BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第1章 入学〜インターハイ予選

第11話 法帝大付三vs東裁大相模

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ゾーンディフェンス

ゾーンディフェンスとはゾーン(地域)を守るディフェンスである。
ゾーンディフェンスの共通点としては、中へドリブルで侵入してくるプレイなどに強く、リバウンドも抑えやすくなるメリットがある反面、決まった相手をマークするディフェンスではないため、難しいという難点があり、そして意外にもマンツーマンで守るより体力の消耗が激しい。
目的や相手のプレースタイルなどによって下記の例のようにいろんな種類のゾーンディフェンスが存在する。













稀に、ゾーンとマンツーマンを組み合わせた「ボックスワン」「ダイヤモンドワン」「トライアングルツー」と呼ばれるディフェンス方法もあるのだが…
それはまた登場したら解説する。

ーーーーーーーーーー

法帝大付属三

G    #7  竹前 祐悟  3年 177㎝
G/F  #4  長谷川 卓治 3年 183㎝
F    #14 長谷川 祥紀 1年 183㎝
C/F  #5  大崎 和哉  3年 189㎝
C/F  #8  相馬 遼也  2年 191㎝


東裁大相模

G  #11 今野 正志 2年 174㎝
G  #5  北田 剛毅 3年 180㎝
F  #4  阿部 理人 3年 185㎝
F  #8  村越 悠聖 3年 188㎝
C  #15 梅村 聡紀 1年 195㎝


法帝大付属三は2-1-2のゾーンでスタート。

新城「なんか普通の2-1-2じゃないな…ガードが真ん中じゃねえか」

武蔵「確かに…普通は前列にガード2人、真ん中にセンター、後列に両フォワードを置くのがセオリー…」

法帝大は前列に長谷川卓治と長谷川祥紀の兄弟、真ん中にガードの竹前、後列に大崎と相馬という、通常とは少し異なる布陣のゾーンを組んできた。

今野はひとまずトップからまっすぐゴールにドリブルで侵入。
たちまち2人の長谷川に囲まれる。
10㎝ほど大きい2人に囲まれたまらず今野は右ウィングの阿部にボールを出す。
その瞬間ディフェンスの陣形が綺麗に元に戻る。

今野「なるほど、トップからまっすぐギャップ(ゾーンの陣形の間)を突くのは難しいか」

北田がコーナー寄りの左ウイングでボールを受け、ドライブ。

長谷川祥紀と相馬の間に突っ込む。

北田、迷わずジャンプシュートへ。
長谷川祥紀と相馬の2人がブロックに飛ぶ。

その瞬間、空いたハイポスト付近に梅村が合わせてくる。

北田「よし!」

北田は空中で体制を整え梅村にパス。

バシッ!

このボールがパスカットされる。

犯人は…

「竹前!」

ゾーン中央にいた竹前のパスカット。

竹前「走れ!」

竹前が前線にボールを放る。
そこには一足先に走っていたキャプテン、長谷川卓治。

そのままワンマン速攻。

長谷川卓治「もらった!」

次の瞬間

バシィッ!

レイアップシュートがブロックされる。

ボールはラインを割りアウトオブバウンズ。

長谷川卓治が振り返るとそこには紺色の15番。

観客「おお!ブロックした!」

「てかあれセンターだろ?足速すぎだろ!」

梅村「ゴール下で好きにはさせねえよ」



慎太郎「さすが梅村」

東裁大相模はオーソドックスにマンツーマンでディフェンス。

竹前に今野。
長谷川卓治に阿部。
長谷川祥紀に北田。
大崎に村越。
相馬に梅村。


涼真「なるほど…1年の長谷川祥紀には上背がなくても北田なら守れるって判断か。
そして3年で経験もある長谷川卓治には同じくキャプテンでエースの阿部…考えたな」


法帝大付属三は堅実なパス回しからローポストにポストアップした相馬の1対1でゴールを狙うも


バシィッ!!


「また15番(梅村)のブロックだ!」

「さすが中学で全国制覇したチームのセンター!ゴール下は強い!」

ボールは北田が拾う。


阿部「速攻!」

だが法帝大三も戻りが早く速攻は止められる。


新城「こりゃ守り合いになるな」

髙木「相模は決してディフェンスディフェンスしたチームでもないんだが…」

中澤「今の所両チームのディフェンスが相手のオフェンスを凌駕してるな」



そこからなんと試合は開始から6分もの間両チーム無得点という驚くべき事態に。


法帝大三は、2-1-2ゾーンで中央にいる竹前の平面のディフェンス力に加え、それ以外のメンバーも180以上と高さもそこそこありプレッシャーとなる。

だがオフェンスでは、東裁大相模の梅村を崩すことができずインサイドで点が取れない。加えて外のシュートが入らずディフェンスの注意を外に向けることができずにいた。



東裁大相模は、梅村の圧倒的な存在感でインサイドを制圧し、すでに梅村は4つのブロックショットを記録。
他のメンバーも梅村の活躍に触発されディフェンスで隙を作らない。

だがオフェンスでは同じく外のシュートも入らず、ゾーンディフェンスでは梅村には2人、3人と人数をかけてくるためインサイドでも点が取れなかった。


武蔵「均衡しちゃったな」

涼真「まあ、ずっとこのままってのはあり得ない
試合には流れってのがあるからな」

慎太郎「じゃあ、なんらかのきっかけでこの均衡が崩れたら」

涼真「試合は一気に動く」

神崎「ファウルもまだ1度も起きてないけど選手交代で流れを変えるってのもありそうだな」

と、そんな会話の中

ブーッ!

オフィシャル「交代!青(東裁大相模)!」


コートサイドには14番を付けた1年生の椿。

法帝大付属三

G    #7  竹前 祐悟  3年 177㎝
G/F  #4  長谷川 卓治 3年 183㎝
F    #14 長谷川 祥紀 1年 183㎝
C/F  #5  大崎 和哉  3年 189㎝
C/F  #8  相馬 遼也  2年 191㎝


東裁大相模

G  #14 椿 卓馬 1年 182㎝
G  #5  北田 剛毅 3年 180㎝
F  #4  阿部 理人 3年 185㎝
F  #8  村越 悠聖 3年 188㎝
C  #15 梅村 聡紀 1年 195㎝


新城「相模が先にこの流れを嫌ったか…」

矢島「あの1年、なかなか重要な場面を託されたな」

小宮山「確か涼真たちは、あいつはディフェンスが上手いとか言ってたけど」

涼真「はい」

武蔵「確かにディフェンスはいいですけどそれだけじゃないですね
あいつは…ポイントガードもできますが、本職は典型的な3&Dタイプ(スリーポイントとディフェンスを得意とするタイプ)のシューティングガードです」

髙木「ディフェンス力をキープしつつ…パス中心の今野を下げてオフェンス重視の北田と椿、2人のガードにしてきたってわけか」


コートでは相模の攻撃。

相変わらず2-1-2ゾーンで守る法帝大三。
椿がボールを運ぶ。


涼真(さてまずはどーする?椿)

フロントコートに入ってきてすぐ左ウィングの北田にパス。
それと同時に自分はあえて2-1-2ゾーンの中に飛び込む。
ディフェンスのケアが来る。

北田はアウトサイドに出た村越、そして阿部とパス交換をする。

そして梅村が右ミドルポストでボールを要求。
右ウィングにいた阿部がボールをいれる。

長谷川卓治「囲め!」

ディフェンスに囲まれた瞬間、梅村はオーバーヘッドパスでボールを逆サイドのコーナーとウイングの中間ほどに展開。

そこには北田。
ゾーン後列の大崎が追う。
が、北田は素早くボールをコーナーに展開。

そこには…

いつゾーン内の密集地帯から飛び出したのか、椿が待ち構えていた。

椿、ノーマークでスリーポイント。

ボールは綺麗な軌道を描き…

スパァッッ!


第1Q残り3:22

法帝大付三 0
東裁大相模 3


相模に待望の初得点。


阿部&北田「よし!」

村越「椿!よく決めた!」

椿「ハイ!」

梅村「頼りになるぜ」


相模は今の得点でにわかに活気付き始めた。

「きたぁ!梅村のインサイド!」

「相模連続得点!」

対する法帝大三は相馬と大崎のインサイドでの連携で初得点を挙げ、長谷川兄弟のアウトサイドで追いすがるが、このクォーターは椿のプレイで勢いづいた相模が攻守で押した。


第1Q終了

法帝大付三 7
東裁大相模 13


To be continued…
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