52 / 480
学生期 弐 20
しおりを挟む
「…なるほど、敵対勢力の貴族、王族、指揮官、指導者とかのトップを魔物化させれば組織はガタガタになるし、ソレを繰り返せば国でも潰す事が出来るのか…えっぐぅ…」
「おそらくお嬢さんや坊ちゃまの予想通りの事が歴史上で実際に起こったんでしょう。ですから先人達は後世のために一切の記録や記憶、情報などを消し去ったのだと思います」
俺の困惑しながらの呟きにおじさんは変化魔法の歴史が不自然になってる理由を予想で話した。
「…そう考えたら変化魔法の使い手が嫌われてる理由にも説明がつきますね…」
「一人でもやらかす奴が居たら『みんな出来るんじゃないか?』って使い手が一括りにされちゃいそうだもんなぁ…」
「ですから坊ちゃま、どうかその技は墓まで持って行って下さい。それが国の…世界の安定や平和のためでございます」
お姉さんが納得したように呟くので俺も同意するとおじさんが頭をさげながら諭すように『極技その2』を封印するよう言ってくる。
「そだね。エーデルやリーゼに見せなくて良かったよ」
「まあ、口が堅い身内の者になら使っても大丈夫だとは思いますが…」
「じゃあ私はセーフですね!良かったぁ~」
俺の了承におじさんはダブスタのようにいきなり使用条件の基準を緩くし始め、お姉さんが喜ぶ。
「…それで良いの?」
「ええ。そもそも変化魔法一筋の私でさえ他人に変化魔法をかけるという発想は出てきませんでしたし、もし仮に思いついたとしても技術的に難しいかと思われます」
「つまり『使うなら相手を考えて使え』って事ですね?」
「そういう事です」
俺が確認するとおじさんは肯定しながら理由を話し、お姉さんの要点をまとめた問いに頷きながら返す。
「しかし…坊ちゃまはどのようにしてこのような歴史に葬られた禁忌の技を会得したのですか?並大抵の修行で身につく技術ではないはずですが…」
「えーと…分身が変化魔法を使ってるのを見て『他人にかけられたら面白いな』って」
「なるほど…そんな手が…確かに他人に変化魔法をかけるための初歩段階としては『分身』という選択肢はこれ以上に無いほどの最善の方法ですな。あまりに効率的過ぎる。いや、素晴らしい!」
おじさんの問いに俺が若干困りながら返すと、おじさんは目から鱗…といった感じで驚きながらも興奮しながら褒めてきた。
「…坊ちゃまほどの発想力があれば魔物化した魔法使いさえも元に戻す技術を確立する事が出来そうですな。ぜひとも魔法協会へと入って研究してもらいたい」
「…出来るかな…?多分超難しいと思うよ?」
おじさんが無茶振りのような期待を寄せてくるので俺が難色を示しながら返すと…
「坊ちゃんならきっと出来ますよ!成功すれば二度目の偉業達成ですよ!そこまでいけば今世紀最大の発見と発明を行った偉人として、はるか後世まで名が残るレベルですし!」
お姉さんは嬉しさや喜びが余ったのはめっちゃハイテンションで興奮しながら背中を押してくる。
「…でもソレが出来るようになるには結局また自分が魔物化していく様を見るワケでしょ?完成するまでソレを何回も見るハメになるのはキツイって」
「…分身の魔物化までもを既に試しているんですか!?」
「どうなるか気になったからね。結果、魔物扱いになるから魔石や素材を取れる事が分かったよ」
「…な、なん…と…もはや、私などが理解出来ない次元へと至っているみたいですな…」
俺が断るように手を振りながら言うとおじさんが驚きながら確認し、結果を話すと呆然としたように呟いた。
「…じゃあ私の分身を魔物化させますか?目を瞑っていれば多分大丈夫…?」
「いや、身内が魔物化していくのを見るってのもキツイでしょ。先生は俺や老師が魔物化していくのを冷静に見れる?」
「……そうですね。浅慮でした、すみません」
お姉さんの提案に俺は拒否しながら確認するとお姉さんは想像した後に謝る。
「おそらくお嬢さんや坊ちゃまの予想通りの事が歴史上で実際に起こったんでしょう。ですから先人達は後世のために一切の記録や記憶、情報などを消し去ったのだと思います」
俺の困惑しながらの呟きにおじさんは変化魔法の歴史が不自然になってる理由を予想で話した。
「…そう考えたら変化魔法の使い手が嫌われてる理由にも説明がつきますね…」
「一人でもやらかす奴が居たら『みんな出来るんじゃないか?』って使い手が一括りにされちゃいそうだもんなぁ…」
「ですから坊ちゃま、どうかその技は墓まで持って行って下さい。それが国の…世界の安定や平和のためでございます」
お姉さんが納得したように呟くので俺も同意するとおじさんが頭をさげながら諭すように『極技その2』を封印するよう言ってくる。
「そだね。エーデルやリーゼに見せなくて良かったよ」
「まあ、口が堅い身内の者になら使っても大丈夫だとは思いますが…」
「じゃあ私はセーフですね!良かったぁ~」
俺の了承におじさんはダブスタのようにいきなり使用条件の基準を緩くし始め、お姉さんが喜ぶ。
「…それで良いの?」
「ええ。そもそも変化魔法一筋の私でさえ他人に変化魔法をかけるという発想は出てきませんでしたし、もし仮に思いついたとしても技術的に難しいかと思われます」
「つまり『使うなら相手を考えて使え』って事ですね?」
「そういう事です」
俺が確認するとおじさんは肯定しながら理由を話し、お姉さんの要点をまとめた問いに頷きながら返す。
「しかし…坊ちゃまはどのようにしてこのような歴史に葬られた禁忌の技を会得したのですか?並大抵の修行で身につく技術ではないはずですが…」
「えーと…分身が変化魔法を使ってるのを見て『他人にかけられたら面白いな』って」
「なるほど…そんな手が…確かに他人に変化魔法をかけるための初歩段階としては『分身』という選択肢はこれ以上に無いほどの最善の方法ですな。あまりに効率的過ぎる。いや、素晴らしい!」
おじさんの問いに俺が若干困りながら返すと、おじさんは目から鱗…といった感じで驚きながらも興奮しながら褒めてきた。
「…坊ちゃまほどの発想力があれば魔物化した魔法使いさえも元に戻す技術を確立する事が出来そうですな。ぜひとも魔法協会へと入って研究してもらいたい」
「…出来るかな…?多分超難しいと思うよ?」
おじさんが無茶振りのような期待を寄せてくるので俺が難色を示しながら返すと…
「坊ちゃんならきっと出来ますよ!成功すれば二度目の偉業達成ですよ!そこまでいけば今世紀最大の発見と発明を行った偉人として、はるか後世まで名が残るレベルですし!」
お姉さんは嬉しさや喜びが余ったのはめっちゃハイテンションで興奮しながら背中を押してくる。
「…でもソレが出来るようになるには結局また自分が魔物化していく様を見るワケでしょ?完成するまでソレを何回も見るハメになるのはキツイって」
「…分身の魔物化までもを既に試しているんですか!?」
「どうなるか気になったからね。結果、魔物扱いになるから魔石や素材を取れる事が分かったよ」
「…な、なん…と…もはや、私などが理解出来ない次元へと至っているみたいですな…」
俺が断るように手を振りながら言うとおじさんが驚きながら確認し、結果を話すと呆然としたように呟いた。
「…じゃあ私の分身を魔物化させますか?目を瞑っていれば多分大丈夫…?」
「いや、身内が魔物化していくのを見るってのもキツイでしょ。先生は俺や老師が魔物化していくのを冷静に見れる?」
「……そうですね。浅慮でした、すみません」
お姉さんの提案に俺は拒否しながら確認するとお姉さんは想像した後に謝る。
64
お気に入りに追加
1,046
あなたにおすすめの小説

誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

生活魔法は万能です
浜柔
ファンタジー
生活魔法は万能だ。何でもできる。だけど何にもできない。
それは何も特別なものではないから。人が歩いたり走ったりしても誰も不思議に思わないだろう。そんな魔法。
――そしてそんな魔法が人より少し上手く使えるだけのぼくは今日、旅に出る。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる