少年は魔王の第三子です。 ～少年は兄弟の為に頑張ります～

第1章

ⅩⅢ

「おい鴉、お前弟に何やってんだ？」

しかもシンリ様の愛子に
とハーネスの頭を強く握りながら問い掛ける

「すまない。あそこまでするつもりはなかった」

と頭を握るギルに謝罪をする

「まあまあ、良いじゃないかギル」

「しかし兄う、え」

ルカがハーネスを許そうとするのを見て、ギルがそれを止めようとするが、ルカはギルが言い終える前にハーネスが座る場所を殴って破壊した

ハーネスは危険を察知したのか避けて怪我は無かったが、ルカと自分がさっきまでいた所を見て顔面蒼白だ

「ギル、別に話し合わなくても殺せば良いんだよ」

と握った拳を構えたまま笑顔で言う

「…兄上、殺したいのは解りましたけど街を破壊しないで下さい。直すのは俺なんですから」

「うーん、そうだね。鴉くんそこを動かないでね」

と指を鳴らしながら近づき、ハーネスの目の前に来ると大きく拳を振りかぶった

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一方その頃のハクリュウとリオウはーーー

「ハクリュウ様、手をお見せください」

ハクリュウが赤くなった手を、頑なにリオウに見せないため困惑している最中だった

「ハクリュウ様、手を」

「大丈夫…赤、いだけ」

「それでもです。ルカ様とギル様が戻ってくるまでに治して安心させてあげましょう」

とハクリュウの手を取り袖を捲る
するとルカが見たときより悪化して、赤かったのが青黒く変色して腫れていた

「ほら、酷くなっているじゃないですか。
このまま治しますので動かさないで下さいね」

ハクリュウは手を掴まえられ諦めたのかリオウに大人しく手を見せている

「治癒ヒール」

すると手は元のハクリュウの白さを取り戻した

「あり、がとう」

「はい」

「２人、遅い、ね？」

ハクリュウはルカとギルの方を見ながら呟く

「そうですね。何か問題があったのでしょうか？」

「そう、いえば…ギル兄、治癒、使ってた…よね？」

ハーネスの傷を治したときのことを思い出しながら言う

「何かあったのでしょう。さっきの飛竜ワイバーンと氷狼フェンリルの場所で待ってましょうか？」

「うん」

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戻ってルカとギルの方では

「お止めなさい」

翼が生えた少女がルカの殴ろうとしていた手を受け止めていた

「…ミア様、何故止めたのかお聞きしても」