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青年期 249
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…そんなそんな雑談して待つ事、約20分後。
「…お連れしました」
「お呼びですか?陛下」
おじさんが190以上の高身長で体格もしっかりした男を連れて来る。
「化物を相手にするのであれば、これ以上の人選はあるまい。逃げるのなら今の内だぞ」
「逃げる?俺が…?まさか。あり得ない」
「…誰ですか?この人」
青年のニヤリと得意気に笑いながらの余裕をぶっこいた発言に分身の俺が拒絶して返すと男が不思議そうに尋ねた。
「我々の敵だ。このアズマ中将をして化物と称するほどの実力者らしい」
「…そうは見えないですけど…本当ですか?ただの一般人じゃなくて?」
おじさんが説明すると男は分身の俺を見ながら怪訝そうな顔で疑うように女の子に確認する。
「ふふふ…それもそうだろう。お前からすれば、な」
「随分と自信がおありのようで」
「…陛下が自信に溢れるのも当然。だってこの人、冒険者の中でも世界に三人しか居ないって言われてる…個人でマスタークラスの称号を与えられた現役の冒険者の一人だよ?」
何故か笑って答える青年に分身の俺が嫌味を返すと女の子が男について紹介をし始めた。
「…マジで?」
「ほら、基本的にマスタークラスの称号ってパーティに送られるものでしょ?ソレを個人で持ってるって事は、つまり一人でそれだけの戦力を持つって事になるからね」
分身の俺の驚きながらの確認に女の子は釈迦に説法のように分身の俺にハンターの称号の事を解説してくる。
「へー…まさかマスタークラスのハンターと会えるなんて…思ってもみなかった」
「ダッソ・カルバリンです。冒険者やっています。よろしく」
「ああ、これはどうもご丁寧に。俺はリデック・ゼルハイト。同じくハンターです」
分身の俺が男を見て意外に思いながら呟くと男は笑顔で自己紹介し、腰を曲げて低姿勢で握手を求めてくるので分身の俺も握手して自己紹介した。
「「…リデック…ゼルハイト…?」」
すると女の子と男の不思議そうな呟きが被る。
「!?まさかあのゼルハイトさんですか!?僕と同じくマスタークラスの!?」
「ああっ!…えっ!?ええっ!?嘘でしょ!!あなたがあの…!!??」
男の驚愕しながらの確認に女の子も思い出したように声を上げ、分身の俺を見ながら驚愕した。
「どうした?何があった?」
「…この驚きようは…一体…?」
「会えて光栄です!昔からずっと一度は会ってみたくて…!皇帝陛下、このような機会を与えて下さり、心より感謝申し上げます!」
青年とおじさんが困惑したような反応をすると男は分身の俺の手を両手で握って感動するかのような顔になり、青年に向かって床に片膝を着いてお礼を告げる。
「…ど、どうりで化物のハズだよ…!評判通り…聞いてた通りの強さ…そりゃ私なんかじゃ相手になるわけが無い…!」
「…アズマ中将。一体どうしたというのだね?」
女の子の恐れ慄いたように驚いたまま納得してる様子を見ておじさんが確認するように尋ねた。
「…彼も、個人でマスタークラスの称号を持つ冒険者の一人になります」
「なんだと…?本当か?」
「…それは事実かね?」
女の子が分身の俺について説明すると青年とおじさんも驚いたように真偽を確認する。
「しかも最年少…10歳でライセンスを獲得し、その一ヶ月も経たない内にマスタークラスの称号を与えられています」
「冒険者界隈では10歳一ヶ月未満でのマスタークラス昇格は他に例がありません。過去の最年少が16歳6ヶ月だったので、記録を大幅に更新しています」
「「なっ…!!?」」
女の子の補足するような情報と男の解説に青年とおじさんは更に驚愕しながら分身の俺を見た。
「え、待って!無防備の状態でダンジョンに潜るって噂は本当なの?」
「ん。部位鍛錬の修行の一環として」
「じゃ、じゃあ!武器も持たないって本当ですか?」
「ソレはタイミング次第かな?素手の時もあれば剣や槍を持ってる時もあるし」
「…ええー…ダンジョンの中で防具着けないとかガチで頭イカれてんじゃん…普通ならドMってレベルじゃなく自殺志願者だよ…」
女の子と男の興奮した様子での質問に答えると女の子がドン引きした様子で誹謗中傷的な事を呟く。
「…まさか彼も、とは…陛下、これは…」
「…ダッソ。もしそいつと戦う事になれば勝算はどのくらいだ?」
「えっ!?無理ですよ、同じマスタークラスとはいえ、力の差は天と地ほど離れてますから。というか僕なにか陛下のお気に障る事でもしました!?」
「大丈夫ですよ。実力差が離れてるのなら殺される事はないと思います」
おじさんが困惑したように呟き、青年が問うと男は驚きながら負けを前提に返答し…女の子が慰めるような言葉をかける。
「いやいや、同じマスタークラスならそこまで実力の差が離れてるとは思えないけど…」
「何言ってるんですか!僕じゃ『厄災の龍』や未討伐の魔物なんてパーティ組んでも倒せるかどうか分からないですし、そもそもそんなのに一人で挑んだらあっという間に死にますよ」
「確かに。100%誰がどう見ても、どう聞いても…ただの死刑で自殺だね」
分身の俺の否定に男は謙遜を超えて卑屈になった様子で反論し、女の子も同意するように返す。
「…お連れしました」
「お呼びですか?陛下」
おじさんが190以上の高身長で体格もしっかりした男を連れて来る。
「化物を相手にするのであれば、これ以上の人選はあるまい。逃げるのなら今の内だぞ」
「逃げる?俺が…?まさか。あり得ない」
「…誰ですか?この人」
青年のニヤリと得意気に笑いながらの余裕をぶっこいた発言に分身の俺が拒絶して返すと男が不思議そうに尋ねた。
「我々の敵だ。このアズマ中将をして化物と称するほどの実力者らしい」
「…そうは見えないですけど…本当ですか?ただの一般人じゃなくて?」
おじさんが説明すると男は分身の俺を見ながら怪訝そうな顔で疑うように女の子に確認する。
「ふふふ…それもそうだろう。お前からすれば、な」
「随分と自信がおありのようで」
「…陛下が自信に溢れるのも当然。だってこの人、冒険者の中でも世界に三人しか居ないって言われてる…個人でマスタークラスの称号を与えられた現役の冒険者の一人だよ?」
何故か笑って答える青年に分身の俺が嫌味を返すと女の子が男について紹介をし始めた。
「…マジで?」
「ほら、基本的にマスタークラスの称号ってパーティに送られるものでしょ?ソレを個人で持ってるって事は、つまり一人でそれだけの戦力を持つって事になるからね」
分身の俺の驚きながらの確認に女の子は釈迦に説法のように分身の俺にハンターの称号の事を解説してくる。
「へー…まさかマスタークラスのハンターと会えるなんて…思ってもみなかった」
「ダッソ・カルバリンです。冒険者やっています。よろしく」
「ああ、これはどうもご丁寧に。俺はリデック・ゼルハイト。同じくハンターです」
分身の俺が男を見て意外に思いながら呟くと男は笑顔で自己紹介し、腰を曲げて低姿勢で握手を求めてくるので分身の俺も握手して自己紹介した。
「「…リデック…ゼルハイト…?」」
すると女の子と男の不思議そうな呟きが被る。
「!?まさかあのゼルハイトさんですか!?僕と同じくマスタークラスの!?」
「ああっ!…えっ!?ええっ!?嘘でしょ!!あなたがあの…!!??」
男の驚愕しながらの確認に女の子も思い出したように声を上げ、分身の俺を見ながら驚愕した。
「どうした?何があった?」
「…この驚きようは…一体…?」
「会えて光栄です!昔からずっと一度は会ってみたくて…!皇帝陛下、このような機会を与えて下さり、心より感謝申し上げます!」
青年とおじさんが困惑したような反応をすると男は分身の俺の手を両手で握って感動するかのような顔になり、青年に向かって床に片膝を着いてお礼を告げる。
「…ど、どうりで化物のハズだよ…!評判通り…聞いてた通りの強さ…そりゃ私なんかじゃ相手になるわけが無い…!」
「…アズマ中将。一体どうしたというのだね?」
女の子の恐れ慄いたように驚いたまま納得してる様子を見ておじさんが確認するように尋ねた。
「…彼も、個人でマスタークラスの称号を持つ冒険者の一人になります」
「なんだと…?本当か?」
「…それは事実かね?」
女の子が分身の俺について説明すると青年とおじさんも驚いたように真偽を確認する。
「しかも最年少…10歳でライセンスを獲得し、その一ヶ月も経たない内にマスタークラスの称号を与えられています」
「冒険者界隈では10歳一ヶ月未満でのマスタークラス昇格は他に例がありません。過去の最年少が16歳6ヶ月だったので、記録を大幅に更新しています」
「「なっ…!!?」」
女の子の補足するような情報と男の解説に青年とおじさんは更に驚愕しながら分身の俺を見た。
「え、待って!無防備の状態でダンジョンに潜るって噂は本当なの?」
「ん。部位鍛錬の修行の一環として」
「じゃ、じゃあ!武器も持たないって本当ですか?」
「ソレはタイミング次第かな?素手の時もあれば剣や槍を持ってる時もあるし」
「…ええー…ダンジョンの中で防具着けないとかガチで頭イカれてんじゃん…普通ならドMってレベルじゃなく自殺志願者だよ…」
女の子と男の興奮した様子での質問に答えると女の子がドン引きした様子で誹謗中傷的な事を呟く。
「…まさか彼も、とは…陛下、これは…」
「…ダッソ。もしそいつと戦う事になれば勝算はどのくらいだ?」
「えっ!?無理ですよ、同じマスタークラスとはいえ、力の差は天と地ほど離れてますから。というか僕なにか陛下のお気に障る事でもしました!?」
「大丈夫ですよ。実力差が離れてるのなら殺される事はないと思います」
おじさんが困惑したように呟き、青年が問うと男は驚きながら負けを前提に返答し…女の子が慰めるような言葉をかける。
「いやいや、同じマスタークラスならそこまで実力の差が離れてるとは思えないけど…」
「何言ってるんですか!僕じゃ『厄災の龍』や未討伐の魔物なんてパーティ組んでも倒せるかどうか分からないですし、そもそもそんなのに一人で挑んだらあっという間に死にますよ」
「確かに。100%誰がどう見ても、どう聞いても…ただの死刑で自殺だね」
分身の俺の否定に男は謙遜を超えて卑屈になった様子で反論し、女の子も同意するように返す。
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