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青年期 137

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…それから少し暗くなり始めたぐらいの時間帯に都市へと到着した。


「…あ、団員見習いが二人居てね。…コレで」

「…分かった。二人だな?」

「…お前らか。…通れ」


城門の前でみんなが衛兵達にライセンスを見せて中に入って行くと俺らの番になり…


俺はお姉さんと共にライセンスを見せた後に衛兵の一人に袖の下を渡して少女二人の確認を免除させる。 


「…普通に受け取るんですね…」

「それだけ給料が少ないんじゃない?」


馬車の中に戻るとお姉さんが不正を目の当たりにして微妙な感じで呟き、俺はボケるように返した。


「…そんな事は無いと思いますが…アッチも面倒事を避けたかったんでしょうか?」

「だろうね。何も起きないならそれに越した事はないし」


少しの金で面倒事を回避出来るんならありがたいもんだ…と、俺は適当な感じで話を打ち切るように告げる。


「さーて…宿探し宿探し…っと」

「ココにはどれぐらい滞在するんですか?」


俺が馬車から降りて宿屋を探しながら呟くとお姉さんが期間を尋ねてきた。


「うーん…二週間ぐらいかな?…いや、一月ぐらいは……とりあえず明日決めようか」

「そうですね。特に急ぐ事でもありませんし」


俺は考えながら答えるも時間が経つと気が変わる可能性もあるので決定を先送りにするとお姉さんが賛同するように返す。


「宿を探したら次は飯だね」

「どこかに美味しい店はありませんかね…?」


俺が予定を告げるとお姉さんは宿屋よりも飲食店を探すように辺りを見渡し始める。


「…お。この店なんか雰囲気良さげじゃない?」

「あそこの店も良い感じの雰囲気ですよ」

「…うーん…まあ宿から近い方に行こうか」

「はい」


街中を歩いてると外見や立地的に良さげな店を見つけて聞くとお姉さんも少し先にある店を指差しながら言い、俺はどうしたものか…と考えてそう返した。



…翌日。



「いやー、流石に都市部は賑やかだね」

「そうですね」


朝早くから俺らは都市の観光へと出掛けて食べ歩きしながら街中を回る。


「…今日の昼飯は何にしようかなー…」

「久しぶりにローストビーフが食べたいです」

「お。いいね」


俺が市場を歩いて商品を見ながら昼飯のメニューを考えながら呟くとお姉さんがリクエストしてきて俺も賛同した。


「ロールキャベツとかも最近食べてないような気が…」

「確かに」

「そうなると肉まんも食べたくなりますね…」

「…じゃあ作るだけ作って食べきれない分は夕飯か明日の昼に回そうか」

「はい!良いと思います!」


お姉さんはどんどん食べたい物をリクエストし、俺も食べたくなってきて余った場合の提案をするとお姉さんが嬉しそうに言う。



その翌日。



「…さて、行こうか」

「はい」


修行としてダンジョンに行くために俺とお姉さんは都市を離れ…


近くにある初心者向けのダンジョンへと向かった。


「なんか珍しい魔物は居ないものか…」

「ロムニアなら『トロール』とか『イエティ』といった魔物がいたと思います」

「どっちも中級か…上位種がいれば良いんだけど…」


ダンジョンの第一階層を歩きながら俺が呟くとお姉さんが思い出すように教えてくれ、俺は最下層にいる魔物に期待しながら呟く。


「流石に初心者向けのダンジョンには居ないと思いますよ」

「…だよね。そもそも上位種なんてそうホイホイ見るもんじゃないからなぁ…」

「魔素の濃度が上がらない限りは基本種しか出て来ませんからね」


お姉さんの否定に俺がため息を吐いて諦めるように言うとお姉さんは微妙な感じで笑いながら返す。





ーーーーー





「…うーん…結局居なかったか…」


いつも通り修行しながら最下層に行くも見慣れた魔物しか居ないので俺はガッカリしながら呟いた。


「でもゴーレムは居ましたよ?」

「…ドードルでいっぱい戦ったから特にありがたみはないかな…」

「あー…」


お姉さんのフォローするような確認に俺が微妙な顔をしながら言うとお姉さんは困ったような反応をする。


「…じゃあ帰ろうか」

「はい」


…時計を見ると時間も時間なので、俺はボスとは戦わずに帰る事にした。


「…ん?」

「…あれは…」


…変化魔法でダチョウに変身してのダンジョンからの帰宅途中、軍みたいな兵士達の集まりを発見したので俺は一旦変化魔法を解除して元の姿に戻る。


「…あれ?」

「もしかして…」


兵士達の動向を観察しながら歩いていると…


どうやら俺らと同じ方向に向かって移動してるので俺が察して呟くとお姉さんも俺と同じ予想をしてるかのように呟いた。


「…アレが過激派じゃないといいんだけどな…」

「過激派だったら面倒ですね…と言うか情報漏れてません?」

「いや、ただの偶然じゃない?」


俺の呟きにお姉さんは同意するように呟いた後に少女達を預けてきた男達を疑うように言い、俺は今の時点での判断は早計だと思って否定する。


「…確かに。もしかしたら穏健派の友軍かもしれませんし…」

「それだったら最高なんだけどね。過激派だったら最悪だ」


面倒な事になりそう…と俺はため息を吐いて呟き、気持ち急いで早足で都市へと戻る事に。
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