子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神

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青年期 96

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「貴様…!」

「…なんてことだ…!」


…分身の俺らが村の入口で女性を待ってるとさっきの刺客の男二人が走って来て、分身の俺を見て驚く。


「おや、てっきりそのまま逃げたとばかり思ってたのに…そっちも俺に負けず劣らずの馬鹿だねぇ」

「なんだと…?」

「わざわざ捕まりに来てくれるなんてありがたい限りだよ。探しに行く面倒な手間が省けるし」


分身の俺の挑発に男の一人が困惑したように返し、更に余裕の態度を見せながら挑発を続ける。


「おっと。先に言っとくけど不意打ちするつもりならやめといた方がいいよ。この男みたいにそっちがそのつもりならこっちもそれなりの対応を取るからね」

「「っ…!」」


男達が目配せをしたと同時に分身の俺が先手を打ち、ロープでグルグル巻きに拘束されて地面に転がされてる男を指差しながら警告すると男達は動きを止めて警戒したような顔をした。


「なるべくなら殺したくは無いけど…不意を突かれたら流石に手加減を誤ってつい殺しちゃう可能性もあるからなぁ…」

「刺客相手にそのような配慮は要らないのでは?」

「…まあ嬉々として殺しをやるような外道が相手ならソレでも気が楽なんだけど…本人が望まずに断れない状況でやらざるを得ない感じの場合もあるわけじゃん?ソレだとちょっと後味悪くなるから嫌なんだよね」


まだまだ俺も甘いって事だ。と、分身の俺はため息を吐きながら困ったように笑う分身のお姉さんにそう返す。


「そんなの気にしなければ良いと思いますけど…」

「でもほら、将来『誰々の仇ー!』とかいって襲われると面倒じゃない?」

「それは…そうですが…」


…分身の俺らが会話している最中に襲って来るかと思いきや、隙が見つけられないのかなんなのか…


なぜか男達は臨戦態勢を取って構えたままその場から動こうとしない。


「…おい。俺達と勝負しろ!」

「勝負?」

「そうだ。俺達が勝てば仲間と令嬢を渡せ。負けたら大人しく手を引く」


男の一人が構えを解いて分身の俺がさっき提案した事と同じ提案をしてくる。


「断る。勝敗の条件が釣り合わないし」

「なんだと!?」

「…ならば貴様が勝った場合は何を望む?」


分身の俺の拒否に男が怒るように返すともう一人の男が冷静に尋ねた。


「そりゃ自分の素性とか依頼主とかの情報でしょ」

「…どうする?」

「二人がかりならば負けまい」

「だが…」


分身の俺が勝敗時の条件を話すと男達が話し合いを始める。


「…!もう着いてたのかい!それにその隣のは…!」

「おっ、意外と早かったね」

「本当ですね。まだ50分しか経っていないのに…」


すると女性が良いタイミングでやって来て分身の俺が褒めるように言うと分身のお姉さんも腕時計を見ながら意外そうに呟く。


「…これはどういう状況なんだ?そこの倒れてるのは刺客だろうけど…その二人も?」

「そうそう。今一騎打ちを挑まれて、俺が勝った際の条件を受け入れるかどうかでアッチが悩んでる」

「…なるほど。それは面白そうだ、あたしも混ぜてくれよ」


女性の確認に分身の俺が簡単に経緯と状況を話すと女性はニヤリと笑って参戦してきた。


「別に構わないけど…俺らが負けた場合は令嬢とこの男を引き渡して見逃さないといけないよ?」

「…なんだって?じゃああたしらが勝った場合は?」

「刺客の素性や依頼主の事を話す、っていう情報を求めてる」

「…なるほど」


分身の俺の確認に女性はありえない…といった様子で驚きながら尋ね、分身の俺が交渉中の内容を教えると少し考えて納得したように返す。


「…そちらの条件を呑むためにこちらも条件を追加させてもらう」

「内容は?」

「『仲間と令嬢を引き渡した後に何もせず大人しく見逃す事』だ」

「妥当な線だね。こっちは問題無いよ」


男が交渉するように条件を追加し、分身の俺は内容を聞いて直ぐに了承する。


「お互いに一対一での勝負だ。勝敗が同数の場合にはお互いに代表者での一対一で決着を付ける」

「良いんじゃない?」

「あたしも異論は無いよ」


別の男の説明に分身の俺が了承しながら話を振ると女性も受け入れた。


「では相手を決めよう」

「俺はどっちでも」

「あたしもだ。相手が誰であれ問題は無いからね」


男が話を進め、分身の俺が適当に返すと女性も同意する。


「…ならば俺があの女の相手をする」

「…そうか。女だからといって油断するなよ」

「あたしをそこいらの女と一緒にしたら痛い目を見るよ」


別の男の余り物を取るかのような発言に男が釘を刺すと女性もニヤリと笑いながら警告した。


「さて。じゃあ始めようか」

「このままだと2対2にならないかい?あたしはそれでも構わないが」


分身の俺が開始の合図をすると女性は身の丈ほどもある大斧を取り出して男から目を離さずに聞く。


「…俺はアッチに行く」

「俺は反対側だな」

「じゃ、後で」

「ああ。負けるんじゃないよ」


男達はアイコンタクトをして逃げるように二手に分かれて移動し、分身の俺と女性も分かれてそれぞれの対戦相手を追う。


「…さっさと倒して加勢にいかせてもらう。ルールを明確に決めなかった己を恨め」

「なるほど。面白い…じゃあ時間を稼げば2対1になるわけだ」

「ふふふ…その余裕がいつまで保つかな?」


…そして村から少し離れた所で男が止まり…


分身の俺に向き直りながら言うので分身の俺が女性が負ける前提で返すと男は笑って両手でナイフを逆手に構える。
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