BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第15話 マネージャーを探せ

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涼真「ただいま」

帰ってきた涼真を出迎えたのは若い大人の女性。

「おかえり、大会どうだった?」

涼真「 別に…先輩たちが強いからね。紗香さやか姉こそ大学でバスケどうなのさ」

紗香「ふふん、期待の1年生ルーキーに愚問を」

涼真「とかいっていつも大ポカするくせに。それにレギュラー入りもまだわかんねえだろ?」

紗香「うるさいわね…誰から聞いたのよ」
涼真「朋香ともか姉」
紗香は涼真を睨む。知らん顔の涼真。

そんな会話をしてる間にリビングに入ってくる人影。

「あ、お兄ちゃん帰ってたんだ!ちょうどよかった勉強教えて!」

涼真「萌香もえかか、小6の勉強くらい自分でやれよ」

萌香「違うの!基礎は全然余裕なんだけど、応用系でわかんないのがあるの!お願いお兄ちゃん」

そこにもう1人の人影。
「あ、俺が教えよっか?」

萌香「やだ、涼太兄より涼真兄の方が頭いいし教え方優しいもん、涼太兄ガサツじゃん」

涼太「あーそうですか、じゃあ俺風呂入ってくる」

涼太は行ってしまう。

萌香「お願いお兄ちゃん」

涼真「わかった、風呂入ってからでいいか?試合あったし汗かいてんだよ」

萌香「わかった!部屋で待ってるね」
萌香はとことこと部屋に戻っていく。

涼真「さてと、俺も涼太の後で風呂入ろっかな」

紗香「あ、涼真、お父さんにただいま言った?」

涼真「…まだ」

涼真は居間の隅の仏壇の前に座り手を合わせる。

涼真(親父…やっと高校バスケのスタートラインに立てたよ)

涼真「そういや母さんは?」

紗香「今日も遅くなるってさ」



北条家 家族構成

父(他界)
母・寿美江(48)

長女・朋香(20)大学3年
次女・紗香(18)大学1年
長男・涼真(15)高校1年
次男・涼太(13)中学2年
三女・萌香(11)小学6年




翌日、月曜日
この日は大会翌日のため部活はオフ。

慎太郎「あーもー授業とかめんどくせえ…バスケしてえよ」

涼真「かといって休養日ちゃんとないと筋肉とかだってしっかりつかねえし、そもそも休養とサボりは違うんだぞ」

慎太郎「わかってっけど…」


休み時間、このクラスに友達がいて遊びに来た満月もなんとなく聞き耳をたてる。


武蔵「んなことよりお前…入学してすぐの学力テスト大丈夫だったのかよ」

慎太郎「あーもー思い出させないで」

小笠原「俺もやばかった…スポーツクラスだから大目に見てもらえたけど」

涼真「テストができねーとなんかあんのか?」

武蔵「今はいいけど、期末とかで赤点取ったりすると夏休みが補習で潰れるからインターハイに行かれないなんてことも」

慎太郎「げっ…まじ?」

小笠原「1年で一般クラスの奴らはなかなかみんな頭いいらしいけど…うちらはどうなんだ?」

慎太郎「俺は134位/241人」←一般4クラス、スポーツクラス2クラス全て含む

小笠原「負けた…俺は140位/241人」

武蔵、ため息。

武蔵「お前ら…余裕で赤点圏内なんじゃねえか?」

慎太郎「ちなみに…赤点って何点なん?てかそういうお前らはどうなんだよ?」


武蔵は黙ってテストの成績表を差し出す。


武蔵 23位/241人


慎太郎「はぁ!?」

小笠原「お前…そんな頭よかったの?」

武蔵「ちなみに赤点はうちの高校では40点以下な。てか成績ならもっと上が普通にここにいるけど」

そういって涼真を見る。


涼真 1位/241人


慎太郎「はぁぁあ!?」

小笠原「ま…マジ!?」

武蔵「今更かよ…」


満月、自分の成績表を思い出す。


小早川 満月 11位/241人
満月(わりと上位…よかった…)


やがて、休み時間ということもあり一般クラスから日向、政史、皆藤、佐藤もやってくる。

慎太郎「ところでさ、うちらの代もバスケ部は粒ぞろいだし頑張れば全国も行けたりしそうじゃん?
でも、俺たちには足りないものがあると思うんだ」

佐藤「なんだよ」

慎太郎「ズバリ、マネージャーだよ、俺たちの代だけマネージャーいないだろ?」

政史「お前は女子目当てなだけじゃないのか?」

慎太郎「何が悪い!だって女子マネがいるいないでモチベも変わってくるだろ?スポーツクラスの女子じゃ無理だから一般クラス行って勧誘しようぜ」

皆藤「真面目に聞いてた俺が馬鹿だった」

涼真「いや、でも全国に行って結果出したいと思うなら確かにマネージャーの問題は出てくる。あながち間違った案でもない」

慎太郎「でしょ?という訳でマネージャー探しをしようと思います」

武蔵「やぶから棒に…」


とりあえず、1年生で協力しあってビラ配りをすることになった。
だが。

翔太「だめじゃん」

政史「誰も受け取りやしねえ」

慎太郎「おかしいな…こんだけ女子がいれば1人や2人くらい…」

賢「ってかビラ配りって古典的な…」

佐藤「そうでもねえぞ」
佐藤は別の場所でビラ配りをしている涼真と武蔵を見る。

涼真は大してビラを配っていない。
というか、渡した分のビラがもうないのだ。
周りには大量の女子。

その影響か、一緒に配っている武蔵と小笠原のビラもそこそこなくなっている。


佐藤「どうやらあっちに根こそぎ持ってかれたらしい」

慎太郎「ちっ…相変わらずモテるな涼真は」


ビラ配り後、慎太郎を中心にまたしても作戦会議。

武蔵「涼真がいたからよかったものの、考えてみたら男が揃いも揃って女子にビラなんか配ってたらドン引きじゃね?」

一同「うんうん」

涼真「てかこんなんしなくても、頼れる人がいるじゃねえかよ」



涼真、武蔵、小笠原、翔太がまず向かったのは、3年の校舎。

目的は男子バスケ部3年マネージャー、平山 美紗子を訪ねるためだ。
涼真は事情を説明する。

平山「そっか、なら私から1年生の女子に声かけてみればいいかな?」

涼真「お願いします、先輩」

平山「大丈夫よ。期待のルーキーも苦労してるね」

涼真「チームのためですから」

平山「期待…はあまりしないで欲しいけど頑張ってはみるね」

涼真「すみません、世話になります平山先輩」


3年の校舎から戻ると、涼真は満月と鉢合わせた。

満月「ごめん、会話ちょっと聞いちゃった」

涼真「マネージャーのことか?」

満月「うん…同じ1年生同士でも声かけてみるね」

涼真「マジで?ありがとう」



一方、慎太郎、政史、賢、佐藤は2年の校舎へ。
こちらも男子バスケ部の2年の女子マネージャー、臼井 舞子を訪ねていた。

臼井「うちはいいけど…わかってると思うけどマネージャーってそんな簡単な仕事じゃないんよ?」

慎太郎「わかってます」

政史「それでもチームがまた全国に行くために、協力して欲しいんです」

臼井「わかった…うちも探してみるね」


そうこうしているうちに昼休みが終わる。


慎太郎「今日部活無しかぁ…涼真ん家でゲームでもしねえ?」

涼真「たまにはそういうのもいいな、他には来るやつは?」


結果、男子バスケ部1年8人全員が集まることに。

涼真「そういや、女子の方がうちの高校って人数多いんだろ?女バスって結局何人いんの?」

武蔵「上級生は知らないけど、1年生は8人かな」

涼真「全然知らなかった…満月しか知らねえや…」



満月「くしゅっ…」

「大丈夫?」

満月「誰か噂してるのかな」


関東大会予選準決勝、決勝まであと5日。


To be continued…
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