BUZZER OF YOUTH

Satoshi

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第4章 集大成・ウィンターカップ

第258話 一触即発

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チーム メンバープロフィール

神崎かんざき 玲太れいた

豊誠学園高校2年
193㎝80kg

誕生日:5/2

血液型:B

特徴:センター分けの長髪気味の髪型が特徴。身長も背格好もいとこである健太と似ているが身体能力や得点能力は玲太、ディフェンス力と堅実さは健太とそれぞれ持ち味が違う。バスケでは火花を散らす2人だが私生活では仲がいい。
豊誠学園の新チームでは副キャプテンを務める。

特技:効き茶

趣味:オフにゲーム(相手はだいたい健太)

得意教科:化学

苦手教科:日本史

得意なプレイ:ドライブ、ポストプレイ

バスケを始めたきっかけ:小学校のバスケの授業で楽しくなって

密かな悩み:たまにチームメイトに「健太」とからかって呼ばれる。



-----------------------------


















第1Q終了

星垓        22
紅泉        22














-星垓ベンチ-







新城「同点か…まあまあか」










髙木「インサイドにあまり攻め込めてなかったしシュートも結構外れてたにしては意外だな」










神崎「やっぱ涼真(12得点)と真田(6得点)が外から高確率で決めてるからじゃないっすか?」








真田「神崎が2ファウルしたのは想定外だったけど」









神崎「ぐっ…」











新城「涼真は大丈夫か?あれだけ強く当たられててどこか痛めたりしてねえか?」











涼真「今のとこは全然…」











だが、その言葉とは裏腹に涼真の腕や足には既に複数のアザが。












涼真だけではない。








髙木に神崎、途中から出ていた須川の身体にもアザ。








新城もドライブやバックドア中心に展開していたこともあり、いくつかアザを作っている。












真田もディフェンスをかわすためにコンタクトが多く、何ヶ所かアザを作っている。













唐沢「どうですか?紅泉のフィジカルコンタクトは」











髙木「確かに荒っぽいですね…予想してた程ではないですけど」










唐沢「そうですか…ではひとまず第2Qは第1Q最後のメンバーで当初のプラン通りでいきましょう。神崎君はまた後で出番来ますので準備しておいて下さい」












神崎「はい!」












唐沢「おそらくこのQから相手は何かしら仕掛けてくるでしょう。場合によっては相手に流れが行って2桁点差をつけられる場面もあるかもしれません。
ですがそこで焦らず1本ずつ決めて1本ずつ丁寧に守ること。やることはいつもと一緒です」












星垓メンバー「「「はい!!!」」」















-一方、紅泉ベンチ-















佐藤「流石に全国ベスト4ともなると手応えが違うな…昨日の北陵も結構めんどくさい相手だったけど、星垓も…身長は北陵程じゃないがフィジカルは悪くない分タフだぜ」










雨宮「髙木は流石に強えな。パワーに任せて押し切るだけじゃ対応されちまう。テクニックも織り交ぜてなんとか…って感じだ」










葛山「しかし…北条が1番厄介だな。あれだけ徹底マークしても12点も取られちまってる。フィールドゴールの成功率はどっちも今ひとつだが…試合自体がハイペースだからな。星垓にはむしろロースコアな遅い展開の方が効くのかもしれない」









橋本「いや…スローペースになった方がうちにとっちゃ不利だ。星垓には絶対的に点を取れる北条がいるからな。大味な早い展開の方が力の差は誤魔化される。北条に対しては第1Qと同じく人数で潰しにいけばいい」









柳澤「早い展開の方が格下のうちには有利に戦える…そんなもんなんすね」














ブーッ!!!












インターバルが終わり、第2Q開始のブザー。










星垓

4 新城 敦史    185㎝ 3年
9 真田 直斗    185㎝ 2年
10 北条 涼真    191㎝ 1年
13 須川 雄大    191㎝ 2年
7 髙木 悠介    199㎝ 3年


紅泉

4 橋本 輝樹    179㎝ 3年
8 葛山 丈     189㎝ 3年
6 佐藤 力哉    190㎝ 3年
10 柳澤 拓男    193㎝ 2年
5 雨宮 裕史    198㎝ 3年











橋本(星垓は第1Q最後とメンバーは同じ…唐沢監督が何か仕掛ける為にメンバーを変えるかと思ったが…)












そして、前の試合を戦っていた愛和や博多の選手達もミーティングを終え観客席で観戦している。










武田(1Qは数字上互角か…)









羽田「紅泉、侮れねえな」








朝岡「この勝者が明日の相手か…」






市河「星垓はもちろん…うちも油断すると足元すくわれかねないっすね」









第2Qは紅泉ボールからスタート。













新城「マークマン確認!」











真田「6番佐藤!!」



須川「10番柳澤!!」



涼真「8番葛山!!」



髙木「5番雨宮!!」



新城「4番橋本!!」














村上「星垓はマンツーマンか」









中嶋「同点ですしまずは第2Qの出だしで様子見ですかね…」














紅泉はボールを丁寧にまわしていく。










試合開始直後によく見られる「全員がボールを触る」というパス回し。








そして、24秒タイマー残り10秒
















ビッ!











第2Q最初の紅泉のオフェンスの選択はエース・葛山の1 on 1だった。










右コーナーで涼真と対峙する。










涼真(来るか…?)













ダム!!










葛山、涼真に背を向けつつ涼真を押し込むようにドリブル。













慎太郎(パワープレイ!)













キュッ!!!












葛山、振り向きざまフェイダウェイでジャンプシュート。











涼真「チッ」











パワープレイに耐えていた涼真、この動きの前にブロックに跳べず手を伸ばすのが精一杯。













バス!!!












葛山、難しい角度からボードに当ててこのシュートを沈める。












第2Q 残り9:38

星垓        22
紅泉        24










涼真「ビデオでも見たプレーだったのに…」
(あれだけ身体を上手く当てられてそこから跳ばれるとこっちは跳びづらい…高松さんでも手こずった訳だ…)









新城「切り替えるぞ!1本!」











新城、涼真にインバウンズパスを入れる。









ダム!







涼真、ボールを運ぶ。









そのまま右45°へ。









そこには、スクリーンを構える真田。











佐藤(ピストルか…!またボールごと床に叩きつけてやる)










ビッ!!











涼真、パス。










佐藤と葛山2人の意識が涼真に寄ったとみるや、自らがロール。










そこに涼真からパスが入る。












スパッ!!!













中には切れこまず、ミドルシュートを確実に決める。













第2Q 残り9:29

星垓        24
紅泉        24










橋本「チッ」
(あのシューター8番も厄介だな…スリーもミドルも関係なく決定力がある)













続いての紅泉のオフェンス。












またしても葛山が、涼真を背負いポストアップしてボールを受ける。











涼真「チッ」
コイツ葛山はパワーだけじゃなくスピードもある…ポストプレーのパワーだけに備えておく訳にも…どうする…)











ダム…!











葛山、パワーで押し込む。












涼真「くっ…」











涼真、耐える。











キュキュッ!!










葛山、涼真を押し込んだ直後に鋭いターンで正面を向き、斜め後ろに跳びながらフェイダウェイ。









涼真、懸命に手を伸ばすもブロックは届かない。










山下「でも身体は流れてる…!」










中嶋「いや、葛山のシュート力なら…」














スパッッ!!!











綺麗に決まる。










第2Q 残り9:11

星垓        24
紅泉        26











涼真「くっ…ちくしょう…」
(シュート力も凄い…!なかなか止められねえ!)





新城「ドンマイ、取られたら取り返すぞ」







髙木「むしろ葛山め、よくあの難しいシュートを決めてきたもんだ。あそこまで誘導できてるのに…」





涼真「…」
(誘導…?)










続いて星垓のオフェンス。







またしても涼真がボールを運ぶ。









涼真が右45°に来ようというところで、再び真田のインバートスクリーン。









ダム!









涼真「!」








涼真、ドライブするも佐藤、葛山のディフェンスの備えが万全な為右にスライドするに留まる。









真田「チッ」









真田、スクリーンにかからないと見るやすぐさまトップへ移動。パスを受けてのスリーを狙うも









キュッ!








葛山「それは知ってる」








葛山がすぐさまカバー。








涼真、ドリブルしたままマッチアップ相手の佐藤と対峙。










ダム!!!







涼真、今度こそドライブ。









佐藤「抜かせるか…!!」








雨宮「佐藤!!」








ガシィッ!!










佐藤「!?」









佐藤、いつの間にか寄ってきていた髙木のスクリーンに引っかかる。









キュキュッ!








すかさず雨宮がヘルプ。











ビッ!











それを見た涼真、すかさずロールした髙木にパス。












中嶋「上手い!」









山下「ピストルオフェンスを全部止められても、このピックアンドロール!」









村上「いや…!」













髙木「もらった!」














バゴォッ!







髙木「!?」





このシュートが雨宮によってブロックされる。









涼真「チッ」
(ピックアンドロールの守り方が上手いな…ヘルプに出たのはほんの1歩…スタントしてきただけで最初から髙木さんのインサイドを警戒してやがった)








ボールを取ったのは、橋本。









橋本「走れ!」









紅泉のカウンターでの速攻が始まる。









ビッ!










橋本、前線を走っていた佐藤にパスを通す。








佐藤「よし」










トップ付近でボールを受け、そのままリングへ突っ込んでいく佐藤。










新城「んな簡単に…」












真田「行くと思うな!」











だが、ディフェンスに戻っている新城と真田。











ダム!!










佐藤、フィジカルに物を言わせ構わず突っ込む。










そのまま、真田のいる側へと突っ込んだ。







橋本「やれ」











佐藤「どきやがれ…!!」










ガッ!!







佐藤、空中にて左腕で真田を押しのけ強引にゴールへ。










真田「がっ…!?」








そのパワーに真田、バランスを崩す。










ドッガァァァァ!!!!!











そのままワンハンドでリングに叩き込む。











ピピーッ!!!









審判の笛が鳴る。









審判「ノーカウント!オフェンスファウル!」











「だぁぁぁぁ!?オフェンスファウル!?」





「流石に強引過ぎたか…?」










新城「危ねぇな…」
(オフェンスファウルになったからよかったが…パワーは相当ある…怪我には気をつけねえと…)












ピピピッ!!









審判「レフェリータイム!」










審判、何かに気づき試合を止める。











ポタッ…









コートではバランスを崩した真田がしゃがみこみ、顔の右側を手で覆っている。










その顔からは、血が流れている。










真田「くっ…」
(目の上にヒジが入ったか…切れちまったみたいだ…)









新城「真田!!」





涼真「先輩!!」




須川「大丈夫か!?」







チームメイトが不安そうに駆け寄る。








真田「なんとか…ただ血が出て血が目にはいっちゃいまして…」









真田、立ち上がり手で顔を抑えているが右目を強く瞑り、開けられない。
そしてその顔を血が濡らしている。










新城「おいてめえ!わざとヒジ入れやがったな…!」









新城、佐藤へ詰め寄ろうとする。







佐藤「ああ?よくある試合中の事故だろうが?テキトーぬかすな!」





佐藤も喧嘩腰に新城に向かっていく。
もはや一触即発状態。







髙木「よせ!新城!」







新城、髙木に抑えられる。







佐藤も葛山と橋本に止められている。







ピピピッ!!








審判も小競り合いになりそうな雰囲気を察し、笛を鳴らす。









審判「両チーム!熱くなるのはいいが方向性を間違えないように!次からはテクニカル※だよ!」
※テクニカルファウルのこと








ともかく出血した真田、やむなくベンチへ。








唐沢「中澤君、アップを」










中澤「はい!」










星垓、真田に変わり中澤を投入。







唐沢「中澤君は4番橋本、新城君は8番葛山のマークを」







中澤「了解です」







新城「はい」





星垓

5 中澤 透     177㎝ 3年
4 新城 敦史    185㎝ 3年
10 北条 涼真    191㎝ 1年
13 須川 雄大    191㎝ 2年
7 髙木 悠介    199㎝ 3年


紅泉

4 橋本 輝樹    179㎝ 3年
8 葛山 丈     189㎝ 3年
6 佐藤 力哉    190㎝ 3年
10 柳澤 拓男    193㎝ 2年
5 雨宮 裕史    198㎝ 3年








ここからゲームは、互いにスコアを積み重ねながらも膠着した。





新城や涼真が紅泉のハードなディフェンスを恐れず積極的にカットイン。






髙木を除く4人が外からも得点できるため紅泉のディフェンスは外へ広がる。
結果、星垓は内外でチャンスを作る。






対照的に紅泉は、その体躯を活かし徹底的にインサイドを攻める。








この両者の戦術は、どちらへ転ぶでもなく長い膠着状態に。














ブーッ!!










前半終了

星垓        47
紅泉        46











結果、前半を互角のスコアで折り返す。














……To be continued


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