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青年期 77
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その翌日。
日が昇る前から村を出発し、暗くなる前に町へと到着する。
「…そろそろ時期ですね」
宿屋で部屋を取って中に入ると、お姉さんが窓を開けて暗くなった外を見ながら呟く。
「…あー、そっか。そろそろ年が明けるからなぁ…もうそんな時期か」
「急いで王都に向かうか、時期が過ぎるまでこの町に滞在するか…どうするんですか?」
「とりあえず明日隊長達に聞いてみるよ」
俺の思い出しながらの返事にお姉さんは選択肢を挙げて確認してくるので俺は一応隊長達の意見も聞いてみる事に。
「もしかしたら既に起きてる地域もあるかもしれませんよ?」
「…かもね。瞑想中に一瞬だけ気配を感じたし」
お姉さんが警告するように告げ、俺は賛同するようにこの前の体験談を話す。
「やっぱりアレは魔物の気配だったんですか?」
「さあ?でもそろそろ『降魔』の時期ならアレが魔物達でもおかしくは無いと思う」
お姉さんの問いに俺は軽く返して否定はしないような感じで言う。
「でもよく考えたら傭兵団の人達はみんなハンターですし…心配は要らないかもしれませんね」
「魔物狩りが本業だからね」
「いざという時は坊ちゃんが居ますし」
「ははは、任せてよ。分身の命にかけても守ってみせるから」
「…分身って本当に反則技ですね」
お姉さんが杞憂的な言い方をするので俺が相槌を打つように笑って返すと、お姉さんは意地悪するような笑顔で弄るように言い…
俺の笑いながらのジョークでの返事に微妙な感じで笑って返す。
…翌朝、俺は隊長達を招集して今後の予定について話し合う事に。
「おはよう。こんな朝早くから集めて悪いね。そろそろこの国でも時期に入ってくるみたいだから」
「時期…?」
「…『降魔』か」
「ああ。そろそろ年も明けるからなぁ…」
「もうそんな時期か…」
俺が挨拶して軽く謝り、本題の一部を話すと隊長の一人が不思議そうな顔をするも他の隊長の言葉を聞いて納得する。
「空気中の魔素が濃くなる時期はダンジョンから魔物達が出て来ちゃうから、本格的に降魔になる前に移動を済まさないといけないでしょ?」
「なるほど。時期が過ぎるまでこの町に留まるか、時期が来る前に急いで王都に向かうか…という事か」
「確かに降魔に入ると移動中に魔物達に襲われる危険性が出てくるな」
「でも降魔の時期はハンターの稼ぎ時だよ?王都に行けば報酬もいっぱい貰えそうじゃない?」
俺の説明に隊長の二人が考えるように言うと別の隊長が金の話をしながら確認してきた。
「…それもそうだけど…間に合わなかったら面倒でしょ?」
「この町でもある程度は稼げるだろうし…」
「わざわざ無理してまで王都に行く必要は無いんじゃないか?」
「むぅ…みんながそれでいいなら…」
他の隊長達の反論に、提案をした隊長は納得いかなさそうな顔をするも大人しく引き下がる。
「…じゃあ時期が過ぎるまではこの町に滞在してようか」
「そうだな。その方が無難だ」
「わざわざ危険を冒す必要もあるまい」
「ですね」
「うむ」
俺が話をまとめるように言うとお姉さんと隊長達が賛同した。
「…でもよく考えたら僕らがココにいて大丈夫かな?」
「…どういうことだ?」
「だって僕ら傭兵団全員がハンターだからその分ラスタに居るハンターの数が減るじゃない?」
「…そういう事か」
隊長の一人の不安そうな確認に他の隊長が意図を尋ねると説明し始め、別のハンターが理解したように返す。
「正規兵や治安維持部隊も居るから大丈夫でしょ。上級者向けのダンジョンの近くには騎士団を派遣するだろうし」
「…うむ、かなり濃度が上がらない限りは中級の魔物までしか出てこれないだろうからな」
「グリーズベアークラスの魔物が外に出れるほどの濃度になるのも5年とか10年に一度ぐらいらしいからね」
俺が軽い感じで楽観的に『心配無い』と返したら他の隊長も賛同するように言い、別の隊長も乗っかるように言う。
「…それもそうか」
「そーそー。僕らが居なくたって大丈夫だよ。だからこの旅行…旅を思いっきり楽しまないと損だよ」
この機会を逃すと次はいつになるか分からないからね。と、隊長の一人がポジティブな意見を告げる。
「それもそうだ。よーし、気持ちを切り替えて楽しむぞー!」
「おー!」
「あ。…まあいっか」
…隊長の一人は急に気持ちを切り替えて宣言するように言うと、まだ解散を告げていないのに他の隊長達と共に宿屋の食堂から出て行った。
「とりあえず…そんなわけで解散。みんなに伝えておいてね」
「ああ」
「了解だ」
「分かった」
俺は一応ちゃんと団員達にも報告を回すよう告げて解散させる。
「…さーて、本格的に時期に入る前に今の内に準備しとかないと」
「そうですね。時期になるとしばらくの間、流通がストップするので色々と手に入りづらくなりますし」
俺が予定を言ってダンジョン用の回復アイテムや雑貨を買いに行こうとするとお姉さんもついて来た。
「降魔に入ると魔素の関係でダンジョン内の魔物も強くなるというのに、それでもダンジョンに入る命知らずは後を絶たないからな…」
「坊ちゃんもその内の一人じゃないですか。私もですが」
俺の呆れながらの呟きにお姉さんが笑いながらツッコミを入れてくる。
「まあ普段見れないような珍しい魔物とか居たりするし、普通の魔物も強くなってるから戦うと修行感が増すでしょ?」
「この国には絶対に居ない魔物も魔素の関係で出てきますからね…海底ダンジョンでもないのにマーメイドやセイレーンを見た時はびっくりしましたよ」
俺が理由を話すとお姉さんは賛同するかのように昔を思い出しながら笑う。
「…俺らの国とかこの周辺国には海底とか樹海、塔とか火山霊山のダンジョンなんてないからねぇ…」
「希少で特別な特殊ダンジョンですから…そうホイホイ気軽に出て来られたら多分人類はとっくに絶滅してますよ」
「そうかな?」
「みたいですよ。だから降魔のせいでそのダンジョンの周辺には村や集落は作れないとか」
「へー…」
俺の呟きにお姉さんが困ったように笑いながら返し、俺が確認すると肯定しながらその危険度を話すが何度も聞いているので俺は流すように呟いた。
日が昇る前から村を出発し、暗くなる前に町へと到着する。
「…そろそろ時期ですね」
宿屋で部屋を取って中に入ると、お姉さんが窓を開けて暗くなった外を見ながら呟く。
「…あー、そっか。そろそろ年が明けるからなぁ…もうそんな時期か」
「急いで王都に向かうか、時期が過ぎるまでこの町に滞在するか…どうするんですか?」
「とりあえず明日隊長達に聞いてみるよ」
俺の思い出しながらの返事にお姉さんは選択肢を挙げて確認してくるので俺は一応隊長達の意見も聞いてみる事に。
「もしかしたら既に起きてる地域もあるかもしれませんよ?」
「…かもね。瞑想中に一瞬だけ気配を感じたし」
お姉さんが警告するように告げ、俺は賛同するようにこの前の体験談を話す。
「やっぱりアレは魔物の気配だったんですか?」
「さあ?でもそろそろ『降魔』の時期ならアレが魔物達でもおかしくは無いと思う」
お姉さんの問いに俺は軽く返して否定はしないような感じで言う。
「でもよく考えたら傭兵団の人達はみんなハンターですし…心配は要らないかもしれませんね」
「魔物狩りが本業だからね」
「いざという時は坊ちゃんが居ますし」
「ははは、任せてよ。分身の命にかけても守ってみせるから」
「…分身って本当に反則技ですね」
お姉さんが杞憂的な言い方をするので俺が相槌を打つように笑って返すと、お姉さんは意地悪するような笑顔で弄るように言い…
俺の笑いながらのジョークでの返事に微妙な感じで笑って返す。
…翌朝、俺は隊長達を招集して今後の予定について話し合う事に。
「おはよう。こんな朝早くから集めて悪いね。そろそろこの国でも時期に入ってくるみたいだから」
「時期…?」
「…『降魔』か」
「ああ。そろそろ年も明けるからなぁ…」
「もうそんな時期か…」
俺が挨拶して軽く謝り、本題の一部を話すと隊長の一人が不思議そうな顔をするも他の隊長の言葉を聞いて納得する。
「空気中の魔素が濃くなる時期はダンジョンから魔物達が出て来ちゃうから、本格的に降魔になる前に移動を済まさないといけないでしょ?」
「なるほど。時期が過ぎるまでこの町に留まるか、時期が来る前に急いで王都に向かうか…という事か」
「確かに降魔に入ると移動中に魔物達に襲われる危険性が出てくるな」
「でも降魔の時期はハンターの稼ぎ時だよ?王都に行けば報酬もいっぱい貰えそうじゃない?」
俺の説明に隊長の二人が考えるように言うと別の隊長が金の話をしながら確認してきた。
「…それもそうだけど…間に合わなかったら面倒でしょ?」
「この町でもある程度は稼げるだろうし…」
「わざわざ無理してまで王都に行く必要は無いんじゃないか?」
「むぅ…みんながそれでいいなら…」
他の隊長達の反論に、提案をした隊長は納得いかなさそうな顔をするも大人しく引き下がる。
「…じゃあ時期が過ぎるまではこの町に滞在してようか」
「そうだな。その方が無難だ」
「わざわざ危険を冒す必要もあるまい」
「ですね」
「うむ」
俺が話をまとめるように言うとお姉さんと隊長達が賛同した。
「…でもよく考えたら僕らがココにいて大丈夫かな?」
「…どういうことだ?」
「だって僕ら傭兵団全員がハンターだからその分ラスタに居るハンターの数が減るじゃない?」
「…そういう事か」
隊長の一人の不安そうな確認に他の隊長が意図を尋ねると説明し始め、別のハンターが理解したように返す。
「正規兵や治安維持部隊も居るから大丈夫でしょ。上級者向けのダンジョンの近くには騎士団を派遣するだろうし」
「…うむ、かなり濃度が上がらない限りは中級の魔物までしか出てこれないだろうからな」
「グリーズベアークラスの魔物が外に出れるほどの濃度になるのも5年とか10年に一度ぐらいらしいからね」
俺が軽い感じで楽観的に『心配無い』と返したら他の隊長も賛同するように言い、別の隊長も乗っかるように言う。
「…それもそうか」
「そーそー。僕らが居なくたって大丈夫だよ。だからこの旅行…旅を思いっきり楽しまないと損だよ」
この機会を逃すと次はいつになるか分からないからね。と、隊長の一人がポジティブな意見を告げる。
「それもそうだ。よーし、気持ちを切り替えて楽しむぞー!」
「おー!」
「あ。…まあいっか」
…隊長の一人は急に気持ちを切り替えて宣言するように言うと、まだ解散を告げていないのに他の隊長達と共に宿屋の食堂から出て行った。
「とりあえず…そんなわけで解散。みんなに伝えておいてね」
「ああ」
「了解だ」
「分かった」
俺は一応ちゃんと団員達にも報告を回すよう告げて解散させる。
「…さーて、本格的に時期に入る前に今の内に準備しとかないと」
「そうですね。時期になるとしばらくの間、流通がストップするので色々と手に入りづらくなりますし」
俺が予定を言ってダンジョン用の回復アイテムや雑貨を買いに行こうとするとお姉さんもついて来た。
「降魔に入ると魔素の関係でダンジョン内の魔物も強くなるというのに、それでもダンジョンに入る命知らずは後を絶たないからな…」
「坊ちゃんもその内の一人じゃないですか。私もですが」
俺の呆れながらの呟きにお姉さんが笑いながらツッコミを入れてくる。
「まあ普段見れないような珍しい魔物とか居たりするし、普通の魔物も強くなってるから戦うと修行感が増すでしょ?」
「この国には絶対に居ない魔物も魔素の関係で出てきますからね…海底ダンジョンでもないのにマーメイドやセイレーンを見た時はびっくりしましたよ」
俺が理由を話すとお姉さんは賛同するかのように昔を思い出しながら笑う。
「…俺らの国とかこの周辺国には海底とか樹海、塔とか火山霊山のダンジョンなんてないからねぇ…」
「希少で特別な特殊ダンジョンですから…そうホイホイ気軽に出て来られたら多分人類はとっくに絶滅してますよ」
「そうかな?」
「みたいですよ。だから降魔のせいでそのダンジョンの周辺には村や集落は作れないとか」
「へー…」
俺の呟きにお姉さんが困ったように笑いながら返し、俺が確認すると肯定しながらその危険度を話すが何度も聞いているので俺は流すように呟いた。
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