BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第39話 成長した星垓

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第1Q 残り9:02

宇治川工業  0
星垓     4


宇治川工業

G    #5  水森 弘樹 3年 177㎝
G    #8  柳田 徹  3年 177㎝
F    #4  尼崎 一正 3年 184㎝
C/F  #11 三上 大吾 2年 188㎝
C    #9  宿沢 哀人 3年 190㎝


星垓

G    #4  新城 敦史 3年 184㎝
G    #10 真田 直斗 2年 183㎝
F    #13 北条 涼真 1年 187㎝
C/F  #9  神崎 健太 2年 190㎝
C    #7  髙木 悠介 3年 198㎝


神崎のレイアップ、涼真のダンクが立て続けに決まり、幸先の良いスタートに成功した星垓。


宇治川工業は水森がゲームコントロールするも、体格の一回り大きい新城のプレッシャーにいいパスをまわせない。

それでも全員で動き、合わせから柳田のシュート。

スパッ!

宇治川工業メンバー「よしよし!ここからだ!」


新城、ゆっくりボールを運ぶ。
新城、ボールを保持しドリブルしたまま動かない。


水森「まさか…ディレイドか?」

24秒タイマー残り10秒
新城がドライブ。

不意を突かれた水森、半身抜かれてついて行く。

新城、ハイポスト付近でジャンプシュート。
水森とインサイドの三上が反応。
ブロックショットに飛ぶ。

新城、シュート体制から空中でパス。
ローポストで神崎が受ける。

神崎、ヘルプに来た宿沢をかわしつつフックシュート…と見せかけ、アウトサイドの涼真にパス。

涼真がボールを受けたのと同時に尼崎がマークに来る。

涼真、フェイクも入れずドライブ。
尼崎、反応するも抜かれる。

三上がヘルプ。
涼真、無理をせずリング付近に緩やかなパス。

三上「しまった…!」

三上、インサイドを開けてしまった。

そこには、神崎がスクリーンで髙木をフリーにしていた。

空中でパスを受けた髙木。


ドッガアアアアアアァ!


アリウープでボースハンドダンク。


村上「おお…」


着地してすぐにディフェンスに戻る星垓メンバー。

髙木「完璧だったぜ涼真」

涼真「うす」


涼真から髙木へのアリウープダンクでチームはノった。

外からは新城と真田が、場合に応じて涼真も外から射抜く。

涼真はオールラウンドに攻めつつ、内外で自在にパスにシュートに活躍。

高木はその恵まれた体躯でインサイドを支配。
神崎は技術としなやかさを駆使し、時にはスクリーンなどで身体を張る。


5人が噛み合った星垓。
その中でもこの試合の主役は…



ドガアアアアアアアァ!

「また13番北条のダンクだ!」

「あれが1年生だと!?」

「いや、あれは去年の全中MVP、北条 涼真だ!」

「星垓はとんでもねえチームになってるぞ!」



ドッガアアアァ!

7番髙木もダンクだ!」

「ゴール下はあいつの天下だ!しかも運動能力やパワーだけじゃねえ!技術もある!」


髙木と涼真の2人だった。


第1Qだけで2人揃って10得点。

星垓は、第1Qでほぼ勝負を決めた。



第1Q終了

宇治川工業  8
星垓     34



-記者席

村上「この短期間で恐ろしい程伸びているな…宇治川工業もいいチームのはずなのだが…とても栃木1位と神奈川2位の試合じゃない…」


第2Q、真田に変えて中澤、神崎に変えて皆藤を投入し、ディフェンス力とリバウンドを強化。

観客「おお!あの5番中澤!すげえディフェンスだ!」

そして新城もディフェンスのギアを上げる。

宇治川工業のガード陣はボールを保持し、苦し紛れのパスをするので精一杯だった。

そのボールを涼真や、皆藤の投入でPFとしてプレイしている髙木がスティール。


村上「髙木…外のディフェンスも上手くなったか…この短期間で」


宇治川工業も意地を見せ得点をあげるが、星垓のディフェンスの前に単発単発に終わってしまい、連続得点がなかなか奪えない。


第2Q途中
新城に変えて武蔵
涼真に変えて真田
髙木に変えて須川

フル出場している選手は既にいない。


村上「星垓は特にガード陣のディフェンスの質が一気に高くなった。そして髙木がフォワードのような動きもするようになってきた。ガード陣は宇治川工業が上だと思っていたがとんでもない。星垓は一段とレベルアップしている。
こりゃひょっとすると…」


第2Qも折り返しに差し掛かり、コートでは既に40点差がついている。


村上「さてと、あっち(久我-深谷)の方を覗いてみるか」


Bコートへ移動する村上。


Bコート

第2Q 残り3:25

久我  25
深谷  34


村上、こちらを見ていた山下を見つけ隣に座る。

村上「どんなゲームになってる?」

山下「ずっとっているんですけど、深谷がジリジリと…」

村上「どういうことだ」

山下「深谷は基本に忠実かつ、地味ながら決めるべきシュートは決めてくる、そんな感じです。
ほら、例えばあのシュート」

背番号6をつけた選手が、ローポストより少しゴールから離れた位置でボールを持ち、シュート。


スパッ!


深谷メンバー「よしよし!いいぞ亀山!」


山下「深谷はああやって難しい位置からでも確実に決めてくるんです。久我は全員がオールラウンダータイプでいいチームなんですが…気づいたら深谷が少しずつリードを広げてきていて…」


深谷はディフェンスもしつこくマークマンにつきまとう。
ディフェンスがスクリーンをかけようと、ファイトオーバー(スクリーンとマークマンの間に入ってスクリーンをかわすこと)やスイッチ(マークマンを入れ替えること)を駆使してしつこくつきまとう。


村上「なるほど…どこもやりにくそうなチームだな」

山下「予選では大型チームなんかにも普通に勝利していますし、粘り強く戦うスタイルは相手に嫌がられそうですね」


前半終了

久我  29
深谷  40


村上「んじゃ、あっち(宇治川工業-星垓)に戻るとするか」

Bコートの前半が終わったのを見届け足早にAコートへ。



Aコート

村上「ははっ…すげえゲームだな」


第2Q 残り2:03

宇治川工業  21
星垓     66


星垓コートには今スタメンが立っている。


涼真、1対1で尼崎を抜く。

尼崎「くっ…」
(ほんとに同じ高校生かよ…!?)


ドガアアアアアアアァ!


星垓メンバー「きたぁ!涼真!」

「これで20得点!」


村上「圧倒的か…」



ピピーッ!


前半終了

宇治川工業  24
星垓     72


村上「あわや50点差…」
(勢いに乗った時の星垓は本物だ。関東大会、制したとしても驚かない)


勝負は決した。

残り時間、控えを投入しつつ時計を減らして行く。


ピピーッ!

審判「試合終了!」

宇治川工業  51
星垓     130


Bコート

試合終了

久我  63
深谷  79


Bトーナメント

Aコート

桐生三  76
千代川  72


Bコート

日本学院  65
昌徳    81






1回戦は全て終わった。
だがここから勝利チームは第5試合、第6試合でベスト4をかけて対戦する。


To be continued…
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