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青年期 250

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「…まあ実際何回戦っても厄災の龍とは常に命がけだし、未討伐の魔物にも一撃で殺されかけたからなぁ…」

「…私のとっておきの炸裂徹甲榴弾でさえほぼ無傷のあなたでもそうなるって…」

「多分厄災の龍とアダマンタイタンは核でも厳しいんじゃないかな?厄災の龍なら一番強いヤツを何発か当てれば倒せるだろうけど、そもそも当たらないと思う」


分身の俺も賛同するように呟くと女の子が驚きながら呆れたように呟き、分身の俺は前世の知識による現代兵器を使用した場合を想定して告げた。


「水爆だっけ?アレなら流石に未討伐の魔物でも一撃でしょ。…当たれば」

「アダマンタイタンには多分水爆でも無理かも。ただ王水とか溶かす方向でなら倒す事は出来るよ」


女の子の思い出すような楽観的な言い方に分身の俺は否定的に返し、別の方法での倒し方を教える。


「えー…水爆に耐えられるかな?」

「厄災の龍でも一発は耐えられると思うから多分余裕で耐えられるハズ。だって俺が厄災の龍でさえ一撃で仕留められるほどの全力の攻撃を完璧に決めたのに、 傷一つ付ける事すら出来なかったぐらいだし」

「…厄災の龍を一撃で…?」

「うそ、だよね…?」


疑うような女の子に分身の俺がアダマンタイタンのエグい耐久力について経験談を話すと男が唖然としたように呟き、女の子も唖然としたように確認する。


「ああ、当たりどころが良ければ…って事ね?ソッチのあの弾一発でドラゴンを倒せる、ってのと同じ感じ」

「あ、なるほど、確かに。私の炸裂徹甲榴弾でも心臓に上手く当てないと一発で確殺にはならないからなぁ…」

「…それでも運が良ければ厄災の龍を一撃で、と言うのは…」


分身の俺は女の子の例を挙げて訂正すると女の子が納得するも男は微妙な顔で呟く。


「ちなみに今でもチャンスは一度だけ。ソレに失敗すると地獄のような血みどろの死に物狂いの戦いになる」

「うわー…」

「想像したくもありませんね…」


分身の俺の軽い感じでの補足に女の子がヒくように呟き、男もヒくように呟いた。


「しかも成功率低くて大体失敗してるからいつも死に物狂いっていうね」

「まあそうでしょ。アレをコンスタントに確殺出来るんならもはや人間じゃなくて魔王のレベルだし」

「…それでも、一撃で倒せなくとも…厄災の龍に勝てるほどの地力があるというのは流石と言うべきですね」


分身の俺が呆れながら言うと女の子は賛同して創作のラスボスのような扱いを挙げ、男は尊敬するかのように褒めてくれる。


「…君らは彼の言葉を真に受けているようだが…信憑性はあるのかね?まだ本人だと確認が取れたわけでもあるまい」

「…私は実際信じるに足る体験をしていますので…」

「僕は受け答えを聞く限り本人だと思います」


おじさんの疑うような発言に女の子と男は根拠を告げる。


「…本当に冒険者ならばライセンスを持っているはずだ。見せろ」

「残念ながら今は所持していません。無くさないよう必要な時以外は持ち歩かないようにしていますので」

「つまりは本物だと証明出来ないわけだな?」

「証拠が無ければ疑われても当然かと」


青年が身分を確認するために要求して来たが、分身の俺はライセンスを持っていないので拒否して適当に誤魔化すような理由を話すと…


青年はニヤリと笑って疑うように言い、おじさんも青年に賛同するように告げた。


「…いくら疑われたところで事実は事実ですからねぇ…どちらにせよ、一騎打ちをすれば分かると思います」

「「確かに」」


分身の俺が微妙な顔をしながら呟き、脱線した話を戻すように言うと女の子と男は同意するように頷く。


「よかろう。早速一騎打ちを行う」

「…しかし陛下、頼みの綱である彼でさえも戦意が喪失しているとなると他に候補が…」

「ダッソ。そやつが偽物ならば勝算はどのくらいだ?」

「…本当に偽物であるならば絶対に勝てます」


青年の宣言におじさんが止めるように呟くと青年は男に確認し、男は分身の俺を見ながら仮定で答える。


「では問題あるまい。戦う前から負けを認めるなどありえぬこと。強さとは勝負の結果が出てこそ決まるものだ」

「…ですが陛下。我々の先ほどの話をお聞きになりましたでしょう?我々が束になっても勝てるか分からない魔物とたった一人で戦い、そして倒す事が出来る者に一人で立ち向かう事など…」


青年が強引に話を纏めようとすると男は反論して分身の俺との戦いを避けようとした。


「ダッソ、貴様私に恥をかかせるつもりか?」


すると青年は睨みながら威圧的に脅すように尋ねる。


「…はぁ…分かった。じゃあ俺の負けって事でいいよ」

「「えっ!?」」


分身の俺が男の今後を考え、ため息を吐いて負けを認めると女の子と男は同時に驚いた。


「その代わり、アッチに居る帝国軍が全滅した時の責任は全てアンタが被ってもらうよ」

「えっ!ちょっ…!」

「…脅しのつもりか?」


分身の俺の脅しに女の子がまたしても驚いた後に焦ったような反応をし、青年は眉をひそめながら確認する。


「全く…せっかく穏便に事が済むと思ったのに…アンタのわがままのせいで台無しだよ。他に代役でも立ててくれれば後腐れなく勝って終われたのに」

「まっ…!ヤバイって!ソレは流石に言い過ぎ、謝りなよ!」


分身の俺が喧嘩を売るように言うと女の子は止めるように分身の俺の肩を掴んで揺らしながら謝罪を促す。
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