170 / 480
青年期 106
しおりを挟む
「…あー、えらい目にあった…」
『な…!?』
『え…!?』
『は…!?』
『なに…!?』
『…ありえぬ…!!』
『なんという事じゃ!!』
『そんな事が…!!』
…特に急がなかったので上半身を新しく形成するのに時間がかかり、なんとか元に戻して愚痴ると…
精霊達が信じられないものを見るような目で平然と立ち上がった俺を見る。
「話が違うじゃん。出て来たと同時に殺意マシマシで上半身を消し飛ばされるとか…」
万が一に備えて念の為の保険をしてなかったらそのまま死んでたんですけど?と、俺は不機嫌を隠さず精霊達に嫌味や皮肉を言う。
『…なんだコイツは…人間…では無いのか…?いやしかし…』
『…たかが愚物と侮っていたか…よもや加護も無い魔力の質も量も塵に等しい下等生物如きが我の罰を受けて生き残ろうとは…』
鬼が疑惑の目を俺に向けながら呟くと精霊王はまるで品定めでもするかのように俺を見ながら認識を改めるかのように呟いた。
『よかろう。褒美として特別に対価無しでも話を聞いてやろうではないか。さあ用件を告げよ』
「そりゃ契約よ。するの?しないの?」
『…ふむ…そこに転がっている塊全てを合わせて一年…といったところか』
精霊王の偉そうな態度での催促に流石の俺も問答無用で殺しにかかる相手には敬意は払えないので…
不機嫌のまま急かすように確認すると精霊王は地面に置かれてる魔石を見ながら期間を提示する。
「これだけで一年か…よく考えたら他の精霊達はどれくらいの期間なの?聞くの忘れてたけど」
『む…そう言えば告げるのを忘れていたな…我々高位精霊は5年だ』
『妾ら上位精霊も5年じゃ』
俺が考えながらふと思いついた疑問を聞くと鬼は意外そうに呟いて他の精霊達のも纏めて契約期間を教えてくれ、美女も同じように教えてくれた。
「へー、結構長いんだな」
『それだけの価値がある対価だという事だ』
「ふーん…じゃあその契約期間って延長する事も出来るの?」
『契約期間が満了して契約が終了した直後にまた契約を結び直して延長…という形でしか行った事はないが…主ならばその魔石とやらを対価に、例外も例外…異例も異例、長い時を存在してる我らでさえ初めてとなる事前延長が可能であろう』
鬼の発言に俺が疑問を聞くと鬼は分かりやすく丁寧に解説や説明をしてくれる。
『ちなみに私達上位精霊ならその中の一つで更に5年延長…10年の契約期間になるわよ』
『僕ら上位精霊なら一つにつき一年かな』
『うむ。それが妥当だろう』
少女の補足に美人さんも教えてくれ、美女が同意するように言う。
「へー…じゃあこのドラゴンの魔石ならどれくらいになりそう?」
『そ…!そのような物まで…!?』
『…なんという密度…!一体どれほどの質を有しているのか…想像もつかん…!』
『ほお…!ソレならば一つで一年の契約が可能だな』
俺が魔石の中でもかなり価値が高い物を取り出して見せると鬼や小人が驚き、精霊王も驚きながら意外そうに期間を提示した。
『…我々高位精霊なら70年ほど期間が延長出来よう』
『そうだね。アレなら…!』
『僕ら上位精霊だと50年かな』
『うむ。…人間で例えるならば垂涎もの…喉から手が出るほど、だったか…先に見せてれば妾達の対応も変わっていたものを…』
女性の発言に少女が同意し、美人さんも期間を提示すると美女が同意しながら魔石を食い入るように凝視しながら呟く。
「…そういや長期間の契約を結んだとして、その期間内に俺が死んだ場合はどうなるの?普通に契約が切れてお終い?」
『いつも通りの契約ならそうなるな』
『だけど今回のような長期間の場合は話が違ってくるの』
『もし主が早期に死ねば残った期間の契約は後継者へと引き継がれる。後継者を選んでいない場合や先に死している場合はもっとも近い血縁へと引き継がれる事となる』
『そして後継者や親兄弟といった血縁が居なくなった場合のみ、余った期間の引き継ぎが履行されずに契約が破棄されるのじゃ』
俺がふとした疑問を聞くと…よほどこの魔石が欲しいのか、精霊達が分かりやすく丁寧に説明し始める。
「…なるほど。じゃあ例えば俺と50年の契約を結んだとして、俺が一年ぐらいで死ねば残りの49年は家族の誰かに契約が移るって事でしょ?」
『うむ』
『そうだ』
『そう』
『その通り』
『その認識で間違いない』
俺の確認に精霊達は結構な食い気味で肯定した。
「そりゃいいや。今はコレ一個しかないんだけど…後から集めて来るから数が揃ったら契約の延長をお願いしても良い?」
『うむ!』
『勿論じゃ!』
『うん!』
『分かった!』
『願ってもない!』
『約束ぞ!』
『絶対だからね!』
『ふっ…よかろう。契約だ』
俺が納得して確認すると精霊達も了承し…精霊王が笑って俺を指差す。
…すると俺の全身を覆うほどの魔法陣が現れた思えば直ぐに消え、ドラゴンの魔石が粒子状になって消える。
『あ!抜け駆けだ!』
『狡いぞ!』
『いくら精霊王とはいえ今のような抜け駆けは容認出来ぬぞ!』
『全くじゃ!返せ!』
『ふはは、何と言おうがもはや後の祭りだ。中々に質の良い魔力だったぞ。そこそこは満足出来たか』
精霊王は精霊達に糾弾されるように非難を受けるが得意気に笑って流し、煽るように感想を言う。
『な…!?』
『え…!?』
『は…!?』
『なに…!?』
『…ありえぬ…!!』
『なんという事じゃ!!』
『そんな事が…!!』
…特に急がなかったので上半身を新しく形成するのに時間がかかり、なんとか元に戻して愚痴ると…
精霊達が信じられないものを見るような目で平然と立ち上がった俺を見る。
「話が違うじゃん。出て来たと同時に殺意マシマシで上半身を消し飛ばされるとか…」
万が一に備えて念の為の保険をしてなかったらそのまま死んでたんですけど?と、俺は不機嫌を隠さず精霊達に嫌味や皮肉を言う。
『…なんだコイツは…人間…では無いのか…?いやしかし…』
『…たかが愚物と侮っていたか…よもや加護も無い魔力の質も量も塵に等しい下等生物如きが我の罰を受けて生き残ろうとは…』
鬼が疑惑の目を俺に向けながら呟くと精霊王はまるで品定めでもするかのように俺を見ながら認識を改めるかのように呟いた。
『よかろう。褒美として特別に対価無しでも話を聞いてやろうではないか。さあ用件を告げよ』
「そりゃ契約よ。するの?しないの?」
『…ふむ…そこに転がっている塊全てを合わせて一年…といったところか』
精霊王の偉そうな態度での催促に流石の俺も問答無用で殺しにかかる相手には敬意は払えないので…
不機嫌のまま急かすように確認すると精霊王は地面に置かれてる魔石を見ながら期間を提示する。
「これだけで一年か…よく考えたら他の精霊達はどれくらいの期間なの?聞くの忘れてたけど」
『む…そう言えば告げるのを忘れていたな…我々高位精霊は5年だ』
『妾ら上位精霊も5年じゃ』
俺が考えながらふと思いついた疑問を聞くと鬼は意外そうに呟いて他の精霊達のも纏めて契約期間を教えてくれ、美女も同じように教えてくれた。
「へー、結構長いんだな」
『それだけの価値がある対価だという事だ』
「ふーん…じゃあその契約期間って延長する事も出来るの?」
『契約期間が満了して契約が終了した直後にまた契約を結び直して延長…という形でしか行った事はないが…主ならばその魔石とやらを対価に、例外も例外…異例も異例、長い時を存在してる我らでさえ初めてとなる事前延長が可能であろう』
鬼の発言に俺が疑問を聞くと鬼は分かりやすく丁寧に解説や説明をしてくれる。
『ちなみに私達上位精霊ならその中の一つで更に5年延長…10年の契約期間になるわよ』
『僕ら上位精霊なら一つにつき一年かな』
『うむ。それが妥当だろう』
少女の補足に美人さんも教えてくれ、美女が同意するように言う。
「へー…じゃあこのドラゴンの魔石ならどれくらいになりそう?」
『そ…!そのような物まで…!?』
『…なんという密度…!一体どれほどの質を有しているのか…想像もつかん…!』
『ほお…!ソレならば一つで一年の契約が可能だな』
俺が魔石の中でもかなり価値が高い物を取り出して見せると鬼や小人が驚き、精霊王も驚きながら意外そうに期間を提示した。
『…我々高位精霊なら70年ほど期間が延長出来よう』
『そうだね。アレなら…!』
『僕ら上位精霊だと50年かな』
『うむ。…人間で例えるならば垂涎もの…喉から手が出るほど、だったか…先に見せてれば妾達の対応も変わっていたものを…』
女性の発言に少女が同意し、美人さんも期間を提示すると美女が同意しながら魔石を食い入るように凝視しながら呟く。
「…そういや長期間の契約を結んだとして、その期間内に俺が死んだ場合はどうなるの?普通に契約が切れてお終い?」
『いつも通りの契約ならそうなるな』
『だけど今回のような長期間の場合は話が違ってくるの』
『もし主が早期に死ねば残った期間の契約は後継者へと引き継がれる。後継者を選んでいない場合や先に死している場合はもっとも近い血縁へと引き継がれる事となる』
『そして後継者や親兄弟といった血縁が居なくなった場合のみ、余った期間の引き継ぎが履行されずに契約が破棄されるのじゃ』
俺がふとした疑問を聞くと…よほどこの魔石が欲しいのか、精霊達が分かりやすく丁寧に説明し始める。
「…なるほど。じゃあ例えば俺と50年の契約を結んだとして、俺が一年ぐらいで死ねば残りの49年は家族の誰かに契約が移るって事でしょ?」
『うむ』
『そうだ』
『そう』
『その通り』
『その認識で間違いない』
俺の確認に精霊達は結構な食い気味で肯定した。
「そりゃいいや。今はコレ一個しかないんだけど…後から集めて来るから数が揃ったら契約の延長をお願いしても良い?」
『うむ!』
『勿論じゃ!』
『うん!』
『分かった!』
『願ってもない!』
『約束ぞ!』
『絶対だからね!』
『ふっ…よかろう。契約だ』
俺が納得して確認すると精霊達も了承し…精霊王が笑って俺を指差す。
…すると俺の全身を覆うほどの魔法陣が現れた思えば直ぐに消え、ドラゴンの魔石が粒子状になって消える。
『あ!抜け駆けだ!』
『狡いぞ!』
『いくら精霊王とはいえ今のような抜け駆けは容認出来ぬぞ!』
『全くじゃ!返せ!』
『ふはは、何と言おうがもはや後の祭りだ。中々に質の良い魔力だったぞ。そこそこは満足出来たか』
精霊王は精霊達に糾弾されるように非難を受けるが得意気に笑って流し、煽るように感想を言う。
24
お気に入りに追加
882
あなたにおすすめの小説
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
クラスまるごと異世界転移
八神
ファンタジー
二年生に進級してもうすぐ5月になろうとしていたある日。
ソレは突然訪れた。
『君たちに力を授けよう。その力で世界を救うのだ』
そんな自分勝手な事を言うと自称『神』は俺を含めたクラス全員を異世界へと放り込んだ。
…そして俺たちが神に与えられた力とやらは『固有スキル』なるものだった。
どうやらその能力については本人以外には分からないようになっているらしい。
…大した情報を与えられてもいないのに世界を救えと言われても…
そんな突然異世界へと送られた高校生達の物語。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる