうだな。そちらも同じ考えであれば停戦を指示しても構わない」
「…では書面作成後にお互いに停戦の指示、司令書を各部隊に送る…という事で構わないか?」
「ああ」
騎士が男や男性を見ながら牽制するように返すと男性はまたしても駆け引きするように確認し、男性は了承するように頷く。
ーーーーー
「…これで誓約書の作成は完了とする」
「ああ」
「一枚はそちらに、一枚は我々に…くれぐれも約束を破るような真似はしない事だな」
「そちらこそ」
…お互いに話し合っての書面の作成が終わると男性は釘を刺すように紙を渡すと騎士は受け取りながら駆け引きするように返す。
「じゃあ、また明日」
「停戦の件、忘れるなよ」
分身の俺が軽く手を振って挨拶すると男も男性同様に釘を刺すように言う。
「…さて、明日の一騎打ちは誰が行く?ソッチ達の誰かがやるんなら俺はもう必要無さそうだから帰るけど」
「ふん、あの状況から一騎打ちに持ち込めただけで上出来だ。もうお前の出番は無い」
「…待て。今回の一騎打ちの相手はコイツに任せる」
「お」「なっ…!」
分身の俺の確認に男が用済みだと言わんばかりに返すと男性が制止するように言って意外な判断を下し、分身の俺の意外に思いながらの反応と男の驚愕するような反応が被る。
「万が一、私達のどちらかが重傷を負った場合…連邦側が約束を反故にして攻めて来ないとも限らない」
「まあ可能性として無くはない。俺なんて一騎打ちに勝った後に公爵の命令で袋叩きにされたし」
「…ソレについては我々ドードル側の言い逃れ出来ない完全な落ち度だ。我々の部下もその場に居て加担したと聞く…この場で謝罪を申し上げる、済まなかった」
「…そうだな。我々の教育が行き届かなかった責任でもあるわけだ…お詫び申し上げる」
男性が現実的な考えを話すので分身の俺が賛同するように過去の体験談を話すと男性は申し訳なさそうな顔で頭を下げて謝り、男も頭を下げて謝った。
「まあもう終わった事だし、その結果公爵の影響力が弱くなったわけだから別に」
「…公爵のあの卑劣な判断での卑怯な行動は本来ならば許されない事だ。『公爵』でさえなければ責任を取らせ、我々が武人として斬首したものを…!」
「全くだ。俺ら武人の誇りを汚して地に落とし、嘲笑うようなもの…断じて容認出来ん!今でも思い出すだけで腹が立つ!」
分身の俺はもはや過去の事なので適当な感じで軽く流すも、男性と男はやはりプライドがあるからなのか憤るような様子を見せる。
「…結局アレで派閥を追放されなくてもどのみち抜けたんじゃない?その様子を見る限りだと」
「…確かに公爵についていけないと考えてはいたが…」
「しかし後ろ盾が無いというのも、な…」
「だったら相談してくれれば将軍を紹介したのに。って言ってもソレじゃ結局今と一緒か」
分身の俺の予想に男性は微妙な顔で呟き、男も微妙な顔で現実を見るかのように呟くので分身の俺は適当な感じで言って笑う。
62
お気に入りに追加
866
あなたにおすすめの小説
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~
乃神レンガ
ファンタジー
謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。
二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。
更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。
それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。
異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。
しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。
国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。
果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。
現在毎日更新中。
※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
転生受験生の教科書チート生活 ~その知識、学校で習いましたよ?~
hisa
ファンタジー
受験生の少年が、大学受験前にいきなり異世界に転生してしまった。
自称天使に与えられたチートは、社会に出たら役に立たないことで定評のある、学校の教科書。
戦争で下級貴族に成り上がった脳筋親父の英才教育をくぐり抜けて、少年は知識チートで生きていけるのか?
教科書の力で、目指せ異世界成り上がり!!
※なろうとカクヨムにそれぞれ別のスピンオフがあるのでそちらもよろしく!
※第5章に突入しました。
※小説家になろう96万PV突破!
※カクヨム68万PV突破!
※令和4年10月2日タイトルを『転生した受験生の異世界成り上がり 〜生まれは脳筋な下級貴族家ですが、教科書の知識だけで成り上がってやります〜』から変更しました
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる