BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第66話 慎太郎のデビュー戦

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メンバープロフィール

篠田 武蔵

星垓高等学校1年
180㎝70kg

誕生日 :11/14
血液型 :A
特徴:やや厳つい風貌。髪型が少し長めの坊主頭なのもあり余計怖く見えるが性格と面倒見の良さが中和している。
男バスの中でははしゃぐメンバーを1歩引いた位置からツッコんだりする役回り。
試合ではヘアバンドを巻く。
特技 :料理(実家が料理店)
趣味 :マンガ集め
得意教科 :数学、物理、化学
苦手教科 :地理
得意なプレイ :ディフェンス
バスケを始めたきっかけ :NBAをテレビで見て
密かな悩み :厳つく、老け顔なので15歳に見られない


ーーーーーーーーーー



ピピーッ!

タイムアウトが開ける。



星垓

G    #15 中山 慎太郎 1年 169㎝
G    #4  新城 敦史  3年 184㎝
G/F  #13 篠田 武蔵  1年 180㎝
F    #11  北条 涼真  1年 187㎝
C    #7 髙木 悠介  3年 198㎝


桐神学園

G    #15 新海 千尋 1年 174㎝
F    #14 櫻田 祥人 1年 184㎝
F    #4  長崎 健正 3年 185㎝
C/F  #5  青木 洸夜 3年 186㎝
C    #7  米田 昌幸 3年 191㎝


村上「星垓はガードを増やしてスモールボールできたか」

山下(スモールとはいっても桐神とあまり変わらないけど…)


涼真「ついに一緒にコートに立ったな」

慎太郎「ほんと、こんなに早く実現するなんてな」

涼真「昔みてえなゲームメイク、期待してるぜ」

慎太郎「とりあえず、、やっとくか?」

慎太郎はニヤリとする。

涼真、頷く。こちらもニヤリ。



第1Q 残り7:26

星垓    6
桐神学園  7



慎太郎、ボールを運ぶ。

慎太郎「一本!」


フロントコートに入り、新海が慎太郎をマークしようと迫ってきたその時。


ビッ!


慎太郎、ドリブルの体勢からノーモーションで鋭いパス。


新海「…え!?」


ボールは高速でリングに向け飛んでいる。
だが、唯一取れそうな位置にいた髙木も含め、敵味方の誰も反応できない。


長崎「パスミスだ!」





次の瞬間。


気がつくとボールがリングを通過している。


リングの真下には、決めた本人、北条涼真が着地。


試合再開からわずか5秒。


会場は、一瞬静まりかえった後どよめきがおこる。


慎太郎が放った、一見無茶苦茶に見える高弾道かつ高速のパス。


髙木の後ろ、涼真だけが反応していた。


逆サイドへ切れると見せかけ、一瞬でマークを振り切り、頭がリングの上に行くほどのジャンプ。


そこから空中でボールを掴んでダンク…
というより、バレーボールのスパイクのような、ハンドボールでゴールを狙うような。

高速のままボールの軌道を変えただけという方が正しいだろうか。


ともかく、通常ではあり得ない速度でリングが射抜かれた。


涼真「慎太郎、グッジョブ!」

慎太郎「涼真!グッジョーブ!」


コート内外で桐神メンバーも星垓メンバーも呆然とする中、当の本人たちは拳を合わせディフェンスに戻る。


武蔵「出たよ…」

同じ中学出身の武蔵は苦笑いしている。


山下「まさか…あんな高難度のコンビプレイを狙って…!?」

村上「高校生どころかプロでもあんなことできるプレイヤー、見たことねえぞ。とんでもねえな」



観客席でこれを見ていたかつてのチームメイト達も苦笑い。


椿「相変わらず『スパルタ』なパスだな慎太郎のやつ」

梅村「でも、欲しいタイミングにドンピシャでくるあのパス、ほんとセンスは抜群だ」

椿「涼真のあの化け物じみた身体能力を最大限に活かせるガードが慎太郎だからな」



桐神メンバー、切り替えてオフェンスに臨む。


新城「ナンバーコール!」


慎太郎「15番新海!」

武蔵「14番櫻田!」

新城「4番長崎!」

涼真「5番青木!」

髙木「7番米田!」



青木が涼真を背負いミドルポストでボールを持つ。


青木(どうする…1対1でこいつを抜く技術は俺にはない…無理に勝負してもこいつのブロックは相当高い)


長崎「青木!出せ!」

長崎がボールを受けに来る。

青木すかさず長崎にパス。


長崎、ドライブからジャンプシュート。
新城もプレッシャーをしっかりかけたが、一瞬だけ長崎のシュートリリースが早かった。


ガッ!


長崎(チッ、ブレたか)


リバウンドは髙木。


髙木から再びボールは慎太郎へ。


マークの新海、同じ轍を踏まぬよう先程よりチェックにくるのが早い。

慎太郎、それを見計らったかのようにいきなりスピードを上げる。
新海をカウンターの要領で抜き去る。

新海「くっ…」
完全に出遅れながらもついていく新海。


長崎「させるか!」


櫻田「先輩!ヘルプに出ちゃダメ…」


櫻田が長崎を制止した時には、慎太郎はパスを出した後。


櫻田「っす…」


ボールは長崎のヘルプでフリーになっていた新城へ。


新城、ノーマークでミドルシュート。


スパッ!


第1Q 残り6:58

星垓    10
桐神学園  7



村上「わずか30秒そこそこで2アシストか」

山下「中山慎太郎…彼もまた素晴らしい逸材ですね」



コートでは、チェックされながら放った櫻田のシュートが落ちる。



山下「流れが…?」

村上「星垓に流れがいってるな」



新城「速攻!」


だが、桐神学園はさすがに簡単に速攻を許さない。


速攻を潰された星垓では、慎太郎が落ち着いてコントロールする。


長崎「ディフェンスでリズムを掴んでいくぞ!しっかりプレッシャー!」


その言葉通り、なかなか簡単に得点させてくれる桐神学園ではない。


髙木から慎太郎へとボールが戻る。


新海、パスにもドライブにも備えた構え。



慎太郎「…」


ビッ!


慎太郎、スリーポイントシュート。


新海「!?」
(このタイミングで…?)

新海、チェックできない。


このシュートが…



スパァッッッ!




第1Q 残り6:29

星垓    13
桐神学園  7



綺麗にリングを射抜いた。



-観客席

椿「うわぁ…やらしいとこで決めるな慎太郎のやつ」

梅村「味方だったら頼もしい奴でしかないけど、今は敵だもんな…」

椿「今のシュートで、慎太郎の得点力もパスもドリブルも警戒しなきゃいけない。
それだけの選択肢があれば当然ディフェンスは迷う…」


コートでは新海がシュートを外す。


慎太郎が再びボールコントロール。

だがマークする新海がどう守ればいいか的を絞れず迷いが見える。



椿「ディフェンスの迷いを慎太郎は見逃さない」


梅村「迷いを生じたディフェンスは、慎太郎の恰好の餌食だ。散々翻弄され、あしらわれる」
(俺も練習で何度やられたか…)


椿「ま、欠点があるとすりゃ、あいつのあの『スパルタな』パスは受け手に相当なレベルが要求されるからな。天才的なカンで瞬時にパスするところを決定してその場所に針の穴を通すようなドンピシャのパス…今の星垓メンバーじゃ取れるのは涼真だけ…武蔵は反応はできるけどまだまだ…って感じかな」



今度は慎太郎が自らドライブ。

新海「ちっ…」


だが、上背こそないものの涼真にも劣らぬスピードを持つ慎太郎。
1度抜かれたらそうそうついていけるものではない。



バスッ!


電光石火のスピードでレイアップを沈める。


慎太郎の投入を境に星垓は押した。


互いに堅守を見せ、この2チームとしてはロースコアとなるも、この序盤、チームをコントロールし引っ張っていたのは他ならぬ慎太郎だった。



ピピーッ!


第1Q終了

星垓    22
桐神学園  13


慎太郎、記念すべきデビュー戦は、第1Q途中から出場し、5得点4アシストで第1Qを終える。



To be continued…
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