288 / 480
青年期 224
しおりを挟む
ーーーーー
「…そ、そんな技術が…!?」
「まあおかげで人の7倍以上の努力が出来て、色んな事が出来るようになったんですが」
「な、なるほど…しかし、分身を増やしてまで努力量を増やすとは…並大抵の事ではない…正に常識外れ、規格外にぴったりだな」
分身の俺の話を聞いて驚愕する男に分身の俺が今の強さを手に入れた理由を話すと少し考えるように呟く。
「本当はドッキリを仕掛けたかったんですけど…会った時はそんな雰囲気じゃなかったので」
「観光中とかもそんな雰囲気じゃなかったし、帰る前にやると長引きそうだったので…今ちゃんとした場で話しました」
分身のお姉さんが笑いながら暴露するように話すので分身の俺もこのタイミングで話した理由を告げた。
「…ドッキリとは?」
「えーと…ちょっと目を瞑って貰えますか?」
「分かった」
男の好奇心を出したような問いに分身の俺が指示を出すと男は両手で顔を隠すように覆い、分身の俺は変化魔法を使って分身して男の後ろに待機させる。
「もう良いですよ」
「…ん?おおっ!?」
分身の俺が合図を出すと男が顔を覆っていた手を離すので、分身の俺は後ろから肩を指で叩くと男は振り向いた後に驚く。
「「コレが先生に仕掛けたドッキリです」」
「…な、なるほど…なんの説明も無く初見でやられたら驚くどころの話じゃないな…夢か幻かと勘違いするだろう」
「私も最初はそうでした」
分身の俺は同時にピースしながら言い、やっぱり驚いた様子を見せる男に分身のお姉さんが同意するように返す。
「ややこしいので戻りますけど」
「…今のリデック君は分身で、本体は王都近くの拠点に居ると言っていたが…分身から更に分身を増やせるものなのか?」
分身の俺が一人に戻ると男は少し考えてふと思いついたような疑問を尋ねてきた。
「はい。分身と言っても本体と何一つ変わりませんからね。しいて違いをあげるのならば死んでも問題ない…の一点だけでしょうか」
「…つまり死ななければ見抜けずに分からない、という事か…なんとも素晴らしい技だ」
「坊ちゃんの凄いところはソレを自分自身だけじゃなくて他人にもかけられる…ってトコなんですよね。正直今の私が『分身』という自覚はほとんど無いですし…」
「あ、あたしも。たまに記憶共有とかで記憶や経験が勝手に増えるからちょっと変な気分になる時も一瞬あるけど、慣れたらそうでもないし」
分身の俺は肯定しながら無理やり相違点を挙げると男が感嘆するように呟き、分身のお姉さんが微妙な顔をしながら経験談を話すと分身のお姉さんも賛同する。
「まあ他人に分身をかけると流石に欠点というか、問題点がいくつか出てきますが…」
「ほう?流石にこの世において完全無欠の技など存在しない…か」
「残念ながら」
分身の俺の軽い説明に男が考えながらため息を吐くように呟くので分身の俺も同意するように返す。
「欠点なんてあったのかい?そんな感じには思えないけど…」
「魔力が半分になる事と、分身の解除は使用者しか行えない事、あと魔力の無い一般人には分身がかけられない事…だね」
「ああ、なるほど」
不思議そうな顔で尋ねる分身の女性に今のところ判明してるだけの問題点を教えると納得したような反応をした。
「…ならば俺には無理、という事か…」
「ああ…魔力ありませんもんね」
男の落胆したような呟きに分身のお姉さんはあえて合わせてあげるように返す。
「まあそれが今や技術の進歩のおかげで可能になってるんですよねー、これが」
「…なに?」
「『魔道具』という特殊な道具を使う事で魔力の無い人間はもちろん、馬や動物にも使用者が変化魔法を持続させずとも勝手に維持してくれる…という素晴らしい事が出来るようになりました」
「な…!なんだと…!?」
「あ、勿体ぶらずに話すんですね」
分身の俺が限定的に可能な事を教えると男が驚愕し、分身のお姉さんは意外そうに言う。
「まあでも不思議なのが変化魔法を他人にかける際には使用者…つまり自分が魔力を消費するのに対し、かけた後はかけられる側…例えば先生だとすると、変身を維持するために先生の魔力が勝手に消費させられていくんですよね…」
「「…どういう事だ(い)?」」
「変化魔法は特殊な魔法ですからねぇ…弱体魔法でも持続させるには使用者の魔力を消費し続けるのであって、かけられた側の魔力が消費される事はないんですけど…」
分身の俺は説明する前に変化魔法の謎と疑問を話すと男と分身の女性の不思議そうな反応が被り、分身のお姉さんも未だにその謎が解明されていない事を告げる。
「それはともかく、『理論上は』分身をかける相手に魔力の有無は関係無いハズなんですが…何故か魔力の無い相手には分身がかけられないんですよ、不思議な事に。変化自体はさせられるんですが」
「……それは確かに不思議だな。矛盾しているようで、理にかなっていない気もするが…」
分身の俺が話を進めると男は意外とちゃんと理解出来ているように同意した。
「そこで、魔道具を使って対象に魔力を帯びさせる事でその魔力を半分にして分身をかける…という方法が使えるようになります。ちなみに魔力は極小でも全く問題ありませんでした」
「「…!なるほど!」」
分身の俺の解説に男と分身のお姉さんが同時に理解出来たのか反応が被る。
「…そ、そんな技術が…!?」
「まあおかげで人の7倍以上の努力が出来て、色んな事が出来るようになったんですが」
「な、なるほど…しかし、分身を増やしてまで努力量を増やすとは…並大抵の事ではない…正に常識外れ、規格外にぴったりだな」
分身の俺の話を聞いて驚愕する男に分身の俺が今の強さを手に入れた理由を話すと少し考えるように呟く。
「本当はドッキリを仕掛けたかったんですけど…会った時はそんな雰囲気じゃなかったので」
「観光中とかもそんな雰囲気じゃなかったし、帰る前にやると長引きそうだったので…今ちゃんとした場で話しました」
分身のお姉さんが笑いながら暴露するように話すので分身の俺もこのタイミングで話した理由を告げた。
「…ドッキリとは?」
「えーと…ちょっと目を瞑って貰えますか?」
「分かった」
男の好奇心を出したような問いに分身の俺が指示を出すと男は両手で顔を隠すように覆い、分身の俺は変化魔法を使って分身して男の後ろに待機させる。
「もう良いですよ」
「…ん?おおっ!?」
分身の俺が合図を出すと男が顔を覆っていた手を離すので、分身の俺は後ろから肩を指で叩くと男は振り向いた後に驚く。
「「コレが先生に仕掛けたドッキリです」」
「…な、なるほど…なんの説明も無く初見でやられたら驚くどころの話じゃないな…夢か幻かと勘違いするだろう」
「私も最初はそうでした」
分身の俺は同時にピースしながら言い、やっぱり驚いた様子を見せる男に分身のお姉さんが同意するように返す。
「ややこしいので戻りますけど」
「…今のリデック君は分身で、本体は王都近くの拠点に居ると言っていたが…分身から更に分身を増やせるものなのか?」
分身の俺が一人に戻ると男は少し考えてふと思いついたような疑問を尋ねてきた。
「はい。分身と言っても本体と何一つ変わりませんからね。しいて違いをあげるのならば死んでも問題ない…の一点だけでしょうか」
「…つまり死ななければ見抜けずに分からない、という事か…なんとも素晴らしい技だ」
「坊ちゃんの凄いところはソレを自分自身だけじゃなくて他人にもかけられる…ってトコなんですよね。正直今の私が『分身』という自覚はほとんど無いですし…」
「あ、あたしも。たまに記憶共有とかで記憶や経験が勝手に増えるからちょっと変な気分になる時も一瞬あるけど、慣れたらそうでもないし」
分身の俺は肯定しながら無理やり相違点を挙げると男が感嘆するように呟き、分身のお姉さんが微妙な顔をしながら経験談を話すと分身のお姉さんも賛同する。
「まあ他人に分身をかけると流石に欠点というか、問題点がいくつか出てきますが…」
「ほう?流石にこの世において完全無欠の技など存在しない…か」
「残念ながら」
分身の俺の軽い説明に男が考えながらため息を吐くように呟くので分身の俺も同意するように返す。
「欠点なんてあったのかい?そんな感じには思えないけど…」
「魔力が半分になる事と、分身の解除は使用者しか行えない事、あと魔力の無い一般人には分身がかけられない事…だね」
「ああ、なるほど」
不思議そうな顔で尋ねる分身の女性に今のところ判明してるだけの問題点を教えると納得したような反応をした。
「…ならば俺には無理、という事か…」
「ああ…魔力ありませんもんね」
男の落胆したような呟きに分身のお姉さんはあえて合わせてあげるように返す。
「まあそれが今や技術の進歩のおかげで可能になってるんですよねー、これが」
「…なに?」
「『魔道具』という特殊な道具を使う事で魔力の無い人間はもちろん、馬や動物にも使用者が変化魔法を持続させずとも勝手に維持してくれる…という素晴らしい事が出来るようになりました」
「な…!なんだと…!?」
「あ、勿体ぶらずに話すんですね」
分身の俺が限定的に可能な事を教えると男が驚愕し、分身のお姉さんは意外そうに言う。
「まあでも不思議なのが変化魔法を他人にかける際には使用者…つまり自分が魔力を消費するのに対し、かけた後はかけられる側…例えば先生だとすると、変身を維持するために先生の魔力が勝手に消費させられていくんですよね…」
「「…どういう事だ(い)?」」
「変化魔法は特殊な魔法ですからねぇ…弱体魔法でも持続させるには使用者の魔力を消費し続けるのであって、かけられた側の魔力が消費される事はないんですけど…」
分身の俺は説明する前に変化魔法の謎と疑問を話すと男と分身の女性の不思議そうな反応が被り、分身のお姉さんも未だにその謎が解明されていない事を告げる。
「それはともかく、『理論上は』分身をかける相手に魔力の有無は関係無いハズなんですが…何故か魔力の無い相手には分身がかけられないんですよ、不思議な事に。変化自体はさせられるんですが」
「……それは確かに不思議だな。矛盾しているようで、理にかなっていない気もするが…」
分身の俺が話を進めると男は意外とちゃんと理解出来ているように同意した。
「そこで、魔道具を使って対象に魔力を帯びさせる事でその魔力を半分にして分身をかける…という方法が使えるようになります。ちなみに魔力は極小でも全く問題ありませんでした」
「「…!なるほど!」」
分身の俺の解説に男と分身のお姉さんが同時に理解出来たのか反応が被る。
33
お気に入りに追加
1,046
あなたにおすすめの小説

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる