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学生期 弐 4
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…そして翌日。
俺がいつものように午前中の授業をサボって修行場所で料理の本を読んでると…
「…坊ちゃん、また授業をサボったんですか?」
またしても朝からお姉さんがやって来る。
「午前中は出る意味が無いからいつもサボってる。午後の授業はちゃんと受けてるけど」
「…料理の本?昨日も思いましたけど…坊ちゃんが料理って珍しいですね」
俺の言い訳を無視するようにお姉さんは俺が読んでる本を見ながら意外そうに聞く。
「ああ…最初は雑で簡単なヤツしか作ってなかったんだけど…エーデルとリーゼに『料理を教えて欲しい』と頼まれてな」
ソレで柄にもなく本格的に料理の勉強をしてるってワケ。と、俺は料理の本を読んでる理由を話した。
「なるほど…だからリーゼ様もあんなに料理が上手なんですね」
「アイツらの上達が早すぎて、教えるためにって俺の方も必死で料理の勉強中だよ。おかげで今は毎日の修行内容に『料理』が増えたし」
「…『部位鍛錬』『柔術』『身体強化鍛錬』『変化魔法』に加えて『料理』って…坊ちゃんその内過労で倒れませんか?大丈夫です?」
納得したようなお姉さんに俺が呆れたように才能の差に言及すると、お姉さんは修行内容に触れながら心配したように確認してくる。
「まあ最近は対策として毎日栄養ドリンクと回復薬を飲んで早めに寝てるから大丈夫」
「坊ちゃんも大変なんですね…じゃあもう最近はダンジョンには行けてないのでは?」
俺が疲労を溜めないための対策を話すとお姉さんが同情したように呟いて尋ねた。
「今週あたり私と一緒に行きます?魔法協会からコレも預かって来てますし」
「なにこれ?…依頼書?」
お姉さんは提案しながら一枚の紙を差し出してくるので俺はソレを受け取って内容に目を通して確認する。
「はい。とある研究でミノタウロスの魔石がどうしても早急に必要になるみたいで…その魔石一つと引き換えに坊ちゃんを『特待生』にするよう学園側と交渉したみたいです」
「へー…その特待生ってのはどんな感じなの?」
お姉さんが依頼書の内容を口頭で説明してくれるので俺は報酬の中身の詳細を聞いた。
「坊ちゃんが卒業するまでの一切の学費を無料にして、特別クラスへの編入が決まるそうです」
「学費ってのは授業料だけ?」
「寮費や食費、生活費も全て含まれるそうですよ」
お姉さんの笑顔での説明に俺が確認すると、どうやら学校生活にかかる費用の全てが無料になるらしい。
「おおー…!半年とか一年じゃなくて『卒業まで』ってのが太っ腹だな」
「それだけミノタウロスの魔石に価値があるって事ですよ。この依頼、受けてくれますか?」
「うーん…学費無料は嬉しいんだけど、別に特別クラスに行きたいワケじゃないしな…今の一般クラスでも何一つ不自由してないし…」
俺が驚きながら言うとお姉さんが嬉しそうに確認してくるが、俺は内容の一部に不満があるので難色を示すと…
「ではクラスはそのままで学費無料だけ…なら、どうでしょう?」
「それなら喜んで受けるかな」
お姉さんはすぐさま内容を修正して聞いてくるので俺はその依頼を快諾する。
「ではいつ行きましょうか?なるべくなら今週中が良いんですが…なにせ協会内の魔石の在庫が枯渇してかなり経ちますから…」
「そういえばコッチに来てからは魔石を家に持って行ってなかったな…」
お姉さんが急かすように予定を聞き、その理由を話すので俺が思い出すように呟きながら魔石の入った袋を出していくと…
「!!??」
お姉さんは声にならないほど驚愕したような反応をみせた。
俺がいつものように午前中の授業をサボって修行場所で料理の本を読んでると…
「…坊ちゃん、また授業をサボったんですか?」
またしても朝からお姉さんがやって来る。
「午前中は出る意味が無いからいつもサボってる。午後の授業はちゃんと受けてるけど」
「…料理の本?昨日も思いましたけど…坊ちゃんが料理って珍しいですね」
俺の言い訳を無視するようにお姉さんは俺が読んでる本を見ながら意外そうに聞く。
「ああ…最初は雑で簡単なヤツしか作ってなかったんだけど…エーデルとリーゼに『料理を教えて欲しい』と頼まれてな」
ソレで柄にもなく本格的に料理の勉強をしてるってワケ。と、俺は料理の本を読んでる理由を話した。
「なるほど…だからリーゼ様もあんなに料理が上手なんですね」
「アイツらの上達が早すぎて、教えるためにって俺の方も必死で料理の勉強中だよ。おかげで今は毎日の修行内容に『料理』が増えたし」
「…『部位鍛錬』『柔術』『身体強化鍛錬』『変化魔法』に加えて『料理』って…坊ちゃんその内過労で倒れませんか?大丈夫です?」
納得したようなお姉さんに俺が呆れたように才能の差に言及すると、お姉さんは修行内容に触れながら心配したように確認してくる。
「まあ最近は対策として毎日栄養ドリンクと回復薬を飲んで早めに寝てるから大丈夫」
「坊ちゃんも大変なんですね…じゃあもう最近はダンジョンには行けてないのでは?」
俺が疲労を溜めないための対策を話すとお姉さんが同情したように呟いて尋ねた。
「今週あたり私と一緒に行きます?魔法協会からコレも預かって来てますし」
「なにこれ?…依頼書?」
お姉さんは提案しながら一枚の紙を差し出してくるので俺はソレを受け取って内容に目を通して確認する。
「はい。とある研究でミノタウロスの魔石がどうしても早急に必要になるみたいで…その魔石一つと引き換えに坊ちゃんを『特待生』にするよう学園側と交渉したみたいです」
「へー…その特待生ってのはどんな感じなの?」
お姉さんが依頼書の内容を口頭で説明してくれるので俺は報酬の中身の詳細を聞いた。
「坊ちゃんが卒業するまでの一切の学費を無料にして、特別クラスへの編入が決まるそうです」
「学費ってのは授業料だけ?」
「寮費や食費、生活費も全て含まれるそうですよ」
お姉さんの笑顔での説明に俺が確認すると、どうやら学校生活にかかる費用の全てが無料になるらしい。
「おおー…!半年とか一年じゃなくて『卒業まで』ってのが太っ腹だな」
「それだけミノタウロスの魔石に価値があるって事ですよ。この依頼、受けてくれますか?」
「うーん…学費無料は嬉しいんだけど、別に特別クラスに行きたいワケじゃないしな…今の一般クラスでも何一つ不自由してないし…」
俺が驚きながら言うとお姉さんが嬉しそうに確認してくるが、俺は内容の一部に不満があるので難色を示すと…
「ではクラスはそのままで学費無料だけ…なら、どうでしょう?」
「それなら喜んで受けるかな」
お姉さんはすぐさま内容を修正して聞いてくるので俺はその依頼を快諾する。
「ではいつ行きましょうか?なるべくなら今週中が良いんですが…なにせ協会内の魔石の在庫が枯渇してかなり経ちますから…」
「そういえばコッチに来てからは魔石を家に持って行ってなかったな…」
お姉さんが急かすように予定を聞き、その理由を話すので俺が思い出すように呟きながら魔石の入った袋を出していくと…
「!!??」
お姉さんは声にならないほど驚愕したような反応をみせた。
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