子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

文字の大きさ
304 / 480

青年期 240

しおりを挟む
…兵士に案内される事、約10分後。


「ココが作戦司令部になっている。今の時間ならばアズマ中将はココにいるはずだ」


少し大きめの二階建ての民家に着くと兵士は軽く説明した後に中に入って行く。


「失礼します!アズマ中将に急報があるとの事です!」

「…急報だと?」

「何があった?」


二階への階段を登り、兵士はドアをノックした後に挨拶をして開けると用件を告げ…


部屋の中に居た中年や青年といった男達が真剣な様子で確認する。


「ここからは俺が…ありがとう、助かったよ。ご苦労さん」

「ああ。俺は持ち場へと戻る。ではな」


分身の俺が代わるように前に出てお礼と労いの言葉をかけると兵士は手を上げ返し、歩いて行った。


「なんだお前は?」

「見ない顔だが…伝達役の情報部隊か?」

「…アズマ中将は?」

「私」


室内で作戦会議中だったんであろう男達が不思議そうな顔で聞いてくるが分身の俺は無視して目的の人物の名前を尋ねると…


部屋の一番奥に居た女…見た目からすると多分俺と大して年齢の変わらなそうな20代前半の女性が答える。


「え、女?」

「私がカエデ・アズマ中将だけど…あなたは?」


分身の俺が驚きながら聞くと女性…見た目的には俺に近いので女子…いや、女の子?は自己紹介した後に問い返す。


「…マジで?補佐とかじゃなくて、マジで女性が司令官なの?」

「…貴様、帝国の兵では無いな…!」


分身の俺はライツの時と重ねながら確認するとおっさんが察したように警戒した様子で立ち上がった。


「あー、うん。今更バレたところで、って感じだけど…俺はラスタから魔法協会の援軍として来た」

「ラスタだと!?コイツ…!まさか…!」

「魔法協会の前線司令官を名乗った男か!」


分身の俺が素性をバラすと男達が全員驚きながら立ち上がり、臨戦態勢を取りながら女の子を庇うような形になる。


「くっ…!兵達は一体何をしていたんだ…!」

「敵がこんな懐まで迫って来るのを防げないとは…!」

「いやー、何回か名乗りを上げてるはずだけど意外とみんな気づかないものだね」

「それで?なにしにココへ?」


男達が警戒したように下っ端の兵士達を責めるように言い、分身の俺が世間話でもするように余裕の態度で楽観的に返すと女の子は座ったまま警戒したように問う。


「ああ、降伏勧告をするために。どうせコッチが勝つ事が決まってるんだから出来るだけ早く終わらせたいでしょ?」

「なんだと!?」

「負け惜しみを!今の状況見る限り苦し紛れの一発逆転に縋るようにしか聞こえんな!」


分身の俺の余裕を見せた笑いながらの発言に男達が反発しながら返す。


「…見ての通り今はとても受け入れられる状況じゃないんだけど…断った場合は?」

「まあ一騎打ちでも申し入れるかな?俺が勝ったら帝国側には完全退却してもらう」

「一騎打ちだと…?」

「こいつは驚いた…こんな馬鹿が世の中に存在したなんてな…」

「この状況で一騎打ちに持ち込めると思っているのか?」


女の子が警戒しながら断るように呟いて尋ねるので適当な感じで一騎打ちに持って行こうとすると男達が呆れたような反応になった。


「ちょっと待って。なんで私達が負けると思ったの?」

「…え?」

「え?…何かおかしい事言った?」


女の子の確認に分身の俺がマジかよ…と思いながら返すと女の子は不安そうに若干困惑した様子で聞いてくる。


「ちょっと待って、ココって作戦司令部じゃないの?もしかして現状を知らされてない?」

「…どういう事?ちゃんと分かるように説明してくれない?」


分身の俺が意趣返しのように同じ言葉を返して確認すると女の子は馬鹿にされたと感じてイラッときたのか、ちょっとムッとしたように返す。


「銃による攻めが通用しなくなった事の報告は来てる?」

「来てるけど…まさかソレだけで?」

「じゃあ中継基地が三ヶ所破壊された事の報告は?」

「三ヶ所?二ヶ所じゃなくて?」

「そうそう、昨日…日付的には今日?三つ目の中継基地が無くなった」

「なっ…!?」

「なんだと…!?」


分身の俺の確認に女の子が確認し返し、アッチから絡まれるように情報を話すと男達が驚愕した。


「分かる?中継基地を破壊出来ると言うことは、町も海岸の拠点も船も…いつでも破壊出来るって事だよ?」

「なっ…!?」

「た、退路が絶たれ、兵站が切れると…!」

「…じゃあ、なんで初めっからやらなかったの?なんで?」

「…!確かに!」

「いつでもやれるのならば、最初にやらない手は無い…!」


分身の俺が理解させるように言うと男達は狼狽えて慌て始め、女の子が冷静に少し考えて指摘すると男達はハッとした顔で立ち直るような反応をする。


「おおー、やるねぇ…そう簡単には脅しに屈しなかったか」

「そもそも本当にあなたの言った事が出来るのなら、わざわざこんな危険な真似をしてまで降伏勧告に来る必要が無い…つまり、あなたはココで私達に引いてもらわないと苦しい立場にあるって事じゃない?違う?」


分身の俺の嬉しく思って楽しみながらの発言に女の子は意趣返しでもするかのように、予想や想定を話して強気な感じでニヤリと笑いながら確認した。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

生活魔法は万能です

浜柔
ファンタジー
 生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。  それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。  ――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

追放された荷物持ち、スキル【アイテムボックス・無限】で辺境スローライフを始めます

黒崎隼人
ファンタジー
勇者パーティーで「荷物持ち」として蔑まれ、全ての責任を押し付けられて追放された青年レオ。彼が持つスキル【アイテムボックス】は、誰もが「ゴミスキル」と笑うものだった。 しかし、そのスキルには「容量無限」「時間停止」「解析・分解」「合成・創造」というとんでもない力が秘められていたのだ。 全てを失い、流れ着いた辺境の村。そこで彼は、自分を犠牲にする生き方をやめ、自らの力で幸せなスローライフを掴み取ることを決意する。 超高品質なポーション、快適な家具、美味しい料理、果ては巨大な井戸や城壁まで!? 万能すぎる生産スキルで、心優しい仲間たちと共に寂れた村を豊かに発展させていく。 一方、彼を追放した勇者パーティーは、荷物持ちを失ったことで急速に崩壊していく。 「今からでもレオを連れ戻すべきだ!」 ――もう遅い。彼はもう、君たちのための便利な道具じゃない。 これは、不遇だった青年が最高の仲間たちと出会い、世界一の生産職として成り上がり、幸せなスローライフを手に入れる物語。そして、傲慢な勇者たちが自業自得の末路を辿る、痛快な「ざまぁ」ストーリー!

パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す

名無し
ファンタジー
 パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

出来損ないと追放された俺、神様から貰った『絶対農域』スキルで農業始めたら、奇跡の作物が育ちすぎて聖女様や女騎士、王族まで押しかけてきた

黒崎隼人
ファンタジー
★☆★完結保証★☆☆ 毎日朝7時更新! 「お前のような魔力無しの出来損ないは、もはや我が家の者ではない!」 過労死した俺が転生したのは、魔力が全ての貴族社会で『出来損ない』と蔑まれる三男、カイ。実家から追放され、与えられたのは魔物も寄り付かない不毛の荒れ地だった。 絶望の淵で手にしたのは、神様からの贈り物『絶対農域(ゴッド・フィールド)』というチートスキル! どんな作物も一瞬で育ち、その実は奇跡の効果を発揮する!? 伝説のもふもふ聖獣を相棒に、気ままな農業スローライフを始めようとしただけなのに…「このトマト、聖水以上の治癒効果が!?」「彼の作る小麦を食べたらレベルが上がった!」なんて噂が広まって、聖女様や女騎士、果ては王族までが俺の畑に押しかけてきて――!? 追放した実家が手のひらを返してきても、もう遅い! 最強農業スキルで辺境から世界を救う!? 爽快成り上がりファンタジー、ここに開幕!

無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。

さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。 だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。 行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。 ――だが、誰も知らなかった。 ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。 襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。 「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。 俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。 無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!? のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!

もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり
ファンタジー
【書籍化!】第17回ファンタジー小説大賞『癒し系ほっこり賞』受賞作です。 (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~』です) ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。 最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。 この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう! ……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは? *** ゲーム生活をのんびり楽しむ話。 バトルもありますが、基本はスローライフ。 主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。 カクヨム様でも公開しております。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

処理中です...