19 / 22
第1章
ⅩⅤ
しおりを挟む
去るハクリュウ達を見つめて笑い合う、2人の子供がいた
「渡ッタ」
「ウン、渡ッタネ」
「プレゼント、私達カラノ、プレゼント」
「愛子ヘノ、プレゼント」
「カゲツ様、報告」
「ウン、報告」
2人の子供は手を取り合うと一瞬で消えてしまった
その2人を見ていた者がいた
「あれは、カゲツの所の…」
「ああ、あの子達はそうですね。
流石カゲツ様です。プレゼントが神精達とは…」
濡羽色の少年へと翼のある少女は応える
「…それにしても何故貴方は、ノワールの姿をしているのですか?」
「?…ああ、忘れてたよ」
濡羽色の少年は淡く光り、光が収まったときには全く異なる姿をしていた
その姿は、栗色の瞳と髪を持つ少女へと変わっていた
「それで、ノワールの姿になって成果はあったのですか?」
翼のある少女ミアは姿が変わったことに驚くこともなく問いかける
「一応はあったかな?
ハクリュウの神眼が正常に機能していることくらいだけど」
「そうですか?
ハクリュウ様は貴方の名前を言い当てられなかったのでしょう、ラージェ?」
「どうかな、気づいていたかもよ?
何度も名前の部分を見ていたから」
ラージェは先程のハクリュウの様子を思い出すように目を瞑って言った
「それは…喜ばしいことですね。
自らが持つ力を使える様になられれば、シンリ様の心配も少しは減られることでしょう」
「そうだと良いね」
「…」
「…」
「…しかし、ハクリュウ様に痕を残したのはどういう訳ですか?」
ミアは笑顔ながらも凄みがある表情でラージェへと問い掛けた
後ろには般若が包丁を構えている幻影も見える気さえする
それほどにミアの顔は恐かった
ラージェは顔を蒼白くさせミアから目をそらした
「…力加減を間違ったんだ」
「力加減を…
貴方、一時妾の下で力加減の練習をしますか?」
ラージェは頭を勢いよく横に振ったがミアはそんなラージェの頭を鷲掴んだ
「丁度良い機会です。
貴方のバカな部分も全て妾が矯正してあげましょう…ね?」
「……」
「返事は?」
「…はいっ!」
ラージェは勢いよく頭を縦に振った
「では、行きましょうか」
とミアはラージェを鷲掴んでいる手と逆の手で鍵を取り出したかと思うと何もない空中で鍵を回した
するとそこに扉が現れた
ミアはその扉を3回ノックしてから中へと入っていった
もちろんラージェの頭は鷲掴んだままだ
「ラージェ、ノワールにもしっかりご自分で説明なさってくださいね」
「わかったよ……
ミア、優しく教えてよ」
「嫌です」
ミアは笑顔で即答する
「そう、だよね…知ってはいたよ」
ラージェは項垂れながら大人しくミアに引き摺られていった
「渡ッタ」
「ウン、渡ッタネ」
「プレゼント、私達カラノ、プレゼント」
「愛子ヘノ、プレゼント」
「カゲツ様、報告」
「ウン、報告」
2人の子供は手を取り合うと一瞬で消えてしまった
その2人を見ていた者がいた
「あれは、カゲツの所の…」
「ああ、あの子達はそうですね。
流石カゲツ様です。プレゼントが神精達とは…」
濡羽色の少年へと翼のある少女は応える
「…それにしても何故貴方は、ノワールの姿をしているのですか?」
「?…ああ、忘れてたよ」
濡羽色の少年は淡く光り、光が収まったときには全く異なる姿をしていた
その姿は、栗色の瞳と髪を持つ少女へと変わっていた
「それで、ノワールの姿になって成果はあったのですか?」
翼のある少女ミアは姿が変わったことに驚くこともなく問いかける
「一応はあったかな?
ハクリュウの神眼が正常に機能していることくらいだけど」
「そうですか?
ハクリュウ様は貴方の名前を言い当てられなかったのでしょう、ラージェ?」
「どうかな、気づいていたかもよ?
何度も名前の部分を見ていたから」
ラージェは先程のハクリュウの様子を思い出すように目を瞑って言った
「それは…喜ばしいことですね。
自らが持つ力を使える様になられれば、シンリ様の心配も少しは減られることでしょう」
「そうだと良いね」
「…」
「…」
「…しかし、ハクリュウ様に痕を残したのはどういう訳ですか?」
ミアは笑顔ながらも凄みがある表情でラージェへと問い掛けた
後ろには般若が包丁を構えている幻影も見える気さえする
それほどにミアの顔は恐かった
ラージェは顔を蒼白くさせミアから目をそらした
「…力加減を間違ったんだ」
「力加減を…
貴方、一時妾の下で力加減の練習をしますか?」
ラージェは頭を勢いよく横に振ったがミアはそんなラージェの頭を鷲掴んだ
「丁度良い機会です。
貴方のバカな部分も全て妾が矯正してあげましょう…ね?」
「……」
「返事は?」
「…はいっ!」
ラージェは勢いよく頭を縦に振った
「では、行きましょうか」
とミアはラージェを鷲掴んでいる手と逆の手で鍵を取り出したかと思うと何もない空中で鍵を回した
するとそこに扉が現れた
ミアはその扉を3回ノックしてから中へと入っていった
もちろんラージェの頭は鷲掴んだままだ
「ラージェ、ノワールにもしっかりご自分で説明なさってくださいね」
「わかったよ……
ミア、優しく教えてよ」
「嫌です」
ミアは笑顔で即答する
「そう、だよね…知ってはいたよ」
ラージェは項垂れながら大人しくミアに引き摺られていった
0
お気に入りに追加
69
あなたにおすすめの小説
攫われた転生王子は下町でスローライフを満喫中!?
伽羅
ファンタジー
転生したのに、どうやら捨てられたらしい。しかも気がついたら籠に入れられ川に流されている。
このままじゃ死んじゃう!っと思ったら運良く拾われて下町でスローライフを満喫中。
自分が王子と知らないまま、色々ともの作りをしながら新しい人生を楽しく生きている…。
そんな主人公や王宮を取り巻く不穏な空気とは…。
このまま下町でスローライフを送れるのか?
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
異世界ハーレム漫遊記
けんもも
ファンタジー
ある日、突然異世界に紛れ込んだ主人公。
異世界の知識が何もないまま、最初に出会った、兎族の美少女と旅をし、成長しながら、異世界転移物のお約束、主人公のチート能力によって、これまたお約束の、ハーレム状態になりながら、転生した異世界の謎を解明していきます。
神の使いでのんびり異世界旅行〜チート能力は、あくまで自由に生きる為に〜
和玄
ファンタジー
連日遅くまで働いていた男は、転倒事故によりあっけなくその一生を終えた。しかし死後、ある女神からの誘いで使徒として異世界で旅をすることになる。
与えられたのは並外れた身体能力を備えた体と、卓越した魔法の才能。
だが骨の髄まで小市民である彼は思った。とにかく自由を第一に異世界を楽しもうと。
地道に進む予定です。
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる