322 / 480
青年期 258
しおりを挟む
「…ま、マジ…?」
「マジマジ。ガチなやつよ」
「だ、だって…いくらなんでも見た目おかしくない…?」
少女を指さしながら確認する女の子に分身の俺が肯定しながら真実である事を告げると女の子は少女の見た目に言及する。
「俺も思った。でもまあ若返りの秘術で一回若返ってるみたいだし」
「若返りの秘術!?そんなんあんの!?」
「あるある。じゃないとソッチが言った通り見た目がおかしい事になるだろ。エルフじゃねぇんだから」
「…そりゃそうだけど…」
分身の俺が同意しながら少女の見た目になった理由を話すと女の子が驚愕して確認し、分身の俺は肯定してツッコミを入れるように返すも女の子は少女を見てまだ納得いかないように呟く。
「…私はこのロンゴニア帝国の初代皇帝である『ネロ・アレキサンダウス・ウル・ガイアス』だ」
「存じております」
「…名前長くね?」
「元々は『ネロ・ガイアス』だったんだけど…昔の帝国だった時代の皇帝から名前を取って付けたんだって」
「へー」
青年の威圧的な自己紹介に少女は全く動じず微笑みながら返し、分身の俺が小声で聞くと女の子は小声で教えてくれた。
「それで?魔法協会の代表者殿が何のご用かな?」
「この手紙を拝見し、賠償についての詳細を話し合いたいと思いまして」
「ほう…?それでわざわざ敵地である帝国に単身赴いた、と?」
「いえいえ。何を仰います、自分が居るじゃないですか。先ほど仲介役と護衛と申し上げたでしょう」
「…直接仲介したのは私だけどね」
青年が威圧感を醸し出しながらの笑顔で尋ねると少女は手紙を出して用件を話し、青年の脅すような発言に分身の俺が割って入って否定しながら脅し返すと女の子がボソッと自分の手柄を主張するように呟く。
「ダッソ。あやつを何分足止め出来る?」
「ゼルハイトさんの気分次第ですが…遊んでくれるのなら5分は固いかと。ですので陛下、何卒刺激するのは避けるようお願いいたします」
「十分だ。元帥、中将、この者を捕えるのにどのくらいかかる?」
「陛下」「一分ほどで」「30秒あれば」
青年の問いに男が分身の俺を見ながら困惑したように予想を答え、忠告するように言うも青年は挑発するように女の子やおじさんに尋ね…
男の止めるような言葉と女の子とおじさんの返答が被る。
「ふふっ…あまり私を甘く見ないほうがよろしいですよ?」
「ふっ…これからは精々言葉に気をつける事だな。私の気分次第で…」
「…ん?」
「…な、なんだかお腹空いたなー。朝ごはん食べてないからかなー?」
少女が煽るように挑発的に返すと青年も煽り返すように言い…
女の子はバチバチで一触即発の張り詰めたような危うい雰囲気を変えようと口からグウゥーと腹の音を出すと腹をさすりながら言い訳するように言う。
「そういや朝ごはんまだだっけ?腹が減ると人間気性が荒くなるもんな…」
「そ、そうですね!僕も実はお腹ぺこぺこだったんですよ。陛下の手前言い出せなかったですけど」
「あのパンちょうだい!まだ余ってるでしょ?」
分身の俺が乗っかるように呟くと男も賛同して乗っかり、女の子は昨日あげた食パンを要求してきた。
「ええ…アレ最後の一本だぞ」
「また作ればいいじゃん!…ほら、材料費あげるから」
「お。じゃあしょうがないな」
分身の俺の嫌がるような返事に女の子は大判の金貨を三枚取り出して渡しながら交渉してくるので分身の俺は了承する事に。
「みんなにもお願い。私のおごりって事で」
「はいはい」
女の子が太っ腹な事を言い出し、分身の俺は変化魔法を使って手を綺麗にした後に空間魔法の施されたポーチから紙皿と食パンを一本取り出す。
「「「…これは…!」」」
「やっぱりうまっ」
「…これは…この味…もしや、原料に魔物素材を使用してるのでは?」
切った食パンを一口食べた青年とおじさんと少女が同時に驚き、女の子が喜びながらパクパク食べると男が確認するように予想を尋ねてくる。
「おっ、凄い。たった一口で分かるなんて」
「やはり…!5年前に一度だけ、特殊ダンジョンがある国で食べた事があるんです!」
「「へー」」
「確かその国では数年に一度、選ばれた者しか食べられない『幻のパン』って呼ばれてました」
分身の俺が意外に思いながら褒めるように言うと男は気づいた理由を言い、分身の俺と女の子の反応が被ると男が思い出すように話した。
「まあ植物系の魔物なんて珍しいからな…俺もこの前初めて見たばっかだし」
「私なんて図鑑でしか見た事無いよ。そんな特殊ダンジョンなんてこの国には無いし」
分身の俺の納得するような発言に女の子も賛同するように返す。
「…その幻のパン、というのもこのように柔らかいのですか?」
「いえ、食感は全く違い…普通よりも少々固いパンでした。味は普通のパンと比べたらとても美味しかったですが、このパンと比べたら…」
少女が疑問を尋ねると男は否定して当時の記憶を思い出すように答える。
「…なるほど。材料だけではこのような素晴らしいパンは作れないのですね」
「フライパンと火があればこの食パンを使って小倉トーストとかフレンチトーストとか作れるんだけどねぇ」
「…調理場に行けば作れない?ってかアンコとかまだあるの?」
少女は分身の俺を見ながら納得したように言い、分身の俺がもっと美味しく出来る事を告げると女の子が提案して確認してきた。
「あとボウル二つ分は残ってるけど…俺、一応護衛だから側から離れられないし」
目を離した隙に陛下に何をされるか…と、分身の俺は青年を見ながら警戒するように皮肉と嫌味を言う。
「マジマジ。ガチなやつよ」
「だ、だって…いくらなんでも見た目おかしくない…?」
少女を指さしながら確認する女の子に分身の俺が肯定しながら真実である事を告げると女の子は少女の見た目に言及する。
「俺も思った。でもまあ若返りの秘術で一回若返ってるみたいだし」
「若返りの秘術!?そんなんあんの!?」
「あるある。じゃないとソッチが言った通り見た目がおかしい事になるだろ。エルフじゃねぇんだから」
「…そりゃそうだけど…」
分身の俺が同意しながら少女の見た目になった理由を話すと女の子が驚愕して確認し、分身の俺は肯定してツッコミを入れるように返すも女の子は少女を見てまだ納得いかないように呟く。
「…私はこのロンゴニア帝国の初代皇帝である『ネロ・アレキサンダウス・ウル・ガイアス』だ」
「存じております」
「…名前長くね?」
「元々は『ネロ・ガイアス』だったんだけど…昔の帝国だった時代の皇帝から名前を取って付けたんだって」
「へー」
青年の威圧的な自己紹介に少女は全く動じず微笑みながら返し、分身の俺が小声で聞くと女の子は小声で教えてくれた。
「それで?魔法協会の代表者殿が何のご用かな?」
「この手紙を拝見し、賠償についての詳細を話し合いたいと思いまして」
「ほう…?それでわざわざ敵地である帝国に単身赴いた、と?」
「いえいえ。何を仰います、自分が居るじゃないですか。先ほど仲介役と護衛と申し上げたでしょう」
「…直接仲介したのは私だけどね」
青年が威圧感を醸し出しながらの笑顔で尋ねると少女は手紙を出して用件を話し、青年の脅すような発言に分身の俺が割って入って否定しながら脅し返すと女の子がボソッと自分の手柄を主張するように呟く。
「ダッソ。あやつを何分足止め出来る?」
「ゼルハイトさんの気分次第ですが…遊んでくれるのなら5分は固いかと。ですので陛下、何卒刺激するのは避けるようお願いいたします」
「十分だ。元帥、中将、この者を捕えるのにどのくらいかかる?」
「陛下」「一分ほどで」「30秒あれば」
青年の問いに男が分身の俺を見ながら困惑したように予想を答え、忠告するように言うも青年は挑発するように女の子やおじさんに尋ね…
男の止めるような言葉と女の子とおじさんの返答が被る。
「ふふっ…あまり私を甘く見ないほうがよろしいですよ?」
「ふっ…これからは精々言葉に気をつける事だな。私の気分次第で…」
「…ん?」
「…な、なんだかお腹空いたなー。朝ごはん食べてないからかなー?」
少女が煽るように挑発的に返すと青年も煽り返すように言い…
女の子はバチバチで一触即発の張り詰めたような危うい雰囲気を変えようと口からグウゥーと腹の音を出すと腹をさすりながら言い訳するように言う。
「そういや朝ごはんまだだっけ?腹が減ると人間気性が荒くなるもんな…」
「そ、そうですね!僕も実はお腹ぺこぺこだったんですよ。陛下の手前言い出せなかったですけど」
「あのパンちょうだい!まだ余ってるでしょ?」
分身の俺が乗っかるように呟くと男も賛同して乗っかり、女の子は昨日あげた食パンを要求してきた。
「ええ…アレ最後の一本だぞ」
「また作ればいいじゃん!…ほら、材料費あげるから」
「お。じゃあしょうがないな」
分身の俺の嫌がるような返事に女の子は大判の金貨を三枚取り出して渡しながら交渉してくるので分身の俺は了承する事に。
「みんなにもお願い。私のおごりって事で」
「はいはい」
女の子が太っ腹な事を言い出し、分身の俺は変化魔法を使って手を綺麗にした後に空間魔法の施されたポーチから紙皿と食パンを一本取り出す。
「「「…これは…!」」」
「やっぱりうまっ」
「…これは…この味…もしや、原料に魔物素材を使用してるのでは?」
切った食パンを一口食べた青年とおじさんと少女が同時に驚き、女の子が喜びながらパクパク食べると男が確認するように予想を尋ねてくる。
「おっ、凄い。たった一口で分かるなんて」
「やはり…!5年前に一度だけ、特殊ダンジョンがある国で食べた事があるんです!」
「「へー」」
「確かその国では数年に一度、選ばれた者しか食べられない『幻のパン』って呼ばれてました」
分身の俺が意外に思いながら褒めるように言うと男は気づいた理由を言い、分身の俺と女の子の反応が被ると男が思い出すように話した。
「まあ植物系の魔物なんて珍しいからな…俺もこの前初めて見たばっかだし」
「私なんて図鑑でしか見た事無いよ。そんな特殊ダンジョンなんてこの国には無いし」
分身の俺の納得するような発言に女の子も賛同するように返す。
「…その幻のパン、というのもこのように柔らかいのですか?」
「いえ、食感は全く違い…普通よりも少々固いパンでした。味は普通のパンと比べたらとても美味しかったですが、このパンと比べたら…」
少女が疑問を尋ねると男は否定して当時の記憶を思い出すように答える。
「…なるほど。材料だけではこのような素晴らしいパンは作れないのですね」
「フライパンと火があればこの食パンを使って小倉トーストとかフレンチトーストとか作れるんだけどねぇ」
「…調理場に行けば作れない?ってかアンコとかまだあるの?」
少女は分身の俺を見ながら納得したように言い、分身の俺がもっと美味しく出来る事を告げると女の子が提案して確認してきた。
「あとボウル二つ分は残ってるけど…俺、一応護衛だから側から離れられないし」
目を離した隙に陛下に何をされるか…と、分身の俺は青年を見ながら警戒するように皮肉と嫌味を言う。
32
お気に入りに追加
1,060
あなたにおすすめの小説

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる