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青年期 18
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「…さて…」
敵兵達が混乱して逃げようとする中、俺は敵大将に刺さってる剣を抜いて変化魔法をかけ…
一旦スライム化させた後に傷口を塞ぎ、変化魔法を解除して止血した。
「おい!誰か!まだ息があるぞ!連れてけ!」
「なんだって!?おい!」
「せめて…!」
俺の指示に敵兵達が味方の兵達よりも早く敵大将に近づくと馬に乗せて急いで撤退して行く。
…俺が一騎打ちに勝利した事で敵兵達が武器を捨てて逃げに徹するので…
味方の兵達は俺の指示通り包囲を解き、敵兵達が一目散に退却して行く様を見送る。
「いえーい!敵は国境から完全に撤退したから俺らの完全勝利だ!!やったぜ!」
「そうか!」
「そうだな!」
「確かに!」
…敵兵達の姿が完全に見えなくなったところで俺がもう一度勝利を大声で報せると、味方の兵達はワー!ワー!と喜び合って騒がしくなった。
その夜。
宿屋でお姉さんと夕飯を食べていると兵士がやって来て…侯爵からの呼び出しをくらう。
「…こんばんは。お呼びですか?」
デカい家まで出向くとメイドに部屋まで案内されたので俺はドアをノックした後に部屋に入りながら挨拶して用件を尋ねる。
「来たか…報告を聞いたぞ。良くやった。敵を国境まで追い返すどころか完全撤退させたそうじゃないか」
…おっさんは仕事が忙しいのか相変わらず机の上には大量の書類が乗っており、貴族としては有り得ないような…
フォークで刺した肉を食べ、食事をしながら書類にサインをして、更に俺に話しかけてきた。
「…ありがとうございます」
「どうやらお前に全ての兵の指揮権を与えた私の判断は間違ってなかったようだな。予想以上の戦果だ、素晴らしい」
「はあ…」
俺が忙しそうだな…と大変そうに思いながらお礼を言うとおっさんは更に褒めてくる。
「しかしなぜ一騎打ちを?形勢は既に決まっていたにも関わらずわざわざ受けたと聞く。更に何故敵兵を逃した?」
が、おっさんは急に表情を変えて厳しい顔で問い詰めるように…責めるような感じで尋ねてくるので…
「味方の被害を最小限に抑えるため、ですね」
「ほう?」
俺が理由を話すと今度は興味深そうな表情に変わった。
「報告を聞いたのであれば状況を把握しているとは思いますが…あのまま包囲を続けていればいずれ敵は死兵と化して攻めに転じたでしょう。敵将と共に死に物狂いで包囲を突破して逃した可能性もありました」
俺の説明におっさんは食事や書類作業を止め、腕を組んで目を瞑りながら静かに聞く。
「そうなれば味方の死傷者も増え、敵方の生き残りに怨みを植え付ける事になるので次の戦いの時に厄介になります」
「…なるほど。味方の損害を減らすためにわざと逃した…と?」
「はい。それと敵の大将を生かして返す事で次までの準備期間を延ばせるかと」
「…次も考えての事か…分かった。報告ご苦労だったな」
俺が続きを話すと確認を取ってくるので肯定しながら補足するとおっさんは頷きながら呟いて労いの言葉を言う。
「あ、最後に」
「なんだ?」
「敵が捨てて行った武器の回収もさせてありますので少しは備品代の節約にもなってるかもしれません」
「ふ…ははは!面白い!あの戦場においてそこまで考えが回るとはな!流石はゼルハイト家の子息といったところか!」
俺はまだ言ってなかった事を告げるとおっさんが笑いながらなぜか関係ない実家を評価するような事を言い出した。
「どうだ?ウチの騎士団に入らんか?お前ほどの腕なら即騎士団長補佐にでもなれるぞ?」
「…大変ありがたい申し出ですが…今の自分はハンター兼傭兵ですので…」
「そうか…」
まさかの勧誘に俺がやんわりと断るとおっさんは残念そうにアッサリと引き下がる。
「まあ…なんだ。気が変わったらいつでも声をかけてくれ。悪いようにはせんからな」
「ありがとうございます。その折は是非よろしくお願いします。…では」
「うむ。今回の報酬は期待していいぞ」
おっさんの気を遣ったような言葉に俺はお礼と社交辞令を言ってから帰るために挨拶をすると…
おっさんは笑いながら返してくるので俺も笑って軽く頭を下げながら部屋を出て宿屋へと戻った。
敵兵達が混乱して逃げようとする中、俺は敵大将に刺さってる剣を抜いて変化魔法をかけ…
一旦スライム化させた後に傷口を塞ぎ、変化魔法を解除して止血した。
「おい!誰か!まだ息があるぞ!連れてけ!」
「なんだって!?おい!」
「せめて…!」
俺の指示に敵兵達が味方の兵達よりも早く敵大将に近づくと馬に乗せて急いで撤退して行く。
…俺が一騎打ちに勝利した事で敵兵達が武器を捨てて逃げに徹するので…
味方の兵達は俺の指示通り包囲を解き、敵兵達が一目散に退却して行く様を見送る。
「いえーい!敵は国境から完全に撤退したから俺らの完全勝利だ!!やったぜ!」
「そうか!」
「そうだな!」
「確かに!」
…敵兵達の姿が完全に見えなくなったところで俺がもう一度勝利を大声で報せると、味方の兵達はワー!ワー!と喜び合って騒がしくなった。
その夜。
宿屋でお姉さんと夕飯を食べていると兵士がやって来て…侯爵からの呼び出しをくらう。
「…こんばんは。お呼びですか?」
デカい家まで出向くとメイドに部屋まで案内されたので俺はドアをノックした後に部屋に入りながら挨拶して用件を尋ねる。
「来たか…報告を聞いたぞ。良くやった。敵を国境まで追い返すどころか完全撤退させたそうじゃないか」
…おっさんは仕事が忙しいのか相変わらず机の上には大量の書類が乗っており、貴族としては有り得ないような…
フォークで刺した肉を食べ、食事をしながら書類にサインをして、更に俺に話しかけてきた。
「…ありがとうございます」
「どうやらお前に全ての兵の指揮権を与えた私の判断は間違ってなかったようだな。予想以上の戦果だ、素晴らしい」
「はあ…」
俺が忙しそうだな…と大変そうに思いながらお礼を言うとおっさんは更に褒めてくる。
「しかしなぜ一騎打ちを?形勢は既に決まっていたにも関わらずわざわざ受けたと聞く。更に何故敵兵を逃した?」
が、おっさんは急に表情を変えて厳しい顔で問い詰めるように…責めるような感じで尋ねてくるので…
「味方の被害を最小限に抑えるため、ですね」
「ほう?」
俺が理由を話すと今度は興味深そうな表情に変わった。
「報告を聞いたのであれば状況を把握しているとは思いますが…あのまま包囲を続けていればいずれ敵は死兵と化して攻めに転じたでしょう。敵将と共に死に物狂いで包囲を突破して逃した可能性もありました」
俺の説明におっさんは食事や書類作業を止め、腕を組んで目を瞑りながら静かに聞く。
「そうなれば味方の死傷者も増え、敵方の生き残りに怨みを植え付ける事になるので次の戦いの時に厄介になります」
「…なるほど。味方の損害を減らすためにわざと逃した…と?」
「はい。それと敵の大将を生かして返す事で次までの準備期間を延ばせるかと」
「…次も考えての事か…分かった。報告ご苦労だったな」
俺が続きを話すと確認を取ってくるので肯定しながら補足するとおっさんは頷きながら呟いて労いの言葉を言う。
「あ、最後に」
「なんだ?」
「敵が捨てて行った武器の回収もさせてありますので少しは備品代の節約にもなってるかもしれません」
「ふ…ははは!面白い!あの戦場においてそこまで考えが回るとはな!流石はゼルハイト家の子息といったところか!」
俺はまだ言ってなかった事を告げるとおっさんが笑いながらなぜか関係ない実家を評価するような事を言い出した。
「どうだ?ウチの騎士団に入らんか?お前ほどの腕なら即騎士団長補佐にでもなれるぞ?」
「…大変ありがたい申し出ですが…今の自分はハンター兼傭兵ですので…」
「そうか…」
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「まあ…なんだ。気が変わったらいつでも声をかけてくれ。悪いようにはせんからな」
「ありがとうございます。その折は是非よろしくお願いします。…では」
「うむ。今回の報酬は期待していいぞ」
おっさんの気を遣ったような言葉に俺はお礼と社交辞令を言ってから帰るために挨拶をすると…
おっさんは笑いながら返してくるので俺も笑って軽く頭を下げながら部屋を出て宿屋へと戻った。
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