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学生期 弐 3

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「…あれ?エーデル様とリーゼ様?」

「「あ」」


昼飯の時間に俺達が焚き火で料理を作ってるとまたお姉さんが戻って来る。


「あれ?また来たんだ。先生も食べる?」

「…ココで何を…?」

「俺達いつも昼はココで飯食ってるんだ。自炊の方が安上がりだし」

「いや、兄さんの使ってる素材を考えれば逆に高価なんだけど…」


俺の問いにお姉さんが俺達を見て不思議そうに尋ねるので俺が事情を説明すると弟は否定するように返した。


「坊ちゃんはともかく、エーデル様やリーゼ様もこんな所で?」

「せっかくの兄妹での団欒ですもの、場所は関係ありませんわ」

「リーゼの言う通り、兄さんと一緒に食事できるんなら食堂でも野外でもどこでも構わないからね」


お姉さんが驚いたような確認すると妹は冷たく返し、弟はそんな妹の様子にちょっと困ったような感じで笑いながら賛同する。


「…意外ですね。兄弟仲が良いのは上辺だけで、後継者問題があったので裏ではもっとドロドロギスギスしてるとばかり思ってたんですが…」

「いやいや…確かに分からない事もないけど…他の所はどうか分からないけど、俺らは普通に仲は良いからね?」


お姉さんは驚きながら心外な事を言い出すので俺はキッパリと否定した。


「あ、はは…」

「全く、失礼ですわね。そういうのは当事者の前では言わないのが常識でしてよ」

「あ…はい。…すみません…次から気をつけます」


お姉さんがいつものノリで言ったせいで弟は苦笑いし、妹の呆れながらの注意にお姉さんは反省するように謝る。


「まあまあ、誤解が解けたって事で今回は勘弁してやってくれ」

「…お兄様がそう言うなら…」


雰囲気とか空気が一瞬険悪な感じになったので、俺が宥めるように言うと妹は渋々受け入れたように呟く。


「まあとりあえず…はい」

「あ、ありがとうございます」


俺は雰囲気を変えるように飯ごうのような鍋の中からトングでロールキャベツを掴み、紙皿に盛ってからお姉さんに渡す。


「はい。コレはエーデルとリーゼの分」

「ありがとう」

「ありがとうございます」

「…!美味しい!」


俺が弟と妹の分を紙皿に盛ってから渡すと先に食べ始めたお姉さんが驚きながら感想を言った。


「コレは坊ちゃんが!?」

「いや、リーゼが」

「リーゼ様が!?まさかお料理までこんなにお上手だなんて…!」

「ふふん。このぐらいで驚かれても。あ、美味しい」


お姉さんの確認に俺が否定して返すと驚きながら妹を褒め、妹は得意げに笑いながら自分が作った料理を食べる。


「…リーゼもだいぶ料理が上達したよね。もう僕を越えてるかも」

「かもな。でもお菓子作りの腕はお前の方がリーゼよりもだいぶ上だぞ」

「…いずれソコも兄様を越えてみせます」


弟も料理を食べると負けを認めるかのような事を言い出すので、俺が同意しながら得意分野の違いを話すと妹は負けず嫌いを発揮した。


「ははは、受けて立つよ」

「頑張れよ、リーゼ」

「お兄様!新しいレシピを教えて下さい!」


弟が余裕を出して笑いながら挑戦を受け入れるので俺が応援すると妹は俺に要求してくる。


「何にする?」

「…坊ちゃん料理までするんですか…?」

「一応。少しは」


お菓子のレシピが書かれたノートを取り出して妹に渡すとお姉さんが驚きながら確認するので俺は微妙な感じで肯定した。
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