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青年期 236
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…銃の威力を教えるための実演は終わったので…一旦木人とかを片付けてから少女が居た部屋に戻り、作戦や戦術の話を続ける事に。
「…鉄砲ってのはさっきお姉さんが言った通り意外と制約が多いものでね…火薬なんて濡れたら使いものにならないし、金属が錆びると爆発の力に耐え切れずに暴発して使用者が大怪我したりもする」
「火属性の攻撃魔法も雨中や湿度が高い中では威力や範囲が減衰し、十全な使用は出来ませんものね」
分身の俺がさっきの分身の女性の感想を挙げて銃の問題点を話すと少女は魔道具による魔法を使用した場合を想定して肯定するように返した。
「そこで。風魔法を使える魔法使いを集めて強風を起こしてもらい…場合によっては水魔法の使い手と協力して台風のような風雨を起こして敵の鉄砲の使用率を下げる」
「…そうだね。鉄砲さえ使って来なければ条件は五分だ、今の状況からでも十分反転攻勢に持っていけると思うよ」
分身の俺の具体的な説明に分身の女性が納得して理解したよう肯定する。
「…確かに最初にゼルハイト様の仰られた通りまだ結果は出ておらず過程の段階であられたようですね…自身の経験不足からくる状況判断の甘さに恥じ入るばかりです…」
…分身の俺と女性の話し合いを聞いて何故か少女が反省するように呟く。
「まあ経験不足というよりも俺があえて劣勢に見せかけて敵を誘い込む…っていう際どい策を取ったんだからソコはしょうがない。むしろそこら辺の低脳とは違って直ぐに司令官を変えず、話を聞いて判断してくれるのはとてもありがたい」
分身の俺は笑って少女をフォローするように返した後に適当で曖昧な想定者と比較して持ち上げるように言う。
「普通に引いて待ち構えるだけなら敵が罠や策を警戒するからねぇ…」
「坊ちゃん釣りの戦術とか得意ですもんね…よくそんな紙一重の策を成功させられるものです」
分身の女性が分身の俺の策に賛同するように呟くと分身のお姉さんは安心したように笑いながら呟いて感心するように返す。
「…ではクライン大魔導師、引き続きお願いします」
「あ、はい。分かりました」
少女の安心したような笑顔からの継続の言葉に分身のお姉さんは姿勢を正して返事をした。
「…なあ、あの場では言わなかったけどさ、帝国側の鉄砲の使用率を下げたところで勝てるのかい?そりゃ反転攻勢にはなるだろうけど…もう国土の1/3は帝国の支配下だよ?」
…分身の俺らが退室して現場に戻ろうと城の中庭を歩いていると、分身の女性が不安そうに心配した様子で確認してくる。
「大丈夫大丈夫」
「…本当に?反転攻勢が上手くいって町や村を取り返してもまた兵站を狙われたり夜襲を受ける可能性が高いけど…そこら辺の対策もちゃんとあるのかい?」
分身の俺の楽観的な返事に分身の女性は不安要素を挙げて確認するように尋ねた。
「もちろん。『メテオダイブ』を使う」
「えっ!!??」
「…なんだい?それ」
分身の俺が尚も肯定して返すと分身のお姉さんが驚愕して足を止め、分身の女性は不思議そうな反応をする。
「…つ、ついに使うんですか?アレを」
「そりゃ相手側がルール無用のなんでもありを仕掛けて来たんだ、『なんでもあり』の恐ろしさを教えてあげないと」
「…そのメテオダイブ?ってのは?」
分身のお姉さんの意外そうな感じでの確認に分身の俺がニヤリと笑って理由を話すと…一人蚊帳の外である分身の女性は首を傾げて聞いてきた。
「ドラゴンに変身して成層圏近くまで飛び上がり…そこから音速超えの速度で地面に向かって降下しながら炎を纏ってのボディプレス」
「…な、なんだかとんでもなさそうな技だね…」
分身の俺が技の説明をすると分身の女性は頭の中で想像したのか、少し考えた後に微妙な感じで返す。
「そりゃ十数mから数十mの大きさのドラゴンがマッハ2とか3の速度で地面にぶつかるんだから隕石のごとくえらい事になるよ。ワイバーンの技である空力操作で空気抵抗もゼロに出来るから空気の壁による減衰も無いし」
「…そんな衝撃だと流石のあんたでも死ぬんじゃ…?」
分身の俺の技の軽い解説に分身の女性が微妙な顔で指摘するように呟く。
「当たりどころが悪ければ死ぬかもね。まあ分身でしかやらないから死んでも問題は無いんだけど」
「あ…!!」
「…流石に『酸性雨』や『流星群』とかはしないですよね?よくて『シューティングスター』まで…?」
分身の俺が肯定しながら適当な感じで改善策を教えると分身の女性は目から鱗…みたいな反応をして、分身のお姉さんが困惑したように笑って確認してくる。
「酸性雨?流星群?シューティングスター?あんたいったいどれだけの…?」
「『酸性雨』はスライムの体液を空から撒き散らすだけで、『シューティングスター』はメテオダイブにアダマンタイタンの硬さと重さを足しただけ。『流星群』や『流星雨』はただ分身の数を増やして行うだけの簡単なやつだよ」
「ちなみに『隕石雨』という坊ちゃんが分身を増やしてメテオダイブを行う恐ろしい技もあります」
「え、ええ…」
困惑する分身の女性に分身の俺が説明すると何故か分身のお姉さんも補足し…
ソレを聞いた分身の女性はドン引きしたような反応をしながら呟いた。
「…鉄砲ってのはさっきお姉さんが言った通り意外と制約が多いものでね…火薬なんて濡れたら使いものにならないし、金属が錆びると爆発の力に耐え切れずに暴発して使用者が大怪我したりもする」
「火属性の攻撃魔法も雨中や湿度が高い中では威力や範囲が減衰し、十全な使用は出来ませんものね」
分身の俺がさっきの分身の女性の感想を挙げて銃の問題点を話すと少女は魔道具による魔法を使用した場合を想定して肯定するように返した。
「そこで。風魔法を使える魔法使いを集めて強風を起こしてもらい…場合によっては水魔法の使い手と協力して台風のような風雨を起こして敵の鉄砲の使用率を下げる」
「…そうだね。鉄砲さえ使って来なければ条件は五分だ、今の状況からでも十分反転攻勢に持っていけると思うよ」
分身の俺の具体的な説明に分身の女性が納得して理解したよう肯定する。
「…確かに最初にゼルハイト様の仰られた通りまだ結果は出ておらず過程の段階であられたようですね…自身の経験不足からくる状況判断の甘さに恥じ入るばかりです…」
…分身の俺と女性の話し合いを聞いて何故か少女が反省するように呟く。
「まあ経験不足というよりも俺があえて劣勢に見せかけて敵を誘い込む…っていう際どい策を取ったんだからソコはしょうがない。むしろそこら辺の低脳とは違って直ぐに司令官を変えず、話を聞いて判断してくれるのはとてもありがたい」
分身の俺は笑って少女をフォローするように返した後に適当で曖昧な想定者と比較して持ち上げるように言う。
「普通に引いて待ち構えるだけなら敵が罠や策を警戒するからねぇ…」
「坊ちゃん釣りの戦術とか得意ですもんね…よくそんな紙一重の策を成功させられるものです」
分身の女性が分身の俺の策に賛同するように呟くと分身のお姉さんは安心したように笑いながら呟いて感心するように返す。
「…ではクライン大魔導師、引き続きお願いします」
「あ、はい。分かりました」
少女の安心したような笑顔からの継続の言葉に分身のお姉さんは姿勢を正して返事をした。
「…なあ、あの場では言わなかったけどさ、帝国側の鉄砲の使用率を下げたところで勝てるのかい?そりゃ反転攻勢にはなるだろうけど…もう国土の1/3は帝国の支配下だよ?」
…分身の俺らが退室して現場に戻ろうと城の中庭を歩いていると、分身の女性が不安そうに心配した様子で確認してくる。
「大丈夫大丈夫」
「…本当に?反転攻勢が上手くいって町や村を取り返してもまた兵站を狙われたり夜襲を受ける可能性が高いけど…そこら辺の対策もちゃんとあるのかい?」
分身の俺の楽観的な返事に分身の女性は不安要素を挙げて確認するように尋ねた。
「もちろん。『メテオダイブ』を使う」
「えっ!!??」
「…なんだい?それ」
分身の俺が尚も肯定して返すと分身のお姉さんが驚愕して足を止め、分身の女性は不思議そうな反応をする。
「…つ、ついに使うんですか?アレを」
「そりゃ相手側がルール無用のなんでもありを仕掛けて来たんだ、『なんでもあり』の恐ろしさを教えてあげないと」
「…そのメテオダイブ?ってのは?」
分身のお姉さんの意外そうな感じでの確認に分身の俺がニヤリと笑って理由を話すと…一人蚊帳の外である分身の女性は首を傾げて聞いてきた。
「ドラゴンに変身して成層圏近くまで飛び上がり…そこから音速超えの速度で地面に向かって降下しながら炎を纏ってのボディプレス」
「…な、なんだかとんでもなさそうな技だね…」
分身の俺が技の説明をすると分身の女性は頭の中で想像したのか、少し考えた後に微妙な感じで返す。
「そりゃ十数mから数十mの大きさのドラゴンがマッハ2とか3の速度で地面にぶつかるんだから隕石のごとくえらい事になるよ。ワイバーンの技である空力操作で空気抵抗もゼロに出来るから空気の壁による減衰も無いし」
「…そんな衝撃だと流石のあんたでも死ぬんじゃ…?」
分身の俺の技の軽い解説に分身の女性が微妙な顔で指摘するように呟く。
「当たりどころが悪ければ死ぬかもね。まあ分身でしかやらないから死んでも問題は無いんだけど」
「あ…!!」
「…流石に『酸性雨』や『流星群』とかはしないですよね?よくて『シューティングスター』まで…?」
分身の俺が肯定しながら適当な感じで改善策を教えると分身の女性は目から鱗…みたいな反応をして、分身のお姉さんが困惑したように笑って確認してくる。
「酸性雨?流星群?シューティングスター?あんたいったいどれだけの…?」
「『酸性雨』はスライムの体液を空から撒き散らすだけで、『シューティングスター』はメテオダイブにアダマンタイタンの硬さと重さを足しただけ。『流星群』や『流星雨』はただ分身の数を増やして行うだけの簡単なやつだよ」
「ちなみに『隕石雨』という坊ちゃんが分身を増やしてメテオダイブを行う恐ろしい技もあります」
「え、ええ…」
困惑する分身の女性に分身の俺が説明すると何故か分身のお姉さんも補足し…
ソレを聞いた分身の女性はドン引きしたような反応をしながら呟いた。
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