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青年期 312
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…翌朝。
分身の俺はおじさんから命令書を預かって国境を防衛している兵達の下へと向かう。
「やーやー、ご苦労さん。敵の動きに変わりはない?」
「ん?なんだお前は?」
「…歩いて来た方向からしてスパイでは無さそうだが…何の用だ?」
分身の俺が労いの言葉をかけながら状況を尋ねると近くに居た兵達が警戒した様子を見せながら問う。
「俺はねぇ、この現場を任されてきた。といっても君達の指揮を執るつもりは無いから安心していいよ」
「…コレは…命令書?」
「この印は!ガナンド将軍閣下のじゃないか!?」
「なんだって!?」
分身の俺は用件を告げながら近くの兵に封筒を渡すと兵の一人が不思議そうに裏返し、何かを発見した別の兵が驚くと他の兵も驚く。
「…なんの騒ぎだ」
「…あ」
「ん?…お前は…!」
なんか指揮官っぽい騎士が来たと思えば前に西の国境で見た顔なので、分身の俺が声を出すと男も分身の俺を見て驚いたような顔をした。
「…あれ?この部隊ってもしかして…」
「何故ラスタの奴がこんなところに…!?」
「どうした?何かあったのか?」
分身の俺が予想を呟くと男が驚きながら警戒した様子を見せ、もう一人の指揮官っぽい騎士の男性がやって来る。
「っ…!?コイツは…!」
「…この部隊って今ウチの国境を攻めてる公爵の指揮下じゃなかったっけ?なんでこんなトコの国境を守ってんの?」
「…一騎打ちで貴様に負けて撤退したせいで俺達二人は派閥から追放された」
「そこをガナンド様に拾ってもらい、部下達も全員公爵の下を去って私達の下へと戻って来てくれたのだ」
「…マジ?あの程度で追放処分とかヤバ。公爵の無能さエグいな…ソッチ達みたいな腕の立つ部隊をたった一度の取るに足らない些細な失敗で捨てるとか正気か?」
男性も分身の俺を見て驚くので確認するように疑問を尋ねると男があの後の事を話し、男性が今に至る経緯を簡潔に話すので分身の俺はあの公爵の所業にドン引きしながら言う。
「…『取るに足らない』だと?」
「そりゃそうよ。あの時は牽制とか強行偵察みたいなもんで負けて撤退したからといってドードル側に領土を取られるとかの損は無いし、逆に俺という戦力が居た事を事前に知れたんだから無駄な犠牲を減らすっていう偵察の目的は達成してるわけじゃん」
「…偵察が目的ならば、な」
反発するような男に分身の俺が説明すると男性は苦し紛れのような反論をした。
「逆にアレが砦を奪う目的なら明らかに人数が少なくて戦力が足りてないんじゃない?増援が遅かった事も考えたら、公爵はとんでもない無能か、ソッチ達が邪魔だから消そうとしてたか…にしか思えないんだけど。俺からしたらね」
分身の俺は反論し返した後にあくまで俺個人の考えである事を付け足す。
「「…それは…」」
「まあとにかく。睨み合いが続いてる理由は敵さんもソッチ達の強さを警戒して迂闊に攻められない、って事かな?知恵の回る頭の良いのが指揮、司令だと面倒だ」
男と男性の言い淀むような呟きが被り、分身の俺は話を変えるように兵士達を煽てながらも敵に対して警戒を強めるような予想を告げる。
「…だいたい当たってはいるが…少し違うな」
「奴らが動かない理由は他の局地戦が終わるまでの牽制だ」
「そういや劣勢って言ってたっけ?まあでも敵の部隊が引けば他の奴らも引くでしょ。将軍もそんな予想してたし」
男が否定すると男性が訂正するように敵の思惑を予想した事を話し、分身の俺は思い出すように言いながらも楽観的に返した。
「…そう簡単に事が進めばここまで事態が長引くわけが無いだろうが」
「んじゃ、ちょっと行って来る」
「「は?」」
男の呆れたような発言に分身の俺が敵の部隊の下へと行く事を告げると男と男性は理解出来ないような声を出したが、分身の俺は無視して国境を越える。
「やーやー!我こそは将軍の客員なるぞ!誰ぞ腕に自信のある者はおらぬか!自分との一騎打ちを申し入れる!」
分身の俺が敵の主力部隊に近づいて偽りの名乗りを上げて一騎打ちを申し入れるも敵兵達からの反応は無い。
「…うーん…しょうがない…」
5分待っても何の返事も無いので分身の俺は普通に歩きながらそのまま敵の部隊に突撃した。
「な、なんだこいつ…!?」
「たった一人で…正気か!?」
敵兵は分身の俺の行動に狼狽えつつも武器を構えて戦闘態勢を取る。
「一騎打ちを受けてもらえないんじゃ、しょうがない。多少強引だけど力づくで撤退してもらうよ」
「うおお!ぐっ…!」
「…がっ…!」
分身の俺が嫌々ながらも空間魔法の施されたポーチから鉄の棒を取り出して言うと敵兵の一人で剣で斬りかかり…
軽く避けて頭を叩いて気絶させると別の敵兵も斬りかかってくるので、分身の俺は鉄の棒でいなして頭を叩いて気絶させた。
「囲め!」
「所詮は一人!数の差で潰せ!」
敵が陣形を変えて分身の俺を逃さないよう包囲の形を取り始めると…
「馬鹿め!囮に引っかかりやがった!」
「敵を蹂躙するぞ!」
「「「なっ!?」」」
機を図ったかのように男と男性が部隊を率いて攻めかかって来る。
「退けー!退けー!」
「馬鹿が!誰が逃すか!指揮官を狙え!」
「待て!さきほどの一騎打ちの件、受けよう!」
「…ああっ!?」
…流石に分身の俺を囲んでる最中に突撃をくらって立て直しを諦めたのか敵が逃げ始め、男が追撃しようとすると指揮官みたいな騎士が出て来てさっきの話を持ち出すと男は馬を止めた。
分身の俺はおじさんから命令書を預かって国境を防衛している兵達の下へと向かう。
「やーやー、ご苦労さん。敵の動きに変わりはない?」
「ん?なんだお前は?」
「…歩いて来た方向からしてスパイでは無さそうだが…何の用だ?」
分身の俺が労いの言葉をかけながら状況を尋ねると近くに居た兵達が警戒した様子を見せながら問う。
「俺はねぇ、この現場を任されてきた。といっても君達の指揮を執るつもりは無いから安心していいよ」
「…コレは…命令書?」
「この印は!ガナンド将軍閣下のじゃないか!?」
「なんだって!?」
分身の俺は用件を告げながら近くの兵に封筒を渡すと兵の一人が不思議そうに裏返し、何かを発見した別の兵が驚くと他の兵も驚く。
「…なんの騒ぎだ」
「…あ」
「ん?…お前は…!」
なんか指揮官っぽい騎士が来たと思えば前に西の国境で見た顔なので、分身の俺が声を出すと男も分身の俺を見て驚いたような顔をした。
「…あれ?この部隊ってもしかして…」
「何故ラスタの奴がこんなところに…!?」
「どうした?何かあったのか?」
分身の俺が予想を呟くと男が驚きながら警戒した様子を見せ、もう一人の指揮官っぽい騎士の男性がやって来る。
「っ…!?コイツは…!」
「…この部隊って今ウチの国境を攻めてる公爵の指揮下じゃなかったっけ?なんでこんなトコの国境を守ってんの?」
「…一騎打ちで貴様に負けて撤退したせいで俺達二人は派閥から追放された」
「そこをガナンド様に拾ってもらい、部下達も全員公爵の下を去って私達の下へと戻って来てくれたのだ」
「…マジ?あの程度で追放処分とかヤバ。公爵の無能さエグいな…ソッチ達みたいな腕の立つ部隊をたった一度の取るに足らない些細な失敗で捨てるとか正気か?」
男性も分身の俺を見て驚くので確認するように疑問を尋ねると男があの後の事を話し、男性が今に至る経緯を簡潔に話すので分身の俺はあの公爵の所業にドン引きしながら言う。
「…『取るに足らない』だと?」
「そりゃそうよ。あの時は牽制とか強行偵察みたいなもんで負けて撤退したからといってドードル側に領土を取られるとかの損は無いし、逆に俺という戦力が居た事を事前に知れたんだから無駄な犠牲を減らすっていう偵察の目的は達成してるわけじゃん」
「…偵察が目的ならば、な」
反発するような男に分身の俺が説明すると男性は苦し紛れのような反論をした。
「逆にアレが砦を奪う目的なら明らかに人数が少なくて戦力が足りてないんじゃない?増援が遅かった事も考えたら、公爵はとんでもない無能か、ソッチ達が邪魔だから消そうとしてたか…にしか思えないんだけど。俺からしたらね」
分身の俺は反論し返した後にあくまで俺個人の考えである事を付け足す。
「「…それは…」」
「まあとにかく。睨み合いが続いてる理由は敵さんもソッチ達の強さを警戒して迂闊に攻められない、って事かな?知恵の回る頭の良いのが指揮、司令だと面倒だ」
男と男性の言い淀むような呟きが被り、分身の俺は話を変えるように兵士達を煽てながらも敵に対して警戒を強めるような予想を告げる。
「…だいたい当たってはいるが…少し違うな」
「奴らが動かない理由は他の局地戦が終わるまでの牽制だ」
「そういや劣勢って言ってたっけ?まあでも敵の部隊が引けば他の奴らも引くでしょ。将軍もそんな予想してたし」
男が否定すると男性が訂正するように敵の思惑を予想した事を話し、分身の俺は思い出すように言いながらも楽観的に返した。
「…そう簡単に事が進めばここまで事態が長引くわけが無いだろうが」
「んじゃ、ちょっと行って来る」
「「は?」」
男の呆れたような発言に分身の俺が敵の部隊の下へと行く事を告げると男と男性は理解出来ないような声を出したが、分身の俺は無視して国境を越える。
「やーやー!我こそは将軍の客員なるぞ!誰ぞ腕に自信のある者はおらぬか!自分との一騎打ちを申し入れる!」
分身の俺が敵の主力部隊に近づいて偽りの名乗りを上げて一騎打ちを申し入れるも敵兵達からの反応は無い。
「…うーん…しょうがない…」
5分待っても何の返事も無いので分身の俺は普通に歩きながらそのまま敵の部隊に突撃した。
「な、なんだこいつ…!?」
「たった一人で…正気か!?」
敵兵は分身の俺の行動に狼狽えつつも武器を構えて戦闘態勢を取る。
「一騎打ちを受けてもらえないんじゃ、しょうがない。多少強引だけど力づくで撤退してもらうよ」
「うおお!ぐっ…!」
「…がっ…!」
分身の俺が嫌々ながらも空間魔法の施されたポーチから鉄の棒を取り出して言うと敵兵の一人で剣で斬りかかり…
軽く避けて頭を叩いて気絶させると別の敵兵も斬りかかってくるので、分身の俺は鉄の棒でいなして頭を叩いて気絶させた。
「囲め!」
「所詮は一人!数の差で潰せ!」
敵が陣形を変えて分身の俺を逃さないよう包囲の形を取り始めると…
「馬鹿め!囮に引っかかりやがった!」
「敵を蹂躙するぞ!」
「「「なっ!?」」」
機を図ったかのように男と男性が部隊を率いて攻めかかって来る。
「退けー!退けー!」
「馬鹿が!誰が逃すか!指揮官を狙え!」
「待て!さきほどの一騎打ちの件、受けよう!」
「…ああっ!?」
…流石に分身の俺を囲んでる最中に突撃をくらって立て直しを諦めたのか敵が逃げ始め、男が追撃しようとすると指揮官みたいな騎士が出て来てさっきの話を持ち出すと男は馬を止めた。
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