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青年期 151

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「…ほぉ…なるほど…ロムニアではそんな事が…」


俺の話を聞いて男性は面白そうに呟く。


「まさか本当に世界すら支配出来る力が実在するなんて思いもしませんでした。どうせ夢物語だろう…と」

「しかしその生贄…供物として捧げられた少女は鍵と呼ばれるからには何かしらの特異体質であったのだろうか?」

「どうやら魔法適性が一切無い代わりに膨大な魔力を有していたらしいです」

「…なるほど…団長殿、貴殿のように、か?」


俺も面白かった事を伝えるように告げると男性は不思議そうに疑問を聞き…


俺が軽く説明するように答えると男性はイタズラでもするかのような笑みを浮かべて俺を指しながら言う。


「そうですね。俺と同類ではありますが…才能の差、とも言えましょうか…その少女には自分の約5倍。一般魔法使いの平均の50倍ほどの魔力量があったとか」

「50倍…!?それは、なんともまた…」


俺の肯定しながらの詳細に男性は驚いて何も言えないような感じで呟いた。


「相当…稀に見るほどの才能が無ければ持ち得ない量らしいです」

「で、あろうな」

「しかしまだ知られていないだけで世界のどこかには更に倍…もしくは三倍ほどの魔力の持ち主が存在していてもおかしくはないですが」

「ふむ…しかしいくら魔力の量が多いとて適性が無ければ如何ともし難い事じゃないのか?」

「ですね」


俺もお姉さんから聞いた話を男性に話すと納得したように返され…


俺の予想を告げると男性は考えるように魔法適性の重要性を指摘し、俺はソレを身を持って理解しているので肯定する。


「…ふぅむ…ロムニア国内だけではなく、周辺諸国にまで影響を及ぼしそうな難題を解決するとは流石だ」

「ありがとうございます」

「しかし、派閥の一つが崩れたとなるとロムニア国内でも影響は大きいだろうな…うーむ…私ならば直ぐに攻め込んだものを…」


なんとも惜しい…!と、男性は俺の話を聞いた後に過激な事を言い出して悔やむように呟く。


…そんなこんな話は終わったので俺は男性にロムニアのお土産を渡して宿に戻り…


お姉さんと共にお土産探しの観光をする事に。


「…お」

「何かありました?」


街中を散策中に分身が解除されて南の国境付近の出来事を知り、呟くとお姉さんが尋ねてきた。


「どうやらようやく撤退してくれたらしい」

「え?…あー…ようやくですか」


俺の報告にお姉さんは不思議そうな顔をした後に少し考えて理解したように呟く。


「意外とかかったと言うべきか、意外と早かったと言うべきか…」

「交戦はしました?」

「いや、砦までは来なかった。侯爵側の指揮官の手腕が優れてたかもね」

「それか相手側が牽制の意味合いで深く攻めて来なかったか…ですね」


俺が撤退までにかかった期間について呟くとお姉さんが確認するように聞き…適当な予想で味方を褒めたらお姉さんは相手側の思惑を予想するような事を言う。


「ま、なんにせよ俺らが出向く必要が無くなって良かったよ」

「そうですね」

「さーて心配事や不安の種が減ったし、なんか良いお土産はないものかー…っと」


俺は楽観的に返した後に街中を見渡し、見回りながらお土産を探す。



…それから三日後。



団員や馬達の休養も十分にとれたようなので帰国するために男性に挨拶してからラスタに向けて出発する。


「…辺境伯の城塞まで約三日…ってトコかな」

「何も無ければそうですね」

「今まで何も無かったんだから何も無いでしょ」


俺が馬車の中で地図を広げながら期間を予想するとお姉さんがフラグを立てるような事を言い、俺はフラグをへし折るように返す。



…そして更に三日後。



俺ら傭兵団はようやく国境を越えてラスタへと帰国した。


「ふぅ…国内に着くとなんか安心した気持ちになるね」

「あ、分かります。移動中の安全が確保されたような状態なので警戒度が下がりますし」


俺の呟きにお姉さんは同意するかのように理由を話す。


「夕方には辺境伯の居る都市に着くだろうし…拠点まで急いで戻るか、今までみたいに休養してから戻るか…」

「…急いで戻って拠点でゆっくりするか、特に急ぎの用は無いのでゆっくり休養してのんびり戻るか…ですね」

「うん。ソバルツが撤退して行ったから別に南に向かわなくてもいいし」


俺が都市に着いたその後の事を考えながら呟くとお姉さんも考えながら確認するように返し、俺は肯定して理由を告げる。


「…ま、都市に着いた後にみんなに聞けばいっか」

「ですね」


俺は考えるのが面倒になって楽観的に言うとお姉さんの笑いながら賛成した。



「…お」

「…予想通りの時間ですね」


…やはり国内だと道中何も起きずにスムーズに進み、夕方には城塞都市に到着する。


「いやー、久しぶりだなぁ…辺境伯とは拠点で何回も会ってるけど」

「王都に寄る度に遊びに来てるんでしたっけ?」

「そうそう。ドードルが動きを見せないから意外と暇なんだと」


俺が馬車から降りて懐かしむように呟きながらボケを挟むとお姉さんが笑いながら確認してくるので俺は肯定しながら弄るように返す。


「さて…みんなに確認を取ったら宿探しだ」


俺は一旦隊長達を集めてからどうするか尋ね、一応団員達にも確認を取るよう指示を出してからお姉さんと共に宿を探しに行く。
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