BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第63話 負けたくない、負けられない

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メンバープロフィール

北条 涼真

星垓高等学校1年
187㎝79kg

誕生日 :7/18
血液型 :AB
特徴:高身長なのもありスタイルが良い。髪は黒髪で一般的なショートヘア。鼻筋の整ったイケメン。
性格はどちらかと言うと大人しめだが、試合では感情を剥き出しにする事もある。
試合では左肘の辺りにつけたリストバンドがトレードマーク。
かなりの負けず嫌いで、口には出さないがバスケでやられたらそれ以上にやり返さないと気が済まないタイプ。
特技 :特技と言っていいのか不明だが、なんでもそこそここなす器用さ
趣味 :とりあえず身体を動かすことならなんでも
得意教科 :なし(強いて言えば全教科)
苦手教科 :なし
得意なプレイ :速攻からのダンク
バスケを始めたきっかけ :父親と姉達の影響
密かな悩み :筋トレをしているのだが筋肉量と体重がなかなか増えない


ーーーーーーーーーー



一通りアップを終えた星垓メンバー。


新城「よし、ちゃんとストレッチやらエネルギー補給やらしとけよ!」


それぞれ体調を整え、また会場へ。


慎太郎「さーて…試合はどうなってるかな」


慎太郎、一番乗りで会場に足を踏み入れスコアを見る。



第4Q 残り8:42

湘洋大付属  73
東裁大相模  69



慎太郎「おお!ついていってるじゃん!」


湘洋大付属(ユニフォーム白)

G    #6  平井 圭太郎 3年 181㎝
G/F  #7  日下部 亘  3年 185㎝
F    #4  徳山 勝美  3年 192㎝
C/F  #15 織田 雄太  1年 196㎝
C    #5  中西 岳   3年 201㎝


東裁大相模(ユニフォーム紺)

G    #14 椿 拓馬  1年 182㎝
F    #4  阿部 理人 3年 185㎝
F    #8  村越 悠聖 3年 188㎝
C/F  #10 豊橋 怜太 2年 190㎝
C    #15 梅村 聡紀 1年 195㎝



涼真「梅村もコートに戻ってるな」


コートでは湘洋大付属のオフェンス。

湘洋大付属がボールを動かす度に相模のディフェンスも動く。


涼真「すげえな…ディフェンスの乱れが全くない」
(余程、今はチームとして流れがいいんだろうな)


湘洋大付属、徳山のシュートが落ちる。


リバウンドは梅村。


椿がすぐにボールを受ける。


阿部「走れ!」


だがここは王者湘洋大付属。
戻りが早く相模の速攻は止められる。


湘洋大付属のディフェンスは1-3-1のゾーン。
先頭に徳山
中央に中西を配置し、両サイドには平井と日下部。
最後尾には織田を配置。


椿「梅村!」

梅村、頷く。


梅村、ディフェンスの間のミドルポストでポストアップ。

梅村、インサイドに突っ込む。
たちまちディフェンスが梅村に寄ってくる。

梅村(今だ!)

梅村、あえて遠いサイドのコーナーへパス。


そこには完全ノーマークの阿部。


織田、日下部が懸命に追うもシュートは放たれる。


スパァッ!



第4Q 残り8:09

湘洋大付属  73
東裁大相模  72


「ついに相模が湘洋大付属をとらえた!」


だが、この湘洋大付属にとって悪しき流れをこの男が断ち切る。


ダムッ!


織田、196㎝とは思えない速さでドライブ。

ヘルプにきたゾーン中央の梅村と並走。


突如、織田がストップ。

梅村「!?」


梅村、反応できずスペースを作ってしまう。


織田、シュートを構える。


慌ててブロックに行く梅村。


織田(かかった!)


織田、シュートモーションを一度止める。

梅村(しまった…!)


空中で気づくも後の祭り。


織田、梅村にわざとぶつかりながらシュート。




ピピーッ!



スパッ!



第4Q 残り7:57

湘洋大付属  75
東裁大相模  72


審判「ファウル!青(相模)15番!バスケットカウント!ワンスロー!」



しかも…



オフィシャル席に表示されているファウル数は「4」。



梅村、退場にリーチがかかってしまった。



山下「こ、これは…すごいビッグプレイ…」

村上「流れが変わったかもしれんな。それほど相模にとっては痛すぎる」




スパッ!

織田、フリースローも決める。




村上の言った通り、ここから流れが変わる。



相模は湘洋大付属の背中をとらえたと思った矢先の失点、しかも3点プレイというビッグプレイ。そしてルーキーながらエースセンターの梅村が退場にリーチがかかったことも大きい。



スパァッ!



「平井のスリーだぁ!」

「さすが湘洋大付属の正ガード、嫌なところで決めてくる!」



ここから湘洋大付属は相模の得点が止まったのをいいことに一気に連続得点を挙げる。



このまま湘洋大付属が押し切るのかと思われたが…



バスッ!



ピピーッ!


審判「ファウル!白15番織田!バスケットカウント!ワンスロー!」


梅村がゴール下で踏ん張り、織田にやり返す。




スパッ!


決して得意ではないフリースローも決める。


第4Q 残り5:23

湘洋大付属  81
東裁大相模  75



山下「6点差!まだわからない!」

村上「梅村…この試合36点目か…取りまくってるな」



梅村「まだ相模は終わってねえ!」
(負けられない、負けたくない!先輩たちのためにも!)




-関東大会後


練習が再開されるも、いまひとつ練習に身の入らない梅村。


当然、周りからはいぶかしげな目で見られ、非難するようなチームメイトもいた。


そこで阿部や北田、村越といった3年生は梅村を呼び出し事の次第を確かめることにした。


阿部「お前、練習で手を抜くような奴じゃなかっただろ?」

北田「お前がスタメン確定だとでも思ってるのか?」

梅村「…」

梅村は答えない。

村越「北田、それはちょっとキツい言い方だってば。
梅村、何かあるなら言ってみろ。聞いてやる」


梅村「関東予選、本戦は負けたのは俺のせいだと思ってます。
1年だけどスタメンで使ってもらって…でも俺は県の準決勝では湘洋大付属の高さに萎縮した挙句ファウルアウト…。
3位決定戦ではアウトサイドシュートが入らなかったとはいえ、そこをカバーできなかったし…。
本戦では岸が怪我をしていた分も俺がやらなきゃいけなかったのに…」

阿部「…」

北田「…」

村越「…」


梅村「良くないことってのはわかってます、でも思ったんです、俺じゃ勝てないんじゃないかって。
先輩たちと中等部から6年間連携も磨いてきた小林先輩やうちらの1つ上の豊橋さん、先輩たちがスタメンになるべきなんじゃないかって」

北田「なるほどな…」

阿部「…」

村越「…」



しばしの沈黙。


梅村「迷惑かけてすみませんでした。どんな罰でもうけます」


阿部、梅村に軽く脳天チョップ。


梅村「あたっ」


阿部「お前、馬鹿だろ」


梅村「?」


阿部「スタメンどうこうをお前が勝手に決めてるんじゃねえよ!外すんなら監督から言うわ!」


梅村「すみません…」


阿部「こういうのはうだうだ怒っても仕方ねえけど…まずはチームメイト全員に謝れ。
お前のしたことはな、スタメンになりたくとも、ベンチ入りしたくともできなかったメンバーへの侮辱に等しいんだぞ」


梅村「はい、すみませんでした」
梅村は目に涙をためている。


阿部「お前がスタメンなのはな、お前がインサイドにいれば1番勝てると監督や俺たち3年が思ってるからだ。
お前にインサイドを任せたいんだよ」


梅村「!?」


阿部「俺たち3年は最後の1年だ。2度と同じ大会には出られないし、負けたら道は閉ざされる。
それでもお前に託したいって思ったんだよ」


梅村「…はい…」


北田「そういうことだ、それに負けた時の責任まで自分で背負いすぎだ。そういうのは1年お前の仕事じゃなくて俺たち3年の仕事だ」


村越「んなわけで今日からまた頑張ろうな」


梅村「はい!」



この後梅村は相模の部員全員の前で本当に謝った。土下座までして。

そしてそこから、誰よりも早く来て練習に取り組み、みるみるうちに技術もパワーも伸ばしていった。




-時は決勝リーグに戻り…


ドゴォ!


梅村、ファウルを狙ってインサイドに攻め込んできた中西のシュートをブロック。


中西「なっ…!?」
(こいつ…ファウルが怖くねえのか?)


梅村「負けてたまるか!」



阿部「っし!攻めるぞ!」


阿部(頼りにしてるぜ、梅村)




To be continued…
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