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青年期 74
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「…お」
分身の俺が改造馬に乗って戦場へと戻ると…
敵兵達は撤退している最中で、将軍達の軍勢は城塞都市に向かって移動していた。
「俺も戻るか」
援軍としての役割は十分に果たせたと思うので分身の俺も一足先に城塞へと帰還する。
…その翌日。
なんか拠点を攻めに来た敵対派閥の公爵の兵を退けてこの城塞都市を防衛した事と、将軍の率いる軍勢の帰還の支援をした事で…
なんと!追加報酬として基本報酬の5倍も貰える事になった。
なんでも将軍曰く『当初の考えでは自分が戻って来るまで耐えててくれれば御の字だった。自分が戻って来れば敵は諦めて撤退しただろう』的な事を言ってたが、帰還中に襲撃されて敵の狙いが自分の予想と違っていた事に気付いたらしい。
ソレを俺らが阻止した功績を称えて報酬を増やしてくれるとの事。
ちなみに内通者と工作員の報告もしたので直ぐに対処してくれるんだと。
「よかったですね。坊ちゃん」
「全くだ。ずっと探してた調味料やその製造方法が載ってる本は見つけられたし、変化魔法の使い手とも戦えた…この依頼を受けて本当に良かったよ」
城から兵舎区画に戻る最中にお姉さんが嬉しそうに言うので俺も喜びながら同意する。
「次はどうするんですか?拠点に戻っていつも通りです?」
「うーん…そうだな…帰国するかまだ滞在するか…とりあえずまだ期間があと三日あるんだから考えとく」
「分かりました」
お姉さんの確認に俺が少し考えて悩みながら返すとお姉さんは笑顔で返事をした。
…そして三日後。
「団長殿、この度は本当に助かった。また何かあればよろしく頼む」
「こちらこそ。大量の報酬を貰えて感謝します。しばらくはこの国に滞在するつもりなので、何かあればまたよろしくお願いします」
契約期間が終わったので城で将軍と互いに礼を言い合って握手をして、俺ら傭兵団は城塞都市から出発する。
「ココから王都まで一週間ぐらいですかね?」
「直で目指すならそれぐらいじゃない?」
馬車のベッドの上に座りながらお姉さんが確認するので俺は座禅を組むように座りながら予想を返す。
「でもそんな急ぐ事でも無いし、のんびりと村や町を巡りながら行こうか」
「はい」
俺ら傭兵団はせっかくの機会なので直ぐに国には帰らずにしばらくの間は見聞を広げるために旅行をする事にした。
ーーーーーー
「団長、村に着いた」
「…ん?分かった、ありがとう」
「ん~…意外と早かったですね…」
馬車のドアをノックする団員の報告を聞いて瞑想を止めると外はすっかり暗くなっていて…
ランプの灯りで本を読んでいたお姉さんが背筋を伸ばしながら呟く。
「酒だ!飯だ!」
「おい、娼館はどこだ?一緒に探してくれ」
「おいおい…昨日あれだけヤったのにまだヤりないのかよ」
「都市の女と村や田舎の女は違うんだよ」
俺が馬車から降りると団員達は留守番の部隊を残して飲食店や風俗店を探してみんなそれぞれ行動し始める。
「俺らも飯にしようか」
「はい」
「どこか美味しいところは無いかな~…」
「どこでも変わるまい」
俺の発言にお姉さんが賛同すると集まって来た隊長達も飲食店を探すように周りを見渡す。
「せっかく報酬がいっぱい入ったんだから美味しいところで食べたいでしょ」
「今後の事を考えるなら金は節約した方が良いと思うぞ?」
「使う時に使わないと!そのために稼いでるんだから!」
「…そんなものか?」
…飲食店を探しながら隊長達は価値観の違いから言い合うような感じで会話をする。
「…うわ。うそ…!」
「…どこもかしこも満席だな」
「酒場でも満席とは…出遅れたか」
「えー…もしかして遠くまで行かないといけない感じ…?」
俺らは10分ほど飲食店を探すも先に入った団員や地元住民達でどこもいっぱいで、近くで空いてる店は見つからなかった。
「…しょうがない。俺が作るかな」
「え!やった!いいんですか!?」
「おお!やったー!作ってくれるの!?」
「…これは思わぬ幸運だな」
俺がため息を吐いて自炊を提案するとお姉さんや隊長達が喜び出す。
「宿屋に行って厨房借りるか適当な場所で焚き火おこして簡単に焼くか…」
「今なら宿屋はまだ空いているんじゃないか?」
「団員達は飯を食べていたからな」
「焚き火もいいけど、どうせ後から宿に泊まるんだから宿屋の厨房を借りた方が良いと思う」
「その方が手間は省けますからねぇ」
俺の呟きに隊長達やお姉さんは宿屋の方を勧めてくる。
「…そうだね。じゃあ適当な宿屋を探そうか」
「確かアッチにあったな」
「あそこで見たぞ」
「アッチにもあったような…」
俺がみんなの意見に賛成すると飲食店を探してる時に見かけた宿屋の場所を教えてくるので…
とりあえず厨房を使わせてくれるかどうかを確認しに行く事にした。
分身の俺が改造馬に乗って戦場へと戻ると…
敵兵達は撤退している最中で、将軍達の軍勢は城塞都市に向かって移動していた。
「俺も戻るか」
援軍としての役割は十分に果たせたと思うので分身の俺も一足先に城塞へと帰還する。
…その翌日。
なんか拠点を攻めに来た敵対派閥の公爵の兵を退けてこの城塞都市を防衛した事と、将軍の率いる軍勢の帰還の支援をした事で…
なんと!追加報酬として基本報酬の5倍も貰える事になった。
なんでも将軍曰く『当初の考えでは自分が戻って来るまで耐えててくれれば御の字だった。自分が戻って来れば敵は諦めて撤退しただろう』的な事を言ってたが、帰還中に襲撃されて敵の狙いが自分の予想と違っていた事に気付いたらしい。
ソレを俺らが阻止した功績を称えて報酬を増やしてくれるとの事。
ちなみに内通者と工作員の報告もしたので直ぐに対処してくれるんだと。
「よかったですね。坊ちゃん」
「全くだ。ずっと探してた調味料やその製造方法が載ってる本は見つけられたし、変化魔法の使い手とも戦えた…この依頼を受けて本当に良かったよ」
城から兵舎区画に戻る最中にお姉さんが嬉しそうに言うので俺も喜びながら同意する。
「次はどうするんですか?拠点に戻っていつも通りです?」
「うーん…そうだな…帰国するかまだ滞在するか…とりあえずまだ期間があと三日あるんだから考えとく」
「分かりました」
お姉さんの確認に俺が少し考えて悩みながら返すとお姉さんは笑顔で返事をした。
…そして三日後。
「団長殿、この度は本当に助かった。また何かあればよろしく頼む」
「こちらこそ。大量の報酬を貰えて感謝します。しばらくはこの国に滞在するつもりなので、何かあればまたよろしくお願いします」
契約期間が終わったので城で将軍と互いに礼を言い合って握手をして、俺ら傭兵団は城塞都市から出発する。
「ココから王都まで一週間ぐらいですかね?」
「直で目指すならそれぐらいじゃない?」
馬車のベッドの上に座りながらお姉さんが確認するので俺は座禅を組むように座りながら予想を返す。
「でもそんな急ぐ事でも無いし、のんびりと村や町を巡りながら行こうか」
「はい」
俺ら傭兵団はせっかくの機会なので直ぐに国には帰らずにしばらくの間は見聞を広げるために旅行をする事にした。
ーーーーーー
「団長、村に着いた」
「…ん?分かった、ありがとう」
「ん~…意外と早かったですね…」
馬車のドアをノックする団員の報告を聞いて瞑想を止めると外はすっかり暗くなっていて…
ランプの灯りで本を読んでいたお姉さんが背筋を伸ばしながら呟く。
「酒だ!飯だ!」
「おい、娼館はどこだ?一緒に探してくれ」
「おいおい…昨日あれだけヤったのにまだヤりないのかよ」
「都市の女と村や田舎の女は違うんだよ」
俺が馬車から降りると団員達は留守番の部隊を残して飲食店や風俗店を探してみんなそれぞれ行動し始める。
「俺らも飯にしようか」
「はい」
「どこか美味しいところは無いかな~…」
「どこでも変わるまい」
俺の発言にお姉さんが賛同すると集まって来た隊長達も飲食店を探すように周りを見渡す。
「せっかく報酬がいっぱい入ったんだから美味しいところで食べたいでしょ」
「今後の事を考えるなら金は節約した方が良いと思うぞ?」
「使う時に使わないと!そのために稼いでるんだから!」
「…そんなものか?」
…飲食店を探しながら隊長達は価値観の違いから言い合うような感じで会話をする。
「…うわ。うそ…!」
「…どこもかしこも満席だな」
「酒場でも満席とは…出遅れたか」
「えー…もしかして遠くまで行かないといけない感じ…?」
俺らは10分ほど飲食店を探すも先に入った団員や地元住民達でどこもいっぱいで、近くで空いてる店は見つからなかった。
「…しょうがない。俺が作るかな」
「え!やった!いいんですか!?」
「おお!やったー!作ってくれるの!?」
「…これは思わぬ幸運だな」
俺がため息を吐いて自炊を提案するとお姉さんや隊長達が喜び出す。
「宿屋に行って厨房借りるか適当な場所で焚き火おこして簡単に焼くか…」
「今なら宿屋はまだ空いているんじゃないか?」
「団員達は飯を食べていたからな」
「焚き火もいいけど、どうせ後から宿に泊まるんだから宿屋の厨房を借りた方が良いと思う」
「その方が手間は省けますからねぇ」
俺の呟きに隊長達やお姉さんは宿屋の方を勧めてくる。
「…そうだね。じゃあ適当な宿屋を探そうか」
「確かアッチにあったな」
「あそこで見たぞ」
「アッチにもあったような…」
俺がみんなの意見に賛成すると飲食店を探してる時に見かけた宿屋の場所を教えてくるので…
とりあえず厨房を使わせてくれるかどうかを確認しに行く事にした。
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